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夏休みの海水浴
しおりを挟む待ちに待った夏休みが始まったある日、美紀から翔子に嬉しい誘いが届いた。
「翔子ちゃん、今度の日曜日、家族で海に行くんだけど、一緒に来ない?」
美紀のお母さんにも「ぜひ来てね!」と誘われた翔子は、ドキドキしながらも喜んでOKした。海水浴なんて久しぶりだ。翔子は新しく買った花柄のワンピースタイプの水着をそっと眺めながら、期待と少しの不安を抱えて当日を迎えた。
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### **出発とドライブ**
当日は晴天。翔子は朝早くに美紀の家に集合し、美紀の家族と一緒に車で海に向かった。車の中では、美紀が持ってきたスナックを食べたり、好きな音楽を流したりしながら盛り上がった。
「翔子ちゃん、海でなにしたい?」
美紀がワクワクしながら尋ねると、翔子は少し考えて答えた。
「うーん、泳ぐのもいいけど、砂浜で遊ぶのも楽しそう!」
「じゃあ砂のお城作ろうよ! 大きいやつ!」
美紀の提案に、二人はもう海に着く前から興奮していた。
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### **初めてのビーチ**
目的地に着くと、目の前には青い海と広い砂浜が広がっていた。夏の太陽の下でキラキラと輝く水面がとても綺麗で、翔子は思わず感嘆の声を上げた。
「わあ、すごい! 綺麗だね!」
美紀のお父さんが持ってきたパラソルを立てて、二人は早速水着に着替えた。翔子の花柄の水着に、美紀は目を輝かせて言った。
「翔子ちゃん、それすっごく似合ってる! 可愛い!」
翔子は照れくさそうに微笑んだ。「ありがとう、美紀ちゃんも可愛いよ。」
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### **海での楽しいひととき**
海に入ると、二人は最初に波と遊ぶことにした。大きな波が来るたびに「きゃー!」と声を上げながら飛び跳ねたり、水を掛け合ったりして笑い合った。
その後は砂浜に戻り、美紀の提案通りに砂のお城を作り始めた。二人でバケツやスコップを使いながら、大きな城を作っていく。翔子は子供の頃からこういう遊びが好きだったことを思い出し、心がとても落ち着いた。
「これ、なかなか良くない?」
「うん! でももうちょっと塔を高くしたい!」
二人の会話に美紀のお母さんも加わり、素敵な砂の城が完成した。
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### **夕方の時間と花火**
夕方になると、海の色はオレンジ色に染まり、涼しい風が吹き始めた。美紀のお父さんが用意してくれたバーベキューを楽しみながら、二人は今日一日の出来事を振り返った。
「ねえ、翔子ちゃん、今日楽しかった?」
「うん、すごく楽しかったよ。美紀ちゃんのおかげで最高の夏休みになった!」
夜になると、小さな花火セットが登場した。線香花火を手に取りながら、美紀は翔子に言った。
「また一緒に遊ぼうね!」
翔子も笑顔で頷いた。「もちろんだよ!」
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### **帰り道の安心感**
帰りの車の中、美紀は翔子の肩に頭を預けて寝てしまった。翔子はそんな美紀の寝顔を見て、心がじんわりと温かくなるのを感じた。
「美紀ちゃん、ありがとう。」
心の中でそう呟きながら、翔子は今日の素晴らしい思い出を胸に刻んだのだった。
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