翔太の初体験

男子トイレ

 **タイトル：男子トイレの挑戦**

翔太はまた、優香の生理期間を引き受けていた。彼の家系に伝わる「契約の力」で、優香の下半身と一時的に交換することで、彼女の痛みや不快感を引き受けることができる。これはもう何度も経験していることだったが、今回、翔太はある新たな挑戦に直面していた。

学校の休み時間、翔太は急にトイレに行きたくなった。男子トイレのドアを開け、普通に用を足そうと思っていたのだが、すぐにあることに気づいた。

「あ、そうだった……今、俺は下半身が優香の……」

彼は少し焦った表情で小便器の前に立った。これまで何度も男子トイレに入って、何も考えずに済ませてきたことだったが、今回の状況は違った。翔太の下半身は今、優香のもの――つまり、女性の身体の一部だった。

「どうやって……？」と心の中で呟きながら、翔太は一瞬立ち尽くした。

目の前に並ぶ小便器の列。しかし、今の彼には立って用を足すための「装置」がない。それに、男子トイレでしゃがむのは……非常に気まずい。

「いや、ここでどうにかするしかない……」

翔太は勇気を振り絞って、できる限り自然に振る舞おうとした。しかし、彼がどんなに自然に振る舞おうと、構造的に無理なものは無理だった。翔太は一度深呼吸をし、周囲の視線が気になりながらも、試してみることにした。

だが、結果は惨憺たるものだった。彼の体勢は中途半端で、尿は見当違いの方向へ――床に広がってしまった。

「やばい、やばい！」翔太は慌ててティッシュを引き抜こうとしたが、焦れば焦るほど上手くいかず、さらに混乱が増していく。男子トイレには、数人の生徒がいたが、幸い誰も翔太の失敗には気づいていないようだった。

「ここでバレたら、終わる……」

心の中で必死に叫びながら、翔太はとにかく現場を処理しようとした。しかし、男性の身体で経験してきた小便のやり方が全く通用しないことに、彼は再び気づかされる。

「そうだ、女子は普通座って……」

ここでようやく、翔太は思い出した。女子がトイレをどう使うかは知っているはずだったのに、あまりに普段の習慣に引っ張られ、小便器で立って用を足そうとしてしまったのだ。

顔が赤くなりながら、翔太はその場を後にすることにした。「もう、無理だ……」心の中でつぶやきながら、トイレの個室へと急いだ。

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その日の昼休み、優香にこの失敗談を打ち明けるべきかどうか、翔太は悩んでいた。彼女はきっと笑ってくれるだろうが、自分の失敗を話すのは少し恥ずかしい。だが、次に同じことが起こる可能性がある以上、これは教訓として残しておくべきだろう。

「……優香、次からは、俺、最初から個室に入るわ。」

翔太の言葉に、優香は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに理解し、笑いを堪えきれなかった。

「え？ もしかして、男子トイレで……やっちゃった？」

翔太は恥ずかしそうに頷いた。「いや、ちょっと……まあ、そういうことだ。」

優香はお腹を抱えて笑い出した。「もう、それ絶対やると思ってた！ ちゃんと座ってすれば良かったのに。」

「うん、わかってるけど、つい……」翔太は照れくさそうに苦笑した。

二人で笑い合いながら、翔太は心の中で次回の戦略を立てることにした。「次こそは……最初から冷静に行こう。」