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第8章 将軍への道程編
68.第二次墨山の戦い(8)
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崇冬は、犬の軍勢を用いて国輝の軍勢に対して攻撃。
国輝の軍勢は霧の中において霧眼鏡を装着し、周辺の見渡しは良いはずではあった。
しかし放たれた犬たちの勢いは凄まじく、瞬く間にその攻撃に飲まれていった。
そうして犬たちによる国輝の軍勢への攻撃が一通り終わった後、崇冬が口を開く。
崇冬
「さぁお前たちよ、康龍殿の元へと行くが良い!」
国輝の軍勢に混乱をもたらした犬たちを、今度は康龍のいる戦場へと送り込もうとしていた。
貞道
「いやはや、真に頼もしき援軍よのう。康龍殿の軍勢もこれでまた優勢となろうな。」
国輝の軍勢を混乱に陥れた犬たちが今度は康龍の軍勢と合流する。
同様の活躍を国時の軍勢の前で見せてくれる事は間違い無いであろう。
貞道はそう確信していた様子であった。
ほどなくして犬たちは墨山城の南側に到着。
国時の軍勢を見かけると一直線に向かい、攻撃を開始した。
たちまち兵たちは混乱状態へと陥った。
国時
「何じゃ?何じゃ?どうしたのじゃ?」
自身の軍勢の様子に異変を感じた国時が慌てた表情をしてそう言った。
犬の攻撃によって軍勢が混乱している事を知る事となったのは、少しの時が経ってからである。
国時
「誰じゃ、この戦の場にかような犬なぞを持ち込んだ馬鹿者は!」
この状況を理解した国時であったが、何故に犬たちによって自身の軍勢が攻撃を受けているのかは分からなかった。
やがてこの策が崇冬の仕掛けたものである事を知る事となった国時は、敵ながらも感心した様子で口を開く。
国時
「この犬どもは口羽崇冬が仕向けたというのか。全く、味な真似をしてくれるわ…」
先の戦いにおいては、霧という天候を味方につけた事によって外河軍は勝利した。
この墨山の地は不安定な天候の為、霧がしばしば発生する。
その為に国時の軍勢も霧眼鏡を装着していたが、犬たちの凄まじい勢いを前にその効力が存分に発揮できなかったようである。
悪天候の環境を利用した戦い方が、今回の戦いでは通用しなくなった事を国時はこの時に思い知らされた。
そして、犬の軍勢による攻撃が行われているという事を知った康龍が首を傾げて言う。
康龍
「なに、犬じゃと…はっ!もしや、これは崇冬殿が…」
康龍は少し考え込んだ後、はっとした表情を見せる。
自身が幼い頃、村上城の地下牢に幽閉されていた頃に番人として放たれていた野犬。
後にその野犬たちは、崇冬によって引き取られて行った事をふと思い出す。
そして今回、崇冬が対外河家に対して良き策があると発言。
それが、この犬たちを使ったものである事を康龍は確信していた様子であった。
康龍
「真に見事な策にございますな!崇冬殿、恩に着ますぞ!」
康龍は、頼もしい軍勢を援軍として送り込んでくれた事に対して感謝の言葉を発していた。
国時
「くそっ、これでは思うように軍勢を操れぬではないか!」
一方、国時の軍勢は犬たちによる迎撃にあぐねいていた。
貞道
「どうやら国時も崇冬殿の策によって慌てふためいておるようじゃな。」
国時の軍勢が混乱した状態である事を知った貞道は、自身の予想通りの結果となった事に対して嬉しげな様子だ。
しばらくした後、康龍が意を決した表情で声を上げる。
康龍
「皆の者よ、好機にござる。崇冬殿より賜った援軍と共に一気に国時の軍勢を押し潰してしまうのじゃ!」
康龍の軍勢の士気は上昇していた。
国輝の軍勢は霧の中において霧眼鏡を装着し、周辺の見渡しは良いはずではあった。
しかし放たれた犬たちの勢いは凄まじく、瞬く間にその攻撃に飲まれていった。
そうして犬たちによる国輝の軍勢への攻撃が一通り終わった後、崇冬が口を開く。
崇冬
「さぁお前たちよ、康龍殿の元へと行くが良い!」
国輝の軍勢に混乱をもたらした犬たちを、今度は康龍のいる戦場へと送り込もうとしていた。
貞道
「いやはや、真に頼もしき援軍よのう。康龍殿の軍勢もこれでまた優勢となろうな。」
国輝の軍勢を混乱に陥れた犬たちが今度は康龍の軍勢と合流する。
同様の活躍を国時の軍勢の前で見せてくれる事は間違い無いであろう。
貞道はそう確信していた様子であった。
ほどなくして犬たちは墨山城の南側に到着。
国時の軍勢を見かけると一直線に向かい、攻撃を開始した。
たちまち兵たちは混乱状態へと陥った。
国時
「何じゃ?何じゃ?どうしたのじゃ?」
自身の軍勢の様子に異変を感じた国時が慌てた表情をしてそう言った。
犬の攻撃によって軍勢が混乱している事を知る事となったのは、少しの時が経ってからである。
国時
「誰じゃ、この戦の場にかような犬なぞを持ち込んだ馬鹿者は!」
この状況を理解した国時であったが、何故に犬たちによって自身の軍勢が攻撃を受けているのかは分からなかった。
やがてこの策が崇冬の仕掛けたものである事を知る事となった国時は、敵ながらも感心した様子で口を開く。
国時
「この犬どもは口羽崇冬が仕向けたというのか。全く、味な真似をしてくれるわ…」
先の戦いにおいては、霧という天候を味方につけた事によって外河軍は勝利した。
この墨山の地は不安定な天候の為、霧がしばしば発生する。
その為に国時の軍勢も霧眼鏡を装着していたが、犬たちの凄まじい勢いを前にその効力が存分に発揮できなかったようである。
悪天候の環境を利用した戦い方が、今回の戦いでは通用しなくなった事を国時はこの時に思い知らされた。
そして、犬の軍勢による攻撃が行われているという事を知った康龍が首を傾げて言う。
康龍
「なに、犬じゃと…はっ!もしや、これは崇冬殿が…」
康龍は少し考え込んだ後、はっとした表情を見せる。
自身が幼い頃、村上城の地下牢に幽閉されていた頃に番人として放たれていた野犬。
後にその野犬たちは、崇冬によって引き取られて行った事をふと思い出す。
そして今回、崇冬が対外河家に対して良き策があると発言。
それが、この犬たちを使ったものである事を康龍は確信していた様子であった。
康龍
「真に見事な策にございますな!崇冬殿、恩に着ますぞ!」
康龍は、頼もしい軍勢を援軍として送り込んでくれた事に対して感謝の言葉を発していた。
国時
「くそっ、これでは思うように軍勢を操れぬではないか!」
一方、国時の軍勢は犬たちによる迎撃にあぐねいていた。
貞道
「どうやら国時も崇冬殿の策によって慌てふためいておるようじゃな。」
国時の軍勢が混乱した状態である事を知った貞道は、自身の予想通りの結果となった事に対して嬉しげな様子だ。
しばらくした後、康龍が意を決した表情で声を上げる。
康龍
「皆の者よ、好機にござる。崇冬殿より賜った援軍と共に一気に国時の軍勢を押し潰してしまうのじゃ!」
康龍の軍勢の士気は上昇していた。
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