225 / 549
第6章 風雲志太家編
77.将軍就任式
しおりを挟む
葬儀から数日後、継晴の将軍就任式が開かれた。
それに伴い、各国の大名たちが再び三浦宮御所に集まっていた。
先日の祐晴の葬儀に続いてではあったものの、各地の大名たちがこうして集まるなど滅多には無い出来事である故に、相変わらず皆が緊迫した空気であったという。
義政
「これより、三浦継晴様の将軍就任式を始めさせていただきます。」
義政の挨拶により、就任式が開始した。
大名たちは皆が神妙な顔つきで挑んでいた。
やがて、装束を身に纏った継晴が大名たちの前に現れた。
将軍家の象徴とも言っても過言では無いほどにまで豪華な装束姿に大名たちは圧倒されていた。
代々の将軍は、こうして身分の違いを見せ付ける為にもあえて豪華絢爛な装束を身に纏っていたと言われており、大名たちは見事なまでに打ちのめされていったようである。
そして継晴は大勢の大名たちの前に立ち、非常に通った声を出した。
継晴
「余が第十四代将軍、三浦継晴である。皆の者よ、幕府を盛り立てるべくこれからもよろしく頼むぞよ。」
「ははっ。」
その瞬間、大名たちは皆が頭を深々と下げて継晴に対して敬意を表していた 。
継晴
「そこで、幕府を盛り立てる為にも必要なお触れをこれより余が出す。皆の者よ、心して聞かれよ。」
継晴が出したお触れとは次のような内容であった。
①大名同士の争いを十年間禁止する
十年の間に、大名が他国への侵略を行う事を禁じる。
違反した大名家は将軍家の不忠者とみなされ、御家の取り潰しが行われる。
もし、これに対して抵抗した場合は幕府が「討伐」という名目のもとで各地の大名家に兵を挙げさせて対象の大名家を滅ぼさせるべく主命が与えられる。
無論、将軍守護職に就いている志太家も例外ではなく、違反した大名家に対しては容赦無く処断を下すものとする。
これは、国力規模に関係なく問題を起こした大名家は徹底的に潰される可能性も充分に有り得るという事を意味している。
②各国で得た収益の一部を幕府へ上納する事を義務付ける
これまで将軍家への上納は、将軍守護職に就いている大名家や、将軍家の縁戚となる大名家など将軍と密接な関係にあった大名家のみが行っていた。
今後は、各国の大名家からも収益の一部を上納させる言わば税金の制度を設けるといった内容。
これは、全国の収益を安定的に幕府が得るという事で国力の維持を図ろうとする狙いがあったようである。
継晴
「以上のことを本日より守っていただく。よろしいな?」
継晴は堂々たる態度で大名たちに言った。
「ははっ、継晴様の仰せのままに。」
大名たちは皆が声を揃えてそう言った。
継晴に対して異を唱える大名は誰一人として居なかった。
それもそのはず、将軍という幕府の最高権力者に異を唱える事などは誰も出来はしなかったのである。
その後、就任式の儀式はつつがない進行で伝統に従って無事に終了した。
就任式を終え、自国へ帰還しようとする大名家たちは皆が気が気ではない表情をしていた。
祐藤もまた、その中のうちの一人であった。
祐藤
「お上の仰せのままに、か…」
祐藤はそう呟きながら御所を後にした。
それに伴い、各国の大名たちが再び三浦宮御所に集まっていた。
先日の祐晴の葬儀に続いてではあったものの、各地の大名たちがこうして集まるなど滅多には無い出来事である故に、相変わらず皆が緊迫した空気であったという。
義政
「これより、三浦継晴様の将軍就任式を始めさせていただきます。」
義政の挨拶により、就任式が開始した。
大名たちは皆が神妙な顔つきで挑んでいた。
やがて、装束を身に纏った継晴が大名たちの前に現れた。
将軍家の象徴とも言っても過言では無いほどにまで豪華な装束姿に大名たちは圧倒されていた。
代々の将軍は、こうして身分の違いを見せ付ける為にもあえて豪華絢爛な装束を身に纏っていたと言われており、大名たちは見事なまでに打ちのめされていったようである。
そして継晴は大勢の大名たちの前に立ち、非常に通った声を出した。
継晴
「余が第十四代将軍、三浦継晴である。皆の者よ、幕府を盛り立てるべくこれからもよろしく頼むぞよ。」
「ははっ。」
その瞬間、大名たちは皆が頭を深々と下げて継晴に対して敬意を表していた 。
継晴
「そこで、幕府を盛り立てる為にも必要なお触れをこれより余が出す。皆の者よ、心して聞かれよ。」
継晴が出したお触れとは次のような内容であった。
①大名同士の争いを十年間禁止する
十年の間に、大名が他国への侵略を行う事を禁じる。
違反した大名家は将軍家の不忠者とみなされ、御家の取り潰しが行われる。
もし、これに対して抵抗した場合は幕府が「討伐」という名目のもとで各地の大名家に兵を挙げさせて対象の大名家を滅ぼさせるべく主命が与えられる。
無論、将軍守護職に就いている志太家も例外ではなく、違反した大名家に対しては容赦無く処断を下すものとする。
これは、国力規模に関係なく問題を起こした大名家は徹底的に潰される可能性も充分に有り得るという事を意味している。
②各国で得た収益の一部を幕府へ上納する事を義務付ける
これまで将軍家への上納は、将軍守護職に就いている大名家や、将軍家の縁戚となる大名家など将軍と密接な関係にあった大名家のみが行っていた。
今後は、各国の大名家からも収益の一部を上納させる言わば税金の制度を設けるといった内容。
これは、全国の収益を安定的に幕府が得るという事で国力の維持を図ろうとする狙いがあったようである。
継晴
「以上のことを本日より守っていただく。よろしいな?」
継晴は堂々たる態度で大名たちに言った。
「ははっ、継晴様の仰せのままに。」
大名たちは皆が声を揃えてそう言った。
継晴に対して異を唱える大名は誰一人として居なかった。
それもそのはず、将軍という幕府の最高権力者に異を唱える事などは誰も出来はしなかったのである。
その後、就任式の儀式はつつがない進行で伝統に従って無事に終了した。
就任式を終え、自国へ帰還しようとする大名家たちは皆が気が気ではない表情をしていた。
祐藤もまた、その中のうちの一人であった。
祐藤
「お上の仰せのままに、か…」
祐藤はそう呟きながら御所を後にした。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
架空創世記
佐村孫千(サムラ マゴセン)
SF
この作品は、作者である佐村孫千が脳内連載で描いた世界の歴史を書き記したものでございます。
主に別作品である「架空戦国伝」の舞台となった「創天国(そうてんのくに)」の成り立ちを書いていくものとします。
壮大な架空歴史をお楽しみくださいませ!
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
もふけもわふーらいふ!
夜狐紺
ファンタジー
――これは、もふもふ世界の九尾のお屋敷で繰り広げられる、一人の少年とケモノ達のほのぼの和風ライフの物語である。
九尾の狐、『御珠様』の妖術によって高校生の浅野景が迷い込んでしまったのは、獣人だけが暮らす和風世界! 有無を言わさぬ御珠様のもふもふで妖しい誘惑に翻弄された景は、いつの間にか彼女のお屋敷で住み込みで働くことが決まってしまう。
灰白猫の『ちよ』や、白狐の双子、そこには他にも様々なケモノたちが暮らしていて……。
恋に神事にお手伝い、賑やかなお屋敷の日常が今、始まる!
※小説家になろうにも公開しています。
※2017/12/31 HOTランキング8位
※2018/1/2 HOTランキング6位になりました! ありがとうございます!!!
異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
隻眼の覇者・伊達政宗転生~殺された歴史教師は伊達政宗に転生し、天下統一を志す~
髙橋朔也
ファンタジー
高校で歴史の教師をしていた俺は、同じ職場の教師によって殺されて死後に女神と出会う。転生の権利を与えられ、伊達政宗に逆行転生。伊達政宗による天下統一を実現させるため、父・輝宗からの信頼度を上げてまずは伊達家の家督を継ぐ!
戦国時代の医療にも目を向けて、身につけた薬学知識で生存率向上も目指し、果ては独眼竜と渾名される。
持ち前の歴史知識を使い、人を救い、信頼度を上げ、時には戦を勝利に導く。
推理と歴史が混ざっています。基本的な内容は史実に忠実です。一話が2000文字程度なので片手間に読めて、読みやすいと思います。これさえ読めば伊達政宗については大体理解出来ると思います。
※毎日投稿。
※歴史上に存在しない人物も登場しています。
小説家になろう、カクヨムでも本作を投稿しております。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる