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次の日の朝
しおりを挟む次の日の朝、大輔はまたも奈々の体で目を覚ました。
「もう慣れてきたって言うのが怖いよな…」
奈々の顔を鏡で見つめながらつぶやく。奈々の体を扱うコツは掴んできたが、いつもスカートを履くときに感じる違和感は消えない。
一方、奈々も大輔の体で目覚めた。男性の重たい体は最初こそ戸惑ったが、今では朝のストレッチがルーティンになりつつあった。
「意外と体力勝負なのね、この体って。」
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### **職場での波乱**
その日、職場では特別なプロジェクトの発表会が控えていた。奈々の体で出勤した大輔は、朝一番で上司の田村に呼ばれた。
「三浦さん、今日の発表、君に任せたい。」
「えっ…」
大輔は心の中で悲鳴を上げたが、奈々の顔は笑顔を保ったままだった。プレゼン資料に目を通しながら、奈々の落ち着いた話し方を思い出そうと必死だった。
一方、奈々は大輔の体で普段通り業務をこなしていたが、発表会の準備をする奈々(の体)を見て、内心ハラハラしていた。
「大輔さん、大丈夫かしら…私の体で失敗したら困るわ。」
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### **発表の舞台**
プレゼン会場にはクライアントがずらりと並び、緊張感が漂っていた。大輔は奈々の体で前に立ち、深呼吸した。
「大丈夫だ。やるしかない。」
奈々の記憶を頼りに、丁寧な口調で説明を始める。最初はぎこちなかったが、奈々の得意な笑顔とジェスチャーを使うことで、徐々にクライアントの反応が良くなっていった。
「さすが三浦さん、やっぱりうまいな!」
田村の一言がプレッシャーをさらに高めるが、大輔は最後までやり遂げた。拍手が会場に響き渡り、大輔は心底ホッとした。
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### **真相の手がかり**
その夜、2人は家で反省会を開いた。大輔は発表が成功したことを報告し、奈々はそれを祝福しつつも「もっと私の体に合った動きが必要ね」とアドバイスを送った。
「ところで、今日ちょっと不思議なことがあったの。」
奈々が話し始めたのは、大輔の体で昼休みに受け取った謎のメモについてだった。そこにはこう書かれていた。
> 「答えはお互いの心の中にある。」
「何これ…入れ替わりに関係があるのかな。」
大輔はメモを手に取り、考え込んだ。
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