ルーザー

烏帽子 博

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ミッションは世直し

裸に………

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3日目の夜
「レイ、もう一度空中散歩がしたいの。疲れてる所悪いけどお願いできる?」

こうして見ると、やっぱりミランダは可愛いなぁーっと思う。
女同士だから、私に色気を振りまくつもりじゃないだろうと思うけど、頭を傾げてクリクリした目で私を見つめるのは、破壊力がある。
ヒョウに変身するスキルが有るからか、猫のような仕草が時々有って、キュンとしてしまう。
狭い所に入りたがるし、塀の上に登りたがるし、背中を伸ばす時なんかはまさに猫だ。
だけどわたしの一番は、丸まって寝てるミランダだ。
起こしちゃいけないと思いながらも、つい衝動に負けて背中を撫でた事がある。
そしたら、一瞬目を開けて、撫でてるのが私だと確認しただけで、また目をつぶった。
私がそのまま撫でてると、フニャとした顔をミランダはしてた。
この娘が裸にワイシャツだったら………つい想像してしまう。


「ねぇレイ 聞いてる?
また空飛んでみたいなぁ~ お願い。疲れてるなら別にいいけど」


「いいわよ、私 スキルのせいで疲れないのよ。だから問題無し。
実を言うと寝る必用も無いのよ。へへへ
じゃあ、行きましょう」

ミランダと手を繋いで、空へと飛び出した。

「レイ、もっと早く!」

「オッケー 気絶しないでよ」

二人は前よりも、倍以上のスピードで空を滑空した。

30分位の空中散歩を楽しんで、家に戻った。


「レイ ありがとう。空を飛ぶのは最高ね。
わたしも自分で飛べたらなぁー」


「いつでも言ってくれたら、飛ぶわよ。
わたしも一人で飛ぶよりミランダと一緒の方が楽しいわ」

ミランダは一度伏目がちになってから、又私を真っ直ぐに見た。

「レイ。あなたはマークの所に戻って………
私はここに居るから。
私のせいで二人を引き裂きたくないの。
私はもう大丈夫。
レイ ありがとう。これまで付き合ってくれて。
レイはやっぱり素敵な人。マークは幸せね。」

「ミランダ、あなた何を言い出すのよ。
私が最初にあなたを見たのは、モニター越しだったわ。
その時はマークのことを色落としに掛けてる悪い女としか思えなかったわ。
でもこうして一緒に居てわかったわ。
あなたはそんな悪い女じゃないってね
むしろ可愛い、いつまでも一緒に居たくなる人よ」

「私は悪い女ですよ。
出会ったばかりの好きでもない人を色気で誘ったのは本当。
生き残る為の作戦。
だから………
レイはマークの所に行って」


「そうだったのは、知ってる。
でも、こうして一緒に暮らしてたら解るわ。
私だって女よ。
最初はそうでも、今はあなたもマークが好きなんでしょ」

「ピンチの時に助けてくれた王子様にぽっとなっただけですよ。
日常生活の中では、そんなふうに ときめく こともないでしょ。
一時の気の迷いよね」

「もう いいわ」

ミランダをもう一度窓から外に出して、私もそれに続いた。

「私をどこに連れてくの?」

「決まってるでしょ。別れる気が有るんなら、私じゃなくてマークに言ってよ。言えるならね。」

ー マーク 聞こえる レイよ。聞こえたら今すぐ窓を開けて ー

ー 窓なら開いてるよ、どうしたの突然?ー

ー もうすぐ着くから ー

ミランダと私はマークの部屋に、飛び込んだ。

「マーク、正直に答えて。私とミランダどっちが好きなの?」

「何だよ!突然空からやって来て、どっちって!」

「マーク私の性格わかってるでしょ。いつもこうよね。
で、二人のうちどっちが好きなの?」

「レイのことは昔から、今もすきだよ。だけどミランダのことも好きだ。」

「そう。私もマークが好きよ、そしてミランダのことも好きよ。
ミランダ、あなたは?」

「マークは、私のこと…きっと一時の気の迷いで…」

「ミランダ、あなたは?って聞いてるのよ」

「私は、レイもマークも好きです。ごめんなさい。」

「3人とも好きな同士になったなら、もう問題ないわね。
マークの欲望を叶えるわよ。
ミランダはワイシャツ
私はエプロンよ フフフ」






それからは
♥♥♥





レイの超健康体スキルで、マークの精力も、ミランダの疲れも一瞬で回復して、♥は、エンドレスに続いたのだった。





そして、それも終る時がきた。
レイたち3人は、いつの間にか眠っていた。

「レイ 久しぶり」

「あっ 神!?」

「人間狩りゲーム、無くして、くれたね。ありがとう。」

「私どうしたのかしら?もしかして死んだの?」

「イヤ死んではいないよ。でも、普通ならあんなことしたら死ぬけどね。」

「♥のこと?」

「それもあるけど、君たち何日飲まず食わずで、やり続けたか知ってる?」

「さぁ」

「スキル超健康体つっても、補給無しじゃあ、こうなるしか無いからね。
省エネして、命は繋いでるんだから、そこは諦めてくれよ。
それじゃあ、ぼくはこれで」

目を覚ますと、私の隣には、裸の男の子と女の子が寝ている。

体を起こしてみると

「えっ!」胸が無い!ぺったんこだ!
それになんか小さい。

男の子の顔を見てみると、間違い無いマークだ!
だけど、10歳位に成ってる!
………と言うことは、この女の子はミランダ?

「う う~ん、えっ、誰?
ウソ! レイ? レイなの?」

「そうみたいね」

「え~~~~~
じゃあ、この毛も生えてない、皮被ってるのは……」

ミランダはマークの股間を指さしてる

「お子様になったマークのマークね」

「私たちどうなっちゃったの?」

「お子様から人生やり直しらしいわ」

その時マークが目覚めた。

「あれっ? レイ なんで小さいの?」

私とミランダは、声変りしてないかん高いマークの声を聞いて笑った。


✻✻❃✻❃❃✻✻❃❃❃✻✻

この話は、ここで終わります。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。

もし、働かなくても、お金が無くても、何でも欲しい物が手に入ったら、人は、幸せなのか?

無いものねだりの人生の方が、楽しいのかもなぁ~

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