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若返りデート
しおりを挟む「うん、これで…良しっと。」
祖父、渡辺耕一はいつも通り朝の散歩を終え、庭の手入れをしている最中、突然目の前が真っ暗になった。そして次に目を開けたとき、彼は自分が見知らぬ部屋に立っていることに気づいた。見覚えのないスマホ、散らかった化粧品、そして…鏡に映る自分の姿。
「な、なんだこれは?」
鏡に映っているのは、自分ではない。そこにいたのは、孫の真央だ。つい昨日、大学の授業で忙しいと文句を言いながら電話してきたあの孫だ。耕一は混乱した。まさか、入れ替わってしまったのか?
「冗談だろ…」
その時、机の上に置かれたスマホが震えた。「お爺ちゃん、私、真央です!」というメッセージが画面に表示されている。驚いて画面をタップすると、真央からの音声メッセージが再生された。
「お爺ちゃん、驚かせてごめんね。でも、なんか朝起きたら、私たち、入れ替わっちゃったみたいなの!信じられないけど、これが現実だよ!」
耕一は頭を抱えたが、メッセージは続く。
「せっかくこんな機会なんだから、今日はお互い楽しんで過ごしましょうよ!私の大学に行く必要はないから、自由に一日過ごしてみて。デートとかもしてみていいよ!」
「デ、デートだって?」
耕一はさらに困惑したが、真央の提案に少し興味がわいた。若い体で一日過ごすなんて、人生でもう二度とないかもしれない。それに、孫娘としてどんな風に一日を過ごすかも、少し楽しみだった。
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真央のアパートから外に出た耕一は、驚くほど軽やかな足取りに驚いた。若い体はこんなにも活力に満ちているのか!少し走ってみると、心臓は強く脈打ち、息も切れない。そんな感覚を味わいながら、彼はとりあえず真央のスケジュールアプリを開き、その日約束していた友達とのカフェでの待ち合わせに向かうことにした。
カフェに到着すると、真央の友達二人が待っていた。彼女たちは笑顔で手を振り、耕一を歓迎した。耕一は緊張しながらも、なんとか孫のふりをすることに成功した。友達との会話は、思いのほか楽しかった。話題は、大学生活、恋愛、趣味の話題など若い世代特有のものだったが、耕一は新鮮な気持ちでそれらに耳を傾けた。
その後、真央の友達たちは「午後はどうするの?」と尋ねた。
「えっと…デートにでも行ってみようかな…」と、耕一はつい口走ってしまった。
「え!?誰と?」と、友達たちは驚いた表情を見せたが、耕一は笑ってごまかした。
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午後、耕一は真央の恋人であるケンジと待ち合わせをしてみた。彼のことは孫から聞いたことがあるだけで、実際に会ったことはなかった。少し緊張していたが、若い姿で堂々と振る舞うことを決意した。
ケンジと合流すると、彼は「今日はどうしたんだか、ちょっと雰囲気が違うな」と言ったが、耕一は笑顔で「気にしないで、今日は特別な気分なの」と答えた。
二人は街を歩きながら、映画館やショッピングモールを巡った。耕一は久しぶりに若い頃のデートの感覚を思い出し、次第に楽しむようになった。ケンジとの会話も意外とスムーズに進み、まるで自分が本当に孫になったかのような錯覚さえ感じた。
夕方、ケンジは公園のベンチに座りながら、ふと耕一に言った。
「真央、いつも忙しくて大変そうだけど、今日はなんだかリラックスしてるな。たまにはこうやってのんびりするのもいいよね。」
耕一は少し戸惑いながらも、ケンジの優しさに触れて暖かい気持ちになった。
「ありがとう、ケンジ。今日は本当に楽しかったよ。」
二人はしばらくの間、夕焼けを眺めながら静かに過ごした。
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その夜、耕一は真央の部屋に戻り、スマホで彼女にメッセージを送った。
「真央、今日一日ありがとう。若い体って、本当にすごいな。お爺ちゃん、ずいぶん楽しんだよ。でも、やっぱりお前にはかなわないな。」
少しして、返事が返ってきた。
「お爺ちゃん、楽しんでくれてよかった!私はお爺ちゃんの体でゆっくり過ごせたよ。こうやってお互いの人生をちょっと体験して、なんだか新しい発見があったね!」
二人は翌朝、元の体に戻っていた。耕一はこの不思議な経験を胸にしまい、これからも真央との絆を大切にしようと決めた。
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孫と過ごした一日、耕一は若い世代の楽しさや難しさを知り、同時に自分の人生の豊かさを再確認することができた。
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