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騎士見習いエドガーの裏切り
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俺様はシイナに食って掛かる。
「どういうことだ、シイナ! 俺様が囮になっただろ。なぜ助けない。」
「そうね。それがなにが問題なの。」
シイナの目は冷酷な目をしている。
「俺様が骸骨剣士を引き付けたんだ、なぜ後から攻撃しない。」
「私は引き付けろと言っただけだわ。加勢するなんて一言も言っていない。」
この女ぶっ殺してやる。
「なによ、その反抗的な目は。将軍に言いつけるわよ。」
父上の事を出されると俺様も弱い。
「まあ良いんだ。無事任務は達成したんだろ。」
「ええ。速くこれ持って。見習いでしょ。無くしたらどうなるか分かってるわよね。さっさと戻るわよ。」
そう言うと、シイナが袋を俺の前に投げた。
「わかったよ。」
俺様は袋を拾い、脚を引きずりながらシイナたちに付いていく。
決めた。カノンを殺した後は、まずはシイナを殺す。その後は、見習いもそうだし俺様をバカにしたやつ全員だ。
帝都に戻ると、将軍に呼ばれた。エマはいないが、騎士全員と見習いが集められている。何事だ。
「皆、忙しい時に集まってもらってすまぬ。連絡がある。カノンの捕縛命令が解除された。今後、カノンを見つけても一切手出ししないように。手を出したら罰則がある。以上だ。仕事に戻ってくれ。」
バカな。なぜだ。俺様は怒りで拳を握りしめる。
他の騎士たちは自分の仕事に戻るが、シイナたちと俺様はその場に戻った。
「将軍、私たちの報酬はどうなるのでしょうか。カノンの件、説明してくれませんか。」
シイナが父上に言った。
「ああ。お前たちには説明しないといけないな。報酬は出るように王様に掛け合うが金額は大幅に減ることは覚悟していてくれ。状況が変わったんだ。」
「その状況とはなんですか。納得できません。」
そうだ金貨数百枚貰える予定だったんだ。そんなの納得できない。
「今はまだ言えん。ワシは忙しい。追ってまた連絡する。」
すぐに部屋を出された。控室に戻る。四人とも言葉が出ない様だ。
俺様が引っ張らないと、コイツラはダメだな。
「おい、聞いてくれ。俺様は決めた。教会だ。教会に俺様はつくぜ。俺様はあんな横暴な決断に納得はできない。」
三人は驚いた顔で俺様を見る。
「どういうことだ、エドガー」
「クロスナー、考えても見ろ。カノンは何かしらの方法で帝国に取り入ったんだろう。カノンを追放した俺たちの立場も危ない。そうなると頼れるのは帝国で一番力があるチャーチル教会だろ。」
「たしかに…それはそうだな。」
クロスナーが頷く。
「別にシイナもフラメルはこのままでいいと思うなら、騎士として頑張ればいいさ。だが、カノンが帝国と繋がった今、身の振り方をよく考えるんだな。」
「分かった。僕も教会につくよ。」
フラメルも同意だ。
「シイナはどうする。良いんだぜ。俺たちのこの目論見を将軍に密告しても。」
俺様はニヤッと笑う。
「………そうね。エドガーの意見というのは納得出来ないけど、教会につくのは賛成だわ。」
「決まりだ。教会のお偉いさんに会いに行こう。」
教会では毎月金貨50枚を貰える待遇で受け入れると言われた。帝国騎士の約二倍の給与だ。
クロスナーもフラメルも目を輝かせている。
「待遇は分かった。大事なのは仕事の内容だ。なにをすれば良いんだ。」
俺様がリーダーだ。代表して交渉する。
「いや、特にない。騎士の力を借りれるだけで教会側にメリットがある。だが、カノンと戦って殺してもらうぞ。」
金ももらえて、カノンを殺せるなんて最高じゃねえか。
「それと、帝国の情報があれば別途買い取っても良いぞ。」
願っても居ない展開だ。俺様は三人の顔を見る。皆笑っている。よし契約成立だな。
俺様は教会のお偉いさんと握手をした。
それからは、帝国の騎士として活動しながら教会に密告する。騎士の動きや派遣先など内容は多岐にわたる。こんなので金貨50枚を毎月もらえるんだ。悪い仕事じゃない。
俺様はまだ騎士見習いだが教会側ではリーダーに任命された。
いいぞ。また俺様に風が吹いてきた。
夜になるとまだ傷が痛む。だいぶ以前の様に動かせるのだが、本調子までもう少しだ。
待っていろよ。カノン。
音がして目を覚ます。
父上が家を出てどこかに行っている。浮気か。父上の弱みを握ってやるよ。
父上を追いかけて後をつける。
地下水路だと。そこに何があるんだ。水路では音が響く。バレないように慎重に後をつける。
下水臭いが地下水路がこんなに広いとは思わなかった。
父上が小部屋に入るのが見えた。ここで何をしているんだ。
見張りが二人いて近づけない。遠くから様子を伺う。
カノンだ。
カノンが部屋に入っていった。
やっぱり帝国はカノンと繋がっていたんだ。カノンと父上は会っていた。
教会に報告が必要だ。待っていろよカノン。お前の思いどおりにはさせない。必ずお前の尻尾をつかんでやるからな。
俺様はその場を音がしないようにそっと離れた。
夜も遅いが、シイナ、クロスナー、フラメルを呼び出して教会に向かう。
カノンと将軍が繋がっていたことを話すと、教皇に合わせると言われた。今はこの部屋で休めと言われた。
翌日、帝国騎士はざわついていたと教会の関係者から聞いた。
そりゃそうだ、俺様、シイナ、クロスナー、フラメルが失踪したからだ。
帝国の思惑を知った今、俺たちは帝国に協力できない。教会と共に帝国を滅ぼしてやる。
「どういうことだ、シイナ! 俺様が囮になっただろ。なぜ助けない。」
「そうね。それがなにが問題なの。」
シイナの目は冷酷な目をしている。
「俺様が骸骨剣士を引き付けたんだ、なぜ後から攻撃しない。」
「私は引き付けろと言っただけだわ。加勢するなんて一言も言っていない。」
この女ぶっ殺してやる。
「なによ、その反抗的な目は。将軍に言いつけるわよ。」
父上の事を出されると俺様も弱い。
「まあ良いんだ。無事任務は達成したんだろ。」
「ええ。速くこれ持って。見習いでしょ。無くしたらどうなるか分かってるわよね。さっさと戻るわよ。」
そう言うと、シイナが袋を俺の前に投げた。
「わかったよ。」
俺様は袋を拾い、脚を引きずりながらシイナたちに付いていく。
決めた。カノンを殺した後は、まずはシイナを殺す。その後は、見習いもそうだし俺様をバカにしたやつ全員だ。
帝都に戻ると、将軍に呼ばれた。エマはいないが、騎士全員と見習いが集められている。何事だ。
「皆、忙しい時に集まってもらってすまぬ。連絡がある。カノンの捕縛命令が解除された。今後、カノンを見つけても一切手出ししないように。手を出したら罰則がある。以上だ。仕事に戻ってくれ。」
バカな。なぜだ。俺様は怒りで拳を握りしめる。
他の騎士たちは自分の仕事に戻るが、シイナたちと俺様はその場に戻った。
「将軍、私たちの報酬はどうなるのでしょうか。カノンの件、説明してくれませんか。」
シイナが父上に言った。
「ああ。お前たちには説明しないといけないな。報酬は出るように王様に掛け合うが金額は大幅に減ることは覚悟していてくれ。状況が変わったんだ。」
「その状況とはなんですか。納得できません。」
そうだ金貨数百枚貰える予定だったんだ。そんなの納得できない。
「今はまだ言えん。ワシは忙しい。追ってまた連絡する。」
すぐに部屋を出された。控室に戻る。四人とも言葉が出ない様だ。
俺様が引っ張らないと、コイツラはダメだな。
「おい、聞いてくれ。俺様は決めた。教会だ。教会に俺様はつくぜ。俺様はあんな横暴な決断に納得はできない。」
三人は驚いた顔で俺様を見る。
「どういうことだ、エドガー」
「クロスナー、考えても見ろ。カノンは何かしらの方法で帝国に取り入ったんだろう。カノンを追放した俺たちの立場も危ない。そうなると頼れるのは帝国で一番力があるチャーチル教会だろ。」
「たしかに…それはそうだな。」
クロスナーが頷く。
「別にシイナもフラメルはこのままでいいと思うなら、騎士として頑張ればいいさ。だが、カノンが帝国と繋がった今、身の振り方をよく考えるんだな。」
「分かった。僕も教会につくよ。」
フラメルも同意だ。
「シイナはどうする。良いんだぜ。俺たちのこの目論見を将軍に密告しても。」
俺様はニヤッと笑う。
「………そうね。エドガーの意見というのは納得出来ないけど、教会につくのは賛成だわ。」
「決まりだ。教会のお偉いさんに会いに行こう。」
教会では毎月金貨50枚を貰える待遇で受け入れると言われた。帝国騎士の約二倍の給与だ。
クロスナーもフラメルも目を輝かせている。
「待遇は分かった。大事なのは仕事の内容だ。なにをすれば良いんだ。」
俺様がリーダーだ。代表して交渉する。
「いや、特にない。騎士の力を借りれるだけで教会側にメリットがある。だが、カノンと戦って殺してもらうぞ。」
金ももらえて、カノンを殺せるなんて最高じゃねえか。
「それと、帝国の情報があれば別途買い取っても良いぞ。」
願っても居ない展開だ。俺様は三人の顔を見る。皆笑っている。よし契約成立だな。
俺様は教会のお偉いさんと握手をした。
それからは、帝国の騎士として活動しながら教会に密告する。騎士の動きや派遣先など内容は多岐にわたる。こんなので金貨50枚を毎月もらえるんだ。悪い仕事じゃない。
俺様はまだ騎士見習いだが教会側ではリーダーに任命された。
いいぞ。また俺様に風が吹いてきた。
夜になるとまだ傷が痛む。だいぶ以前の様に動かせるのだが、本調子までもう少しだ。
待っていろよ。カノン。
音がして目を覚ます。
父上が家を出てどこかに行っている。浮気か。父上の弱みを握ってやるよ。
父上を追いかけて後をつける。
地下水路だと。そこに何があるんだ。水路では音が響く。バレないように慎重に後をつける。
下水臭いが地下水路がこんなに広いとは思わなかった。
父上が小部屋に入るのが見えた。ここで何をしているんだ。
見張りが二人いて近づけない。遠くから様子を伺う。
カノンだ。
カノンが部屋に入っていった。
やっぱり帝国はカノンと繋がっていたんだ。カノンと父上は会っていた。
教会に報告が必要だ。待っていろよカノン。お前の思いどおりにはさせない。必ずお前の尻尾をつかんでやるからな。
俺様はその場を音がしないようにそっと離れた。
夜も遅いが、シイナ、クロスナー、フラメルを呼び出して教会に向かう。
カノンと将軍が繋がっていたことを話すと、教皇に合わせると言われた。今はこの部屋で休めと言われた。
翌日、帝国騎士はざわついていたと教会の関係者から聞いた。
そりゃそうだ、俺様、シイナ、クロスナー、フラメルが失踪したからだ。
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