274 / 549
第7章 天下分け目の大決戦編
48.三浦宮御所の戦い(1)
しおりを挟む
祐藤の号令により、軍勢は三浦将軍家を攻めるべく進軍。
三浦宮御所付近に到着した志太軍は、その場に布陣。
そして時を間もなくして幕府軍の兵たちも御所から出撃。
たちまち両軍は共に睨み合い状態となった。
・三浦宮御所の戦い
志太・口羽連合軍 対 三浦幕府軍
志太軍(総兵数 14,000人)
志太家総大将「志太 祐藤」
志太家武将「志太 祐宗」
志太家武将「志太 祐永」
計 6,000人
口羽軍
口羽家総大将「口羽 崇数」
口羽家武将「口羽 崇冬」
口羽家武将「羽村 貞道」
口羽家武将「大村 義道」
計 8,000人
三浦幕府軍(総兵数 10,000人)
三浦幕府総大将「三浦 継晴」
三浦幕府武将「三浦 教晴」
三浦幕府武将「黒松 義久」
三浦幕府武将「鳥居 景綱」
計 10,000人
祐藤
「こたびの戦いで三浦幕府の最期を我らが見届けることとなろう。」
祐藤は幕府の軍勢を遠目で眺めながらそう呟いていた。
すると祐宗が口を挟むように祐藤に対して言った。
祐宗
「兵数では我が軍が有利ではございます。ですが、戦というものは何が起こるか分かりませぬ故、油断は禁物かと…」
たとえ兵数では勝っていたとしても、戦では思わぬ逆転劇が繰り広げられる可能性があるなど一寸先は闇と言っても良い。
目先の有利な状況に対して一喜一憂する事はすべきではない。
祐宗はそう言いたげな様子であった。
すると祐藤は心配そうな様子の祐宗に対して答えた。
祐藤
「なぁに、我が軍には政豊殿がおるではないか。既に政豊殿の元へも伝令を送り込んでおる。じきに援軍をよこしてくれるであろう。」
先日の訪問で政豊が志太軍に加勢するという確約を得ている。
さらに政豊は幕府に対して嫌悪感を抱いている故に、今回の戦いには喜んで参戦するであろう。
また、幕府の最期と聞けば惜しまずに全力を出し尽くし、継晴をも討ち取らんばかりの勢いを見せる事は必定だ。
崇数
「政豊殿が参戦されれば、我ら兵の士気もさらに向上いたしましょうぞ。」
崇数は政豊の戦いぶりを高く評価しており、共に戦う事で自身の兵たちの士気の上昇も見込めるであろうと考えていた。
政豊は、他者にまで良い影響を与えるほどにまで惚れ惚れとする存在であった事が崇数の言葉からも伺える。
崇冬
「拙者、政豊殿と顔を合わせるのは国米での戦以来にございますな。」
崇冬は、政豊と今回の戦いで再会できる事を心待ちにしている様子であった。
そんな中、貞道が三浦宮御所を眺めながら言う。
貞道
「しかし、三浦宮御所は拙者が思うに見かけ以上に堅固のようにございますぞ…」
三浦宮御所は、材質や建築方法などどれを取っても非常に良く考えた造りであり、一般的な城よりも遥かに防御力は強かったとされている。
攻城戦や城改修など城に関する事に長けていた貞道の分析は正しかったと言えよう。
祐藤
「我が軍は今まで難攻不落の城を幾つも攻め落とした。今回とてそれも例外では無かろう。」
祐藤は、幾度と無く堅城を落とした志太軍としての実績からか、あまり気に留める様子も無かったようである。
一方、継晴率いる幕府軍は大軍を前にして戦々恐々としていた。
継晴
「うむぅ…祐藤め、ついに来おったな…」
継晴は祐藤らの軍勢を睨みつけながらそう言った。
義久
「継晴様、どうやら兵数は我らより多いように思われますぞ…」
志太軍との兵力差を見せつけられた義久は、不安げな表情をしていた。
継晴
「義久よ、そう案ずるでない。かような兵力差などすぐにひっくり返してやろうぞ。それに、いざとなった時は我が御所に退却いたせば持ち堪えられるであろう。」
継晴は自信満々な態度でそう答えていた。
万が一の場合は御所への籠城を推奨している事からも、御所の堅固さを継晴自身も周知しているのであろう。
教晴
「ですが父上、それで勝算はございましょうか?」
仮に籠城したとしても結果は良くて引き分け。
幕府軍が勝利を収める事は難しいのでは無いか。
教晴は、そういった疑問を継晴にぶつけていた。
継晴
「我が幕府には景綱という若く勇ましき男がおる。のぅ景綱よ、お前には随分と期待しておる故、頼んでおいたぞよ。」
今回、幕府軍として参戦する鳥居景綱の存在である。
志太家に対して長年の復讐心を燃やす景綱であれば、例え籠城戦にもつれ込んだとしても祐藤の首を狙い続けるであろう。
継晴は、この景綱の性格を上手く利用しようとしていた。
景綱
「ははっ、この戦いで祐藤らを地獄へと送り込んでやりましょうぞ!」
景綱は声を張り上げてそう叫んでいた。
継晴
「余を喜ばせてくれよ。ほっほっほっ。」
継晴は景綱の肩を軽く叩いていた。
そして続けて継晴は家臣たちに言った。
継晴
「なお、こたびの作戦はそれだけではござらん。他にも志太軍を撃破する策は既に考えておる。」
継晴は不気味な笑みを浮かべながらそう言った。
どうやら他にも志太軍に対して何らかの対策を講じている様子である。
継晴
「さぁ祐藤殿よ、我が将軍家に背いたことを後悔させてやろうぞ!」
間もなく天下分け目の決戦の火蓋が切って落とされようとしていた…
三浦宮御所付近に到着した志太軍は、その場に布陣。
そして時を間もなくして幕府軍の兵たちも御所から出撃。
たちまち両軍は共に睨み合い状態となった。
・三浦宮御所の戦い
志太・口羽連合軍 対 三浦幕府軍
志太軍(総兵数 14,000人)
志太家総大将「志太 祐藤」
志太家武将「志太 祐宗」
志太家武将「志太 祐永」
計 6,000人
口羽軍
口羽家総大将「口羽 崇数」
口羽家武将「口羽 崇冬」
口羽家武将「羽村 貞道」
口羽家武将「大村 義道」
計 8,000人
三浦幕府軍(総兵数 10,000人)
三浦幕府総大将「三浦 継晴」
三浦幕府武将「三浦 教晴」
三浦幕府武将「黒松 義久」
三浦幕府武将「鳥居 景綱」
計 10,000人
祐藤
「こたびの戦いで三浦幕府の最期を我らが見届けることとなろう。」
祐藤は幕府の軍勢を遠目で眺めながらそう呟いていた。
すると祐宗が口を挟むように祐藤に対して言った。
祐宗
「兵数では我が軍が有利ではございます。ですが、戦というものは何が起こるか分かりませぬ故、油断は禁物かと…」
たとえ兵数では勝っていたとしても、戦では思わぬ逆転劇が繰り広げられる可能性があるなど一寸先は闇と言っても良い。
目先の有利な状況に対して一喜一憂する事はすべきではない。
祐宗はそう言いたげな様子であった。
すると祐藤は心配そうな様子の祐宗に対して答えた。
祐藤
「なぁに、我が軍には政豊殿がおるではないか。既に政豊殿の元へも伝令を送り込んでおる。じきに援軍をよこしてくれるであろう。」
先日の訪問で政豊が志太軍に加勢するという確約を得ている。
さらに政豊は幕府に対して嫌悪感を抱いている故に、今回の戦いには喜んで参戦するであろう。
また、幕府の最期と聞けば惜しまずに全力を出し尽くし、継晴をも討ち取らんばかりの勢いを見せる事は必定だ。
崇数
「政豊殿が参戦されれば、我ら兵の士気もさらに向上いたしましょうぞ。」
崇数は政豊の戦いぶりを高く評価しており、共に戦う事で自身の兵たちの士気の上昇も見込めるであろうと考えていた。
政豊は、他者にまで良い影響を与えるほどにまで惚れ惚れとする存在であった事が崇数の言葉からも伺える。
崇冬
「拙者、政豊殿と顔を合わせるのは国米での戦以来にございますな。」
崇冬は、政豊と今回の戦いで再会できる事を心待ちにしている様子であった。
そんな中、貞道が三浦宮御所を眺めながら言う。
貞道
「しかし、三浦宮御所は拙者が思うに見かけ以上に堅固のようにございますぞ…」
三浦宮御所は、材質や建築方法などどれを取っても非常に良く考えた造りであり、一般的な城よりも遥かに防御力は強かったとされている。
攻城戦や城改修など城に関する事に長けていた貞道の分析は正しかったと言えよう。
祐藤
「我が軍は今まで難攻不落の城を幾つも攻め落とした。今回とてそれも例外では無かろう。」
祐藤は、幾度と無く堅城を落とした志太軍としての実績からか、あまり気に留める様子も無かったようである。
一方、継晴率いる幕府軍は大軍を前にして戦々恐々としていた。
継晴
「うむぅ…祐藤め、ついに来おったな…」
継晴は祐藤らの軍勢を睨みつけながらそう言った。
義久
「継晴様、どうやら兵数は我らより多いように思われますぞ…」
志太軍との兵力差を見せつけられた義久は、不安げな表情をしていた。
継晴
「義久よ、そう案ずるでない。かような兵力差などすぐにひっくり返してやろうぞ。それに、いざとなった時は我が御所に退却いたせば持ち堪えられるであろう。」
継晴は自信満々な態度でそう答えていた。
万が一の場合は御所への籠城を推奨している事からも、御所の堅固さを継晴自身も周知しているのであろう。
教晴
「ですが父上、それで勝算はございましょうか?」
仮に籠城したとしても結果は良くて引き分け。
幕府軍が勝利を収める事は難しいのでは無いか。
教晴は、そういった疑問を継晴にぶつけていた。
継晴
「我が幕府には景綱という若く勇ましき男がおる。のぅ景綱よ、お前には随分と期待しておる故、頼んでおいたぞよ。」
今回、幕府軍として参戦する鳥居景綱の存在である。
志太家に対して長年の復讐心を燃やす景綱であれば、例え籠城戦にもつれ込んだとしても祐藤の首を狙い続けるであろう。
継晴は、この景綱の性格を上手く利用しようとしていた。
景綱
「ははっ、この戦いで祐藤らを地獄へと送り込んでやりましょうぞ!」
景綱は声を張り上げてそう叫んでいた。
継晴
「余を喜ばせてくれよ。ほっほっほっ。」
継晴は景綱の肩を軽く叩いていた。
そして続けて継晴は家臣たちに言った。
継晴
「なお、こたびの作戦はそれだけではござらん。他にも志太軍を撃破する策は既に考えておる。」
継晴は不気味な笑みを浮かべながらそう言った。
どうやら他にも志太軍に対して何らかの対策を講じている様子である。
継晴
「さぁ祐藤殿よ、我が将軍家に背いたことを後悔させてやろうぞ!」
間もなく天下分け目の決戦の火蓋が切って落とされようとしていた…
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
架空創世記
佐村孫千(サムラ マゴセン)
SF
この作品は、作者である佐村孫千が脳内連載で描いた世界の歴史を書き記したものでございます。
主に別作品である「架空戦国伝」の舞台となった「創天国(そうてんのくに)」の成り立ちを書いていくものとします。
壮大な架空歴史をお楽しみくださいませ!
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
隻眼の覇者・伊達政宗転生~殺された歴史教師は伊達政宗に転生し、天下統一を志す~
髙橋朔也
ファンタジー
高校で歴史の教師をしていた俺は、同じ職場の教師によって殺されて死後に女神と出会う。転生の権利を与えられ、伊達政宗に逆行転生。伊達政宗による天下統一を実現させるため、父・輝宗からの信頼度を上げてまずは伊達家の家督を継ぐ!
戦国時代の医療にも目を向けて、身につけた薬学知識で生存率向上も目指し、果ては独眼竜と渾名される。
持ち前の歴史知識を使い、人を救い、信頼度を上げ、時には戦を勝利に導く。
推理と歴史が混ざっています。基本的な内容は史実に忠実です。一話が2000文字程度なので片手間に読めて、読みやすいと思います。これさえ読めば伊達政宗については大体理解出来ると思います。
※毎日投稿。
※歴史上に存在しない人物も登場しています。
小説家になろう、カクヨムでも本作を投稿しております。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます
竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論
東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで…
※超注意書き※
1.政治的な主張をする目的は一切ありません
2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります
3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です
4.そこら中に無茶苦茶が含まれています
5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません
6.カクヨムとマルチ投稿
以上をご理解の上でお読みください
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
日は沈まず
ミリタリー好きの人
歴史・時代
1929年世界恐慌により大日本帝國も含め世界は大恐慌に陥る。これに対し大日本帝國は満州事変で満州を勢力圏に置き、積極的に工場や造船所などを建造し、経済再建と大幅な軍備拡張に成功する。そして1937年大日本帝國は志那事変をきっかけに戦争の道に走っていくことになる。当初、帝國軍は順調に進撃していたが、英米の援蔣ルートによる援助と和平の断念により戦争は泥沼化していくことになった。さらに1941年には英米とも戦争は避けられなくなっていた・・・あくまでも趣味の範囲での制作です。なので文章がおかしい場合もあります。
また参考資料も乏しいので設定がおかしい場合がありますがご了承ください。また、おかしな部分を次々に直していくので最初見た時から内容がかなり変わっている場合がありますので何か前の話と一致していないところがあった場合前の話を見直して見てください。おかしなところがあったら感想でお伝えしてもらえると幸いです。表紙は自作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる