タイムトラベルノート

廣瀬純一

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四人でキャンプへ

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夏休みも終わりに近づいた頃、隆司から提案があった。
「せっかくだし、最後にみんなでキャンプ行こうぜ！海水浴も楽しかったけど、もっとアウトドアっぽいことしたくないか？」

優人も即賛成。夏美も「いいね！山とか自然に囲まれるの、めっちゃ楽しそう！」と盛り上がった。優菜も「じゃあ、私も行きたい！」と答えた。こうして、夏休み最後の思い出作りとして、キャンプに行くことが決まった。

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### 「キャンプ場へ向かう道中」

出発の日、バスで山間のキャンプ場へ向かった四人。車内は隆司の楽しい会話で、夏美のテンションが高い。
「ほら、優人、もっと楽しい話してよ！なんか静かじゃない？」
「いや、お前がしゃべりすぎなんだよ。」と苦笑する優人。

一方、優菜はそんな二人のやり取りを笑いながら見守っていた。優人――自分自身である過去の姿――とこうして一緒に過ごすのは、奇妙だけれど楽しい時間だった。

キャンプ場に着くと、周りは緑豊かな木々に囲まれており、小川のせせらぎが聞こえていた。
「わー、自然って感じ！」と夏美が大きく深呼吸する。

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### 「テント設営と料理作り」

キャンプ場に到着すると、まずはテントの設営に取りかかった。
「俺たち男チームでテント張るから、女子チームはご飯の準備よろしく！」と隆司が提案。

「えー、料理とか苦手なんだけど。」と夏美がぼやくと、優菜が笑いながら言った。
「大丈夫、私がやるから一緒にやろう。」

二人は持参した野菜を切ったり、カレーを作ったりと慌ただしく準備。夏美は包丁を扱うのが不器用で、優菜に助けを求める場面も多かったが、なんとか完成させた。
「優菜って料理得意なんだね！助かったー。」と夏美が嬉しそうに言う。

一方、男チームはテントを組み立てるのに苦戦していた。
「おい優人、そこが逆だって！」と隆司が声を上げる。
「言われなくてもわかってるよ！」

なんだかんだで全員の協力で準備は整い、無事に夕食がスタートした。夕暮れの中、四人で食べるカレーは格別だった。

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### 「夜の語らい」

食事を終え、火を囲んで夜のひとときを過ごす。隆司が冗談を飛ばし、夏美が笑い転げる中、優菜はふと星空を見上げた。都会では見られない満天の星が広がっている。

「綺麗だな……。」とつぶやくと、隣にいた夏美も空を見上げて頷いた。
「ほんとだね。こういう景色、久しぶりかも。」

その時、夏美が少し真剣な表情で言った。
「優菜、夏休みが終わるのちょっと寂しいね。もっとこういう楽しいこと、いっぱいしたかったな。」

優菜は夏美の横顔を見ながら、心の中で思った。この時間がずっと続けばいいのに、と。

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### 「夜の冒険」

夜遅く、隆司が突然言い出した。
「肝試ししようぜ！近くに林があったからさ、ちょっと探検しに行こう！」

「えー、怖いよー！」と夏美が言うと、隆司はからかうように笑った。
「夏美、そんなに怖がりだったっけ？」
「怖がりじゃないけど、暗いのは嫌なの！」

結局、ペアを組んで探検することに。隆司と優人、夏美と優菜がペアになった。

夏美は懐中電灯を持ちながら、優菜の腕にしがみついて歩く。
「こういうのほんと無理……。」と震えながらも、どこか楽しそうだ。

途中で木々の影が動いたように見え、夏美が叫んだ。
「きゃあ！何か動いた！」
「ただの風だよ、大丈夫。」と優菜がなだめる。

夏美は安心したように優菜の顔を見て、ぽつりと呟いた。
「優菜って、いつも落ち着いてるよね。頼りになるなあ……。」

優菜は少し恥ずかしくなりながらも、笑顔で答えた。
「そんなことないよ。でも、ありがとう。」

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### 「帰り道」

探検から戻り、全員テントに入って休むことに。優菜と夏美は女子用のテントで寝袋に入り、今日一日の出来事を振り返った。

「楽しかったね、今日。」と夏美が小声で言う。
「うん、すごく楽しかった。」と優菜も答える。

「またこういうことしたいな。優菜と一緒にいると、なんか安心するんだよね。」

その言葉を聞いて、優菜の胸はじんわりと温かくなった。このキャンプでの思い出は、きっとずっと心に残るだろう。

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### 「夏休みの終わりに」

翌朝、全員で朝食を食べ、片付けを済ませて帰路についた。帰りの車内では、隆司の話でまた笑いが絶えず、夏美も優人もリラックスした表情をしていた。

優菜は車窓から流れる景色を見ながら思った。この夏休みの思い出は、過去をやり直したいと思った自分への最高のプレゼントだったと。

そしてもう一つ、自分が夏美の隣で笑い続けられるよう、これからも努力しようと静かに決意するのだった。

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