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第5章 祐藤の野望編

31.細野の戦い(4)

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援軍の坂上元兵衛率いる軍が細野城に到着。
村上軍は増員し、合計10,000人になった。

元兵衛
「それにしても元阿弥殿の援軍が遅れておるようじゃな。もしや志太軍の伏兵に遭っているのでは無かろうな。」

元兵衛は、元阿弥の援軍の遅延について案じていた。
志太軍は奇襲戦法を得意としている噂を元兵衛は耳にしていらからである。
この奇襲戦法を駆使して志太軍が小国の弱小大名家から周辺諸国を脅かす大名に成り上がったと言われている。

時をしばらして、細野城周辺に進軍を行う大軍が見えてきた。

忠益
「どうやら元阿弥殿が到着したようじゃな。」

大軍が掲げる旗に描かれている紋を確認して忠益は言った。
平塚元阿弥が使用している紋である。

元阿弥の軍は細野城の付近でいきなり鉄砲を構え、城へ向けて一斉に発砲し始めたのである。

忠益
「何の騒ぎじゃ。もう志太軍が攻めてきたというのか。」

忠益は驚いた様子であった。
やがて現状を察知した家臣が忠益の元へ報告に来た。

忠益の家臣
「申し上げます。平塚元阿弥の軍勢が細野城を攻撃している模様です。」

忠益
「何じゃと、元阿弥殿め何を血迷ったというのだ。」

この急な出来事に忠益と元兵衛の軍は混乱し始めていた。
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