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第8章 将軍への道程編
19.頼隆の決心
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年が明けてから数日が経ち、墨山城では頼隆が再び家臣を集めていた。
頼隆が家臣たちの前で言う。
頼隆
「我は、明日に志太家の祐宗殿を訪ねに参る予定じゃ。」
この頼隆の言葉に家臣たちは一瞬、戸惑いの表情を見せた。
が、しかしすぐに皆が覚悟を決めた様子へと切り替わった。
国輝と国時を除けば、の話ではあるが…
頼隆に対して国輝がすかさず口を開く。
国輝
「殿、さすれば拙者と国時もお供させていただきたくございます。」
頼隆
「ほう、国輝殿らがか?一体どうしたというのじゃ?」
頼隆は、国輝のその言葉を聞いて少し驚いた様子であった。
それもそのはず。
先日に頼隆が志太家に従う意向を固めたと表明した際も、依然として国輝らはそれに反対する意見を述べていた。
それが今回の表明時には反対など否定的な意見を述べる事なく、何と志太家の元まで同行を申し出て来たからである。
この期間に国輝らは心変わりが起きたのであろうか。
いや、それでもあれほど断固として反対の意向を見せていた者がこうも簡単に心変わりをするものなのであろうか。
頼隆は少し戸惑った様子を見せている。
すると国輝が頼隆に対して答える。
国輝
「殿のご決断には我らも従いまする。ただ、志太家は油断ならぬ相手である故に殿の御身が心配にございます。」
あくまでも大名である頼隆が下した決断に対し、家臣である以上はそれに従う意向を国輝は見せた。
同時に志太家はひと癖もふた癖もある大名家である故、何か良からぬ事を企んでいるのでは無いかと、言っていた。
どうやら国輝は頼隆の身を案じている様子であるが、果たしてそれが本心なのであろうか…
そして国輝に続き、国時も口を開く。
国時
「我らは志太家に仕えていた時期がございます故に、国輝殿の申されることは良く分かります。」
国時は、自身らが志太家に仕えていた過去について語り始めていた。
いかに志太家が油断できぬ大名家であるかは、かつて家臣であった国輝らが良く知っているつもりである。
そして志太家は策士であり、巧妙な手口を用いて敵国を滅ぼす恐ろしい存在である故に国輝らは頼隆の身を案じていると言った。
すると頼隆が軽く首を傾げながら言う。
頼隆
「ふむ…心配は無用に我は思えるがな…」
頼隆は、二人の言葉に対して話半分で聞いている様子だ。
すると真剣な目つきをした国輝が頼隆に対して言う。
国輝
「志太家の者たちは泰平の世を築く為の天下統一を志として掲げてはおりますが、あくまでもそれは建前。殿の御身を狙い、外河家を乗っ取ることも志太家ならやりかねませぬ…」
すると頼隆は深く頷いた後に答える。
頼隆
「ほう…国輝殿がそこまで申すのならば、ここは一つそう致してみるか。では、我と共に八光御所へ参ろうぞ。」
どうやら頼隆は国輝らによる必死の言葉を聞いているうちに、身の危険をわずかながら感じていたようである。
国輝
「承知致しました。この国輝めらが頼隆様をお守りいたしましょう。」
国輝は頼隆に対して深々と頭を下げていた。
こうして頼隆による表明が終わり、家臣たちは解散した。
その後、国時が国輝に対して耳打ちをする。
国時
「国輝様、真によろしいのですか…」
国輝
「これは儂らの身を守る為に必要なことぞ、仕方あるまい…仕方のないことなのじゃ…」
国輝は戸惑うような言葉を発してはいたが、すぐに覚悟を決めた表情をしていた。
頼隆が家臣たちの前で言う。
頼隆
「我は、明日に志太家の祐宗殿を訪ねに参る予定じゃ。」
この頼隆の言葉に家臣たちは一瞬、戸惑いの表情を見せた。
が、しかしすぐに皆が覚悟を決めた様子へと切り替わった。
国輝と国時を除けば、の話ではあるが…
頼隆に対して国輝がすかさず口を開く。
国輝
「殿、さすれば拙者と国時もお供させていただきたくございます。」
頼隆
「ほう、国輝殿らがか?一体どうしたというのじゃ?」
頼隆は、国輝のその言葉を聞いて少し驚いた様子であった。
それもそのはず。
先日に頼隆が志太家に従う意向を固めたと表明した際も、依然として国輝らはそれに反対する意見を述べていた。
それが今回の表明時には反対など否定的な意見を述べる事なく、何と志太家の元まで同行を申し出て来たからである。
この期間に国輝らは心変わりが起きたのであろうか。
いや、それでもあれほど断固として反対の意向を見せていた者がこうも簡単に心変わりをするものなのであろうか。
頼隆は少し戸惑った様子を見せている。
すると国輝が頼隆に対して答える。
国輝
「殿のご決断には我らも従いまする。ただ、志太家は油断ならぬ相手である故に殿の御身が心配にございます。」
あくまでも大名である頼隆が下した決断に対し、家臣である以上はそれに従う意向を国輝は見せた。
同時に志太家はひと癖もふた癖もある大名家である故、何か良からぬ事を企んでいるのでは無いかと、言っていた。
どうやら国輝は頼隆の身を案じている様子であるが、果たしてそれが本心なのであろうか…
そして国輝に続き、国時も口を開く。
国時
「我らは志太家に仕えていた時期がございます故に、国輝殿の申されることは良く分かります。」
国時は、自身らが志太家に仕えていた過去について語り始めていた。
いかに志太家が油断できぬ大名家であるかは、かつて家臣であった国輝らが良く知っているつもりである。
そして志太家は策士であり、巧妙な手口を用いて敵国を滅ぼす恐ろしい存在である故に国輝らは頼隆の身を案じていると言った。
すると頼隆が軽く首を傾げながら言う。
頼隆
「ふむ…心配は無用に我は思えるがな…」
頼隆は、二人の言葉に対して話半分で聞いている様子だ。
すると真剣な目つきをした国輝が頼隆に対して言う。
国輝
「志太家の者たちは泰平の世を築く為の天下統一を志として掲げてはおりますが、あくまでもそれは建前。殿の御身を狙い、外河家を乗っ取ることも志太家ならやりかねませぬ…」
すると頼隆は深く頷いた後に答える。
頼隆
「ほう…国輝殿がそこまで申すのならば、ここは一つそう致してみるか。では、我と共に八光御所へ参ろうぞ。」
どうやら頼隆は国輝らによる必死の言葉を聞いているうちに、身の危険をわずかながら感じていたようである。
国輝
「承知致しました。この国輝めらが頼隆様をお守りいたしましょう。」
国輝は頼隆に対して深々と頭を下げていた。
こうして頼隆による表明が終わり、家臣たちは解散した。
その後、国時が国輝に対して耳打ちをする。
国時
「国輝様、真によろしいのですか…」
国輝
「これは儂らの身を守る為に必要なことぞ、仕方あるまい…仕方のないことなのじゃ…」
国輝は戸惑うような言葉を発してはいたが、すぐに覚悟を決めた表情をしていた。
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