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「再びの入れ替わり」
しおりを挟む試合当日、翔太と美咲はそれぞれのチームのユニフォームを着て、緊張しながらグラウンドに立っていた。観客席からの声援が響く中、二人は気合を入れ直し、試合開始の笛を待っていた。
試合が始まると、翔太はピッチャーとしての腕を振るい、美咲は外野手として全力でプレーした。二人は互いに支え合い、試合は順調に進んでいた。しかし、試合が中盤に差し掛かった頃、思わぬハプニングが起きた。
翔太がストライクを狙った瞬間、ボールが滑り、打者に直撃。その衝撃で翔太はよろめき、グラウンドに転倒した。美咲は心配して駆け寄ったが、次の瞬間、何か強い光が彼らを包み込み、再び体が入れ替わる感覚が襲った。
目を開けた美咲は、翔太の体に入っていることに気付いた。「また入れ替わった!?」と驚き、慌てて周囲を見回す。翔太の視点で試合の様子を見ている自分に混乱した。
翔太の体の美咲は、急いでグラウンドに戻り、どうにか試合を続けようとする。しかし、ピッチャーとしての役割を果たさなければならない翔太の心が焦る。「私、どうやって投げればいいの!?」と心の中で叫びながらも、試合が続く。
その瞬間、相手チームのバッターが美咲の体から投げられたボールを見逃す。自分の体を使っているのに、まるで自分が操作されているかのように思えた。翔太の意識が、体を動かす美咲とシンクロし、彼女は思わず投球フォームを整えてストライクを投げた。
観客席からは歓声が上がり、翔太の体の美咲は一瞬戸惑ったが、その瞬間、逆に自信が湧いてきた。彼女は、そのまま続けて投球し、見事なピッチングを披露した。
試合が進む中、翔太の体の美咲は自分の力を信じ、どんどん自分らしいプレーを楽しむようになった。しかし、内心では「元に戻らなきゃ…!」という焦りがあった。
試合の終盤、翔太の体で美咲はホームランを打ち、チームは盛り上がりを見せる。歓声が上がる中、二人は互いの気持ちを感じ合う。「このままじゃいけない、どうにかしなきゃ」と思い、神社のことを思い出した。
試合が終了し、チームは勝利を収めたが、翔太の体の美咲は再び神社に行くことを決意した。試合後、すぐに神社へ向かい、再度お参りをした。
「元に戻してください!」と翔太の体の美咲が祈った瞬間、強い風が吹き、桜の花びらが舞い上がる。二人は再び目を閉じ、しばらくそのまま立っていた。
目を開けると、翔太は自分の体に戻り、美咲も元の姿に戻っていた。二人はお互いに笑い合い、心の中の絆が深まったことを感じた。
「もう二度と入れ替わらないでほしいね」と翔太が言うと、美咲は笑顔で頷いた。「うん、でも少し面白かったかも!」
こうして、二人は特別な思い出を胸に、新たな日常へと戻っていった。
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