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第5章 祐藤の野望編
71.村上城攻め(11)
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吾助の案内により、志太軍は幸龍丸が捕らえられているとされる井戸に到着。
そこで崇冬が幸龍丸の救出に名乗りを上げ、崇冬らの軍勢は井戸の中へと次々と入っていった。
吾助
「牢屋まで案内します故、拙者もお供致します。」
そう言うと吾助も崇冬の軍勢に続いた。
井戸の中は無数の苔が至るところに生えており、もはや井戸としての機能を果たさないほど朽ち果てていた。
崇冬
「しかしこれは酷い有様じゃな。かような場所にまだ幼き童を幽閉するとは…。長継は断じて許すことはできぬ。」
崇冬は怒りをあらわにしていた。
過去に人質として志太家に預けられていた崇冬ではあったが、幸龍丸のような劣悪な環境での幽閉では無かった。
崇冬は志太家の屋敷の一室に幽閉されており、ほぼ蟄居に近い状態であったと言われている。
しかし、元服間近まで人質生活故に一切の外出を禁じられていた事もあり、その生活も決して楽なものでは無かったが、それ以上に不遇にみまわれている幸龍丸を思うと崇冬は大いに同情している様子であった。
吾助
「崇冬殿よ、感情をあらわにしたいのは拙者も同じこと。しかし今は幸龍丸様を救出することに注力してくだされ。」
感情が不安定になりつつあった崇冬を諭すように吾助がそう言った。
崇冬
「そうであったな。拙者としたことがかたじけない。」
崇冬は反省した様子であった。
吾助
「では、急ぎましょう。幸龍丸様のご無事をお祈りして…。」
崇冬の軍勢は、吾助の案内のもと井戸のさらに奥深くへの移動を再開した。
途中、辺り一面に生えた苔によって足元をすくわれて転倒する兵たちの姿も見受けられたようであるが、幸い大きな怪我も無く奥へと進んでいった。
やがて奥の方から無数のおどろおどろしい鳴き声が聞こえてきた。
どうやら野犬の群れが近くまで迫ってきているようであった。
吾助
「あぁ、ついに来よったか…。崇冬殿、覚悟は出来ておりますかな。」
吾助は恐ろしさの余りに震え出していた。
崇冬
「どうやら野犬様のお出ましのようですな。吾助殿、拙者に良き考えがある故、何も恐れる必要はござらん。」
崇冬はうろたえることなく自信に満ちた表情で吾助にそう言った。
そこで崇冬が幸龍丸の救出に名乗りを上げ、崇冬らの軍勢は井戸の中へと次々と入っていった。
吾助
「牢屋まで案内します故、拙者もお供致します。」
そう言うと吾助も崇冬の軍勢に続いた。
井戸の中は無数の苔が至るところに生えており、もはや井戸としての機能を果たさないほど朽ち果てていた。
崇冬
「しかしこれは酷い有様じゃな。かような場所にまだ幼き童を幽閉するとは…。長継は断じて許すことはできぬ。」
崇冬は怒りをあらわにしていた。
過去に人質として志太家に預けられていた崇冬ではあったが、幸龍丸のような劣悪な環境での幽閉では無かった。
崇冬は志太家の屋敷の一室に幽閉されており、ほぼ蟄居に近い状態であったと言われている。
しかし、元服間近まで人質生活故に一切の外出を禁じられていた事もあり、その生活も決して楽なものでは無かったが、それ以上に不遇にみまわれている幸龍丸を思うと崇冬は大いに同情している様子であった。
吾助
「崇冬殿よ、感情をあらわにしたいのは拙者も同じこと。しかし今は幸龍丸様を救出することに注力してくだされ。」
感情が不安定になりつつあった崇冬を諭すように吾助がそう言った。
崇冬
「そうであったな。拙者としたことがかたじけない。」
崇冬は反省した様子であった。
吾助
「では、急ぎましょう。幸龍丸様のご無事をお祈りして…。」
崇冬の軍勢は、吾助の案内のもと井戸のさらに奥深くへの移動を再開した。
途中、辺り一面に生えた苔によって足元をすくわれて転倒する兵たちの姿も見受けられたようであるが、幸い大きな怪我も無く奥へと進んでいった。
やがて奥の方から無数のおどろおどろしい鳴き声が聞こえてきた。
どうやら野犬の群れが近くまで迫ってきているようであった。
吾助
「あぁ、ついに来よったか…。崇冬殿、覚悟は出来ておりますかな。」
吾助は恐ろしさの余りに震え出していた。
崇冬
「どうやら野犬様のお出ましのようですな。吾助殿、拙者に良き考えがある故、何も恐れる必要はござらん。」
崇冬はうろたえることなく自信に満ちた表情で吾助にそう言った。
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