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第9章 創天国の魂編
32.美しき都
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幕府の一行はセラージュに到着し、セビカ国の地に足を踏み入れていた。
するとドヴェルクと長継らが言う。
長継
「さて、それでは我が国セビカの国王のアルド様に会っていただきとうございます。」
ドヴェルク
「ここからは私たちが案内いたします。どうぞついて来てください。」
長継らは、幕府の者たちをセビカ国王であるアルド・セリアーに謁見させるべく案内を行うと言っていた。
そうして率先して歩き始めていた二人に対して貞広が問いかける。
貞広
「ところで、そのアルド殿はどちらにおられるのでござるか?」
長継
「アルド様は、このセラージュの地にあるセリアー城におられます。故に、セラージュはセビカの要の地と申しても良い地にございます。」
・セリアー城
代々のセビカ国王の居城。
初代国王であるエリック・セリアーの出生地がセラージュという事もあってか、建国時にこの地を首都に制定した。
もともと港町として栄えていたセラージュではあったが、首都となった事で更に発展を遂げて現在に至る。
城の名前の由来だが「セラージュ」が訛って「セリアー」に転じたものを使用したとされており、国王一族の名前である「セリアー」とは無関係であるという。
宗重
「さすればこのセラージュの地は、我らにとっては志太幕府将軍殿のお膝元と申すわけにござろうか。」
国王のいるセラージュを拠点としてセビカは治められているという。
自国である創天国で言うならば、将軍のお膝元である八光御所下に値するほど重要な地であろう。
宗重はセラージュの町並みを眺めながらそう言っていた。
すると貞広が深く頷いた後に言う。
貞広
「なるほど、道理で…。国は違えど、そう言われてみれば確かに八光御所の町並みを感じるものがございますな。」
宗重
「うむ、やはり国を治めし御方がおられる地はどこか風格を感じるものである。」
国の最高機関を治める将軍や国王が住まう地は、どこか共通して感じる風格が存在している。
それでいて町並みから見ても眩いほどに華やかさが溢れ出ており、都に相応しいほどである。
だがそれは、単に華美に彩られて嫌らしさを感じるようなものでは無い。
言葉では言い表し切れぬ程に本当に素晴らしい地である。
宗重らはしみじみとそう感じさせられていた。
長継
「それほどまでに言っていただけるとは…真に光栄にございます。」
宗重らによる感嘆の声を聞いた長継は、非常に嬉しそうな表情を見せていた。
すると政武が首を傾げながら言う。
政武
「おい爺さんたちよ、なんじゃそれは?俺にはよう分からんでな。」
宗重
「お主にはまだ分からぬのかも知れぬな。じゃが、じきにお主にも分かる時が来るであろう。」
どうやら政武には先程に宗重らが言わんとしている事に対して理解ができていない様子だ。
幕府に対して何の興味も示さぬ海賊衆であった故の事が大きいであろうか。
だが、そんな政武も幕府という組織に加わる事でそうした事もやがては分かるであろうと宗重は思っているようであった。
やがて、長継らによる案内によって一行は大きな城の前に着いていた。
長継
「こちらがセリアー城にございます。」
ドヴェルク
「我が兄も待ちかねていることでしょう。さぁ、早く入りましょう。」
ドヴェルクは急かすように皆にそう言っていた。
するとドヴェルクと長継らが言う。
長継
「さて、それでは我が国セビカの国王のアルド様に会っていただきとうございます。」
ドヴェルク
「ここからは私たちが案内いたします。どうぞついて来てください。」
長継らは、幕府の者たちをセビカ国王であるアルド・セリアーに謁見させるべく案内を行うと言っていた。
そうして率先して歩き始めていた二人に対して貞広が問いかける。
貞広
「ところで、そのアルド殿はどちらにおられるのでござるか?」
長継
「アルド様は、このセラージュの地にあるセリアー城におられます。故に、セラージュはセビカの要の地と申しても良い地にございます。」
・セリアー城
代々のセビカ国王の居城。
初代国王であるエリック・セリアーの出生地がセラージュという事もあってか、建国時にこの地を首都に制定した。
もともと港町として栄えていたセラージュではあったが、首都となった事で更に発展を遂げて現在に至る。
城の名前の由来だが「セラージュ」が訛って「セリアー」に転じたものを使用したとされており、国王一族の名前である「セリアー」とは無関係であるという。
宗重
「さすればこのセラージュの地は、我らにとっては志太幕府将軍殿のお膝元と申すわけにござろうか。」
国王のいるセラージュを拠点としてセビカは治められているという。
自国である創天国で言うならば、将軍のお膝元である八光御所下に値するほど重要な地であろう。
宗重はセラージュの町並みを眺めながらそう言っていた。
すると貞広が深く頷いた後に言う。
貞広
「なるほど、道理で…。国は違えど、そう言われてみれば確かに八光御所の町並みを感じるものがございますな。」
宗重
「うむ、やはり国を治めし御方がおられる地はどこか風格を感じるものである。」
国の最高機関を治める将軍や国王が住まう地は、どこか共通して感じる風格が存在している。
それでいて町並みから見ても眩いほどに華やかさが溢れ出ており、都に相応しいほどである。
だがそれは、単に華美に彩られて嫌らしさを感じるようなものでは無い。
言葉では言い表し切れぬ程に本当に素晴らしい地である。
宗重らはしみじみとそう感じさせられていた。
長継
「それほどまでに言っていただけるとは…真に光栄にございます。」
宗重らによる感嘆の声を聞いた長継は、非常に嬉しそうな表情を見せていた。
すると政武が首を傾げながら言う。
政武
「おい爺さんたちよ、なんじゃそれは?俺にはよう分からんでな。」
宗重
「お主にはまだ分からぬのかも知れぬな。じゃが、じきにお主にも分かる時が来るであろう。」
どうやら政武には先程に宗重らが言わんとしている事に対して理解ができていない様子だ。
幕府に対して何の興味も示さぬ海賊衆であった故の事が大きいであろうか。
だが、そんな政武も幕府という組織に加わる事でそうした事もやがては分かるであろうと宗重は思っているようであった。
やがて、長継らによる案内によって一行は大きな城の前に着いていた。
長継
「こちらがセリアー城にございます。」
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「我が兄も待ちかねていることでしょう。さぁ、早く入りましょう。」
ドヴェルクは急かすように皆にそう言っていた。
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