宇宙人へのレポート

廣瀬純一

文字の大きさ
上 下
3 / 14

宇宙人からの質問

しおりを挟む
翌朝、紗栄子はスマートフォンの通知音で目を覚ました。まだ少しぼんやりしている頭を振り、画面を確認すると、昨晩送信したレポートに返信が届いていることに気づいた。そこには、信じがたい内容が書かれていた。

**ゼリウス星人観測本部より:**

> **質問**:朝、健康な男性としての状態に異常はありませんか?体調面、特に「男性的な生理現象」について、異常がないか確認していただけると幸いです。

紗栄子は一瞬、自分が何を読んでいるのか理解できなかった。男性的な…生理現象?彼女は顔が一気に赤くなるのを感じた。「なんでこんなことまで聞かれるのよ…!」

どうやら、宇宙人は人体の機能に並々ならぬ興味があるらしい。それにしても、こんな個人的な質問を当たり前のようにされるなんて想像もしなかった。冷静になろうとしたが、どう答えればいいのか途方に暮れてしまう。

---

その後、紗栄子はどうにか落ち着きを取り戻し、直人にメッセージを送ることにした。

**紗栄子から直人へのメッセージ:**

> **紗栄子**:あのさ、宇宙人から変な質問が来たんだけど…

> **直人**:変な質問?何聞かれたの?

> **紗栄子**:その…「男性としての健康状態はどうですか?」とか、「生理現象に異常は?」とか…朝の、えっと、そういうことについて聞かれてるの。

> **直人**:え!?マジで?そ、それは…どう答えたらいいんだろうな…

直人もメッセージを読み、しばらくの間言葉が出なかった。まさか宇宙人がそんな細かいところまで観察しているとは思ってもみなかったらしい。

---

その後、紗栄子は結局、曖昧な返事を送ることに決めた。

**紗栄子からゼリウス星人観測本部への返信:**

> **紗栄子**:特に異常はありませんが、状況によっては少し…うまく説明できませんが、変化はあります。ただ、これは人間にとって自然な現象です。

しばらくして、宇宙人からさらに返信が届いた。

**ゼリウス星人観測本部より:**

> **回答確認**:了解しました!興味深いですね。我々としても非常に重要なデータですので、引き続き健康状態や体の変化について記録をお願い致します。

紗栄子は、その返信を見てさらにため息をついた。「一年間、こんな質問に答え続けるのか…」と、宇宙人の観察対象になってしまったことを改めて実感した。

そして彼女は、朝から始まるこの不思議で恥ずかしい観察生活に、ほんの少し覚悟を決める必要があると感じるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イヤホン型意識転送装置

廣瀬純一
SF
自分の意識を他人に転送できる世界の話

謎の隕石

廣瀬純一
SF
隕石が発した光で男女の体が入れ替わる話

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

未来への転送

廣瀬純一
SF
未来に転送された男女の体が入れ替わる話

バーチャル女子高生

廣瀬純一
大衆娯楽
バーチャルの世界で女子高生になるサラリーマンの話

体内内蔵スマホ

廣瀬純一
SF
体に内蔵されたスマホのチップのバグで男女の体が入れ替わる話

意識転送装置2

廣瀬純一
SF
ワイヤレスイヤホン型の意識を遠隔地に転送できる装置の話

処理中です...