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長し夜に、ひらく窓

エピローグ

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 “ゆびでこしらえた、小さな窓の中には、白いきつねのすがたが見えるのでした。それは、みごとな、母ぎつねでした。〔中略〕

「こ、こりゃいったい……。」

 ぼくはあんまりびっくりして、もう声もでませんでした。きつねは、ぽつりといいました。

「これ、ぼくのかあさんです。」
「……。」
「ずうっとまえに、だーんとやられたんです。」
「だーんと? 鉄砲で?」
「そう。鉄砲で。」

〔中略〕

 きつねは、両手をのばして、また、窓をつくってみせました。

「ぼくはもう、さびしくなくなりました。この窓から、いつでも、かあさんのすがたを見ることができるんだから。」”

(文・安房直子『きつねの窓』ポプラ社,1977,16-18頁)
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