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教会の魔の手
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食料を調達して宿に戻り先に休んでいるとロミたちが帰ってきた。
「カノン、しっかりと休めたのかい。」
「ああ。ありがたい。リフレッシュできた。」
オレは先にシイナの話をした。アイツは教会側の人間だ。
「なるほど。悪い報告だね。先程ルノガー将軍から連絡が来て、エドガーたちも消えたらしい。教会に付いたと見ていいだろう。」
「そうか。」
さしずめ、エドガーのたちの立場が悪くなり、教会に雇われたと言うところだろうま。正直、何も感じない。目の前に立ちふさがるのであれば倒すだけだ。
「それで、研究は進んだのか。」
「もちろんだよ。レミから説明してくれ。」
ええ。と言いレミが紙を広げた。
「魔王の復活には五つの魔法具が必要みたい。我々が持っている指輪もその一つね。後は【腕輪】、【首輪】、【足輪】、あと一つは分かっていないわ。不自然に破られていたから多分教会が妨害したと思うの。」
「教会は必要な魔法具が分かっていると思ったほうが良さそうだな。」
「そうね。後は、封印の儀式は城内の謁見の前で行われたみたい。だから復活の儀式も謁見の前で行われる可能性が高いわ。でも復活の儀式や封印に関する書物がないからあくまで仮説だけど。」
「そうか。」
「魔法具同士は共鳴するらしいわ。」
「それは魔法具を見つけられそうだな。」
レミが頷く。ロミが発言した。
「将軍とも相談して、指輪は誰が持つかカノン以外が知らないのが良いんじゃないかと言っていたさ。」
そう言って、ロミは耳を触りながらオレに指輪を投げる。
「カノンが持っていてもいいし、どこかに隠してもいい。誰かに預けても良いさ。」
「それは名案だな。」
オレが自分でもっておこう。巻き込みたくはない。指輪を受け取って、胸ポケットに入れておく。
「後、各地のギルドと帝都にある装置を作っておいてもらったのさ。工房で作ってもらった。各地とすぐに連絡がとれる。」
「ほう。そんなものがあるのか。戦いは情報が全てだ。それはありがたいな。」
「電話というものさ。魔法石で動くから大きな都市にしか置けていないけどね。研究に数年要したらしい。」
「すごい技術だな。今度使ってみようか。」
「そうさ。技術というのは恐ろしいよ。魔法が必要なくなるかもしれないね。」
ロミが少しだけ寂しそうな顔をした。
「冷めないうちにご飯を食べようか。カノン買ってきてくれてありがとう。」
「私は研究所に帰るわ。もう少し研究したいから。また明日ね。」
レミは食事に手を付けずに戻っていった。
「あの子は昔からああなんだよ機嫌が悪いわけではない。研究が全てなんだ。僕と少しだけ似ているね。」
皆で食事を食べる。昨日ロミが紹介してくれた場所で多めに食事を買っていた。ライカは嬉しそうに食べている。
「美味しかったな。それでオレたちは明日からどう動くんだ。」
「まだ場所の特定が出来ていないから研究を先にすべきだと思うのさ。向かうなら南か東だろうね。」
「そうか。」
「確定していないからなんとも言えないけどね。最初の仮説でほぼほぼ間違いないさ。」
「いつでも帝都を出られる準備は出来ている。」オレは頷いた。
「わかった。今将軍が信用たるメンバーを北と東と南に派遣している。その結果も知ってから向かうのがいいかもしれないね。」
オレは頷く。焦りは禁物だ。
「あまり信じたくはないんだけど、研究所にも内通者が居るようだ。注意しておこう」
ロミがそう言うと、窓ガラスが割れて男が5人入ってきた。扉からも数人突入してきたみたいだ。
この宿もバレていたのか。窓際で座っていたライカが人質に取られる。クビに剣を当てて男たちはこちらを見ている。
「待て、条件は金か。」
「そうだ。金と指輪を出せ。少しでも怪しいマネをしてみろ。斬る。」
「いま机に置くから落ち着け。」
オレは手を上げたまま歩き、先に金が入った袋を机に置いた。
「指輪もだ! 急げ! 」
そっと指輪を置いた。
「これで満足か。ライカを離せ。」
「ああ。後は死んでくれれば満足だ! 」
言葉を聞く前にライカを抑えていた男を斬った。
「クソッ。お前たちやれ! 」
叫んだ男は指輪と金を回収して窓から飛び降りるが、残りの男たちが斬りかかる。
全員斬り伏せてライカを腕で抱く。扉から入ってきた男たちはミトが射殺したようだ。
「カノン、マズイことになった。ロミが居ない。」
ミトが叫ぶ。振り返ると、ロミが居ない。目的はロミだったか。
まだ息がある男を尋問する。
「おい、お前は教会の人間だろ。ロミをどこにやった。」
「もう目標は達成したんだ。あっちでもうまくやっているだろう。教会に栄光あれ! 」
男は刃で自分の首を斬り自害した。
「こいつはあっちでもうまくやっていると言っていた。研究所に向かおう。レミが危ない! 」
オレたちは部屋から駆け出そうとする。油断していた。この宿が教会側にバレていないと信じ切っていた。クソッいつものオレならこんなヘマはしない。
「お兄ちゃん、待って。まだ準備が終わっていない。そんなに怖い顔しないで。」
ライカが装備をつけながら言った。
「ああ。悪い。ついロミの事を考えていてな。」
「焦っちゃダメよ。カノン。たぶんロミは無事だから。」ミトがオレの肩に手を添えた。
「なぜ分かる。」
「殺すつもりならこの場で殺していたと思う。でも、私たちに対する妨害もしくはロミの頭脳を教会は借りたいのじゃないかしら。」
そう言われるとそうだ。襲ってきたやつらはオレたちを殺そうとしていたのだ。ロミだけ拐うには何かしらの理由があるだろう。
「そうだな。支給装備を整えてくれ。早速研究所に向かおう。」
二人共準備が終わった様だ。研究所に走る。
研究所の方角で火が上がっているように見えた。
レミ、無事で居てくれ。
「カノン、しっかりと休めたのかい。」
「ああ。ありがたい。リフレッシュできた。」
オレは先にシイナの話をした。アイツは教会側の人間だ。
「なるほど。悪い報告だね。先程ルノガー将軍から連絡が来て、エドガーたちも消えたらしい。教会に付いたと見ていいだろう。」
「そうか。」
さしずめ、エドガーのたちの立場が悪くなり、教会に雇われたと言うところだろうま。正直、何も感じない。目の前に立ちふさがるのであれば倒すだけだ。
「それで、研究は進んだのか。」
「もちろんだよ。レミから説明してくれ。」
ええ。と言いレミが紙を広げた。
「魔王の復活には五つの魔法具が必要みたい。我々が持っている指輪もその一つね。後は【腕輪】、【首輪】、【足輪】、あと一つは分かっていないわ。不自然に破られていたから多分教会が妨害したと思うの。」
「教会は必要な魔法具が分かっていると思ったほうが良さそうだな。」
「そうね。後は、封印の儀式は城内の謁見の前で行われたみたい。だから復活の儀式も謁見の前で行われる可能性が高いわ。でも復活の儀式や封印に関する書物がないからあくまで仮説だけど。」
「そうか。」
「魔法具同士は共鳴するらしいわ。」
「それは魔法具を見つけられそうだな。」
レミが頷く。ロミが発言した。
「将軍とも相談して、指輪は誰が持つかカノン以外が知らないのが良いんじゃないかと言っていたさ。」
そう言って、ロミは耳を触りながらオレに指輪を投げる。
「カノンが持っていてもいいし、どこかに隠してもいい。誰かに預けても良いさ。」
「それは名案だな。」
オレが自分でもっておこう。巻き込みたくはない。指輪を受け取って、胸ポケットに入れておく。
「後、各地のギルドと帝都にある装置を作っておいてもらったのさ。工房で作ってもらった。各地とすぐに連絡がとれる。」
「ほう。そんなものがあるのか。戦いは情報が全てだ。それはありがたいな。」
「電話というものさ。魔法石で動くから大きな都市にしか置けていないけどね。研究に数年要したらしい。」
「すごい技術だな。今度使ってみようか。」
「そうさ。技術というのは恐ろしいよ。魔法が必要なくなるかもしれないね。」
ロミが少しだけ寂しそうな顔をした。
「冷めないうちにご飯を食べようか。カノン買ってきてくれてありがとう。」
「私は研究所に帰るわ。もう少し研究したいから。また明日ね。」
レミは食事に手を付けずに戻っていった。
「あの子は昔からああなんだよ機嫌が悪いわけではない。研究が全てなんだ。僕と少しだけ似ているね。」
皆で食事を食べる。昨日ロミが紹介してくれた場所で多めに食事を買っていた。ライカは嬉しそうに食べている。
「美味しかったな。それでオレたちは明日からどう動くんだ。」
「まだ場所の特定が出来ていないから研究を先にすべきだと思うのさ。向かうなら南か東だろうね。」
「そうか。」
「確定していないからなんとも言えないけどね。最初の仮説でほぼほぼ間違いないさ。」
「いつでも帝都を出られる準備は出来ている。」オレは頷いた。
「わかった。今将軍が信用たるメンバーを北と東と南に派遣している。その結果も知ってから向かうのがいいかもしれないね。」
オレは頷く。焦りは禁物だ。
「あまり信じたくはないんだけど、研究所にも内通者が居るようだ。注意しておこう」
ロミがそう言うと、窓ガラスが割れて男が5人入ってきた。扉からも数人突入してきたみたいだ。
この宿もバレていたのか。窓際で座っていたライカが人質に取られる。クビに剣を当てて男たちはこちらを見ている。
「待て、条件は金か。」
「そうだ。金と指輪を出せ。少しでも怪しいマネをしてみろ。斬る。」
「いま机に置くから落ち着け。」
オレは手を上げたまま歩き、先に金が入った袋を机に置いた。
「指輪もだ! 急げ! 」
そっと指輪を置いた。
「これで満足か。ライカを離せ。」
「ああ。後は死んでくれれば満足だ! 」
言葉を聞く前にライカを抑えていた男を斬った。
「クソッ。お前たちやれ! 」
叫んだ男は指輪と金を回収して窓から飛び降りるが、残りの男たちが斬りかかる。
全員斬り伏せてライカを腕で抱く。扉から入ってきた男たちはミトが射殺したようだ。
「カノン、マズイことになった。ロミが居ない。」
ミトが叫ぶ。振り返ると、ロミが居ない。目的はロミだったか。
まだ息がある男を尋問する。
「おい、お前は教会の人間だろ。ロミをどこにやった。」
「もう目標は達成したんだ。あっちでもうまくやっているだろう。教会に栄光あれ! 」
男は刃で自分の首を斬り自害した。
「こいつはあっちでもうまくやっていると言っていた。研究所に向かおう。レミが危ない! 」
オレたちは部屋から駆け出そうとする。油断していた。この宿が教会側にバレていないと信じ切っていた。クソッいつものオレならこんなヘマはしない。
「お兄ちゃん、待って。まだ準備が終わっていない。そんなに怖い顔しないで。」
ライカが装備をつけながら言った。
「ああ。悪い。ついロミの事を考えていてな。」
「焦っちゃダメよ。カノン。たぶんロミは無事だから。」ミトがオレの肩に手を添えた。
「なぜ分かる。」
「殺すつもりならこの場で殺していたと思う。でも、私たちに対する妨害もしくはロミの頭脳を教会は借りたいのじゃないかしら。」
そう言われるとそうだ。襲ってきたやつらはオレたちを殺そうとしていたのだ。ロミだけ拐うには何かしらの理由があるだろう。
「そうだな。支給装備を整えてくれ。早速研究所に向かおう。」
二人共準備が終わった様だ。研究所に走る。
研究所の方角で火が上がっているように見えた。
レミ、無事で居てくれ。
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