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第一章
好き好き、嫌い
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「アッサリとフウリン行っちまったなぁ。
さて、これからだけど、みんなこれからどうしたいかな。
僕に、手伝えることがあるかな?」
「私は、魔法が使えるようになりたくて、ジン先生についてきたけど、魔法が使えるようになった今は特になにかしたいとかは無いわ。タマはどう?」
「私はいつも遊んでたマオマオと離れたくなくて、そして同じ様に魔法が使いたくて、ここまできたけど、家に一度戻りたいわ」
「そうだね、二人は一度家に戻ってみて考えてみるのがいいと僕も思うよ。
セーラはどうしたい?」
「私は、冒険者として生きて行きたいです。できればその中で『光の剣聖』の名を継げるようになって、人助けがしたいです。」
「そうか、それじゃあ、これからもぼくとパーティ組んで、活動してゆこうか。」
「ジン、頼ってばかりでわるいけど、もうしばらくここに居させて欲しい。
でもこの先、私は、ソロで誰にも頼らずやっていきたいわ」
「そうか わかった。セーラの好きにしていいよ。
ぼくは、マオマオとタマを送って来るから、家で待っててくれ」
「はい。わかりました。」
「もしも~し!
ジン! ジン! ジンさ~ん!
誰かお忘れじゃないですか?
」
「ん? ポコ どうした?」
「どうしたじゃありませんよ
私にも、これからどうしたいとか聞かないんですか?」
「だって、分かってるし。」
「分かってる?何が?」
「あれ、違ってたかな?まさか出会った時のタヌキの里に戻る気?」
「いいえ!私はジンから離れません」
「やっぱり 聞くだけ無駄じゃん」
「それじゃ、私はジンの女!妻で!」
「それは無いな!」
「ジン 私のこの うれた果実を召し上がれ!」
「もう やめよう。 ポコはうちに居ていいから。」
「分かってる。ジンはセーラが好きなんでしょ。
セーラと話をするときには、いつも ニヘラ~って顔してるもん。私は二番目でもいいから、安心してよ。」
「ちょっとまってよ。ポコ
私のことジンが好きだなんて、無い無い。
なに言ってるのよ。」
「それにセーラもジンのことが好きなんでしょ。
言葉にしてないだけで、周りから見たら、相思相愛よ。マオマオもタマも きっとそう思ってるわよ。
私なんか ふぇ~ん」
「そうなの? マオマオ タマ」
「だって、セーラはジンと話しする時、いつも顔紅くなるもん。」
「そうね あと、何か恥ずかしそうにふにゃふにゃする。
ジンは、みんなで話するときにはセーラばっかり見てて、二人とも目が合うと、恥ずかしそうにする」
「はい はい みんなで僕を出汁にして、イジるのは終わり。
ポコはこのまま、うちに居てよし。
これでいいよね。
この話はオシマイ!」
そのときセーラが、ジンをじっとみながら口を開いた。
セーラは、大きく深呼吸して
「私はジンが好きよ。みんなの言うとおり。
でも、ポコに幸せになってもらいたい。
私はジンに義手を作ってもらって、その上魔法とか色々教わって、もうそれだけで充分なの。
ジン お願い ポコに優しくしてあげて。」
「エッ セーラ 本当に?」
ジンは凄く嬉しそう。そのニタァーっとした顔を見て
「ジンのバカぁ~」ポコが走っていった。
タマはしれ~っとした目でジンを見てる。
たぶん私も……
セーラがアゴをクイックイッとやってジンの行動を促してる。
ジンはボケーっとしてたけど、セーラの仕草で我に返って、ポコを追いかけた。
ジンがポコのそばに行くと、ポコは少し逃げる。
またジンがそばに行くと、ポコが少し逃げる。
そのくり返しを何度か見せられてる。
そのとき
「焦れったいんじゃ。コラァ!さっさとポコを抱きしめんかぁ!」
セーラの怒鳴り声で、全員が一瞬固まった。
全員の視線がセーラに集まると
「なによ! みんなが期待してること 私が言っただけでしょ」
ジンはポコを抱きしめたりはしなかった。その代わり、お姫様抱っこをして、ポコを運びセーラの隣に下ろした。
「二人のうち、どちらか一人なんて、僕には選べないよ。
僕は、みんな好きです。」
あれれ~ みんなってなに?私やタマも?
そうだ!彼女なら!
ー フウリン マオよ ちょっと今すぐ来てくれない ー
ー なに?さっき別れたばかりじゃない。どうしたの?ー
ー ポコとセーラがジンのこと好きなんだけど、お互いに譲り合ってて、ジンはみんな好きとかいうから どうしたらいい?ー
ー わかった。すぐ行く ー
私の周りに結界が出来て、その中にフウリンが現れた。
「全く、あんたたち。私が居なくなった途端にこれ!」
「フウリ~ン」ポコがフウリンに駆け寄り抱き着いて
「わぁ~~ん」
声をあげて泣き出す。
フウリンは、ポコの頭を撫でながら、ジンを一度睨んでから、大きくため息をついた。
「マオマオから、だいたいのことは聞いたわ。恋愛問題でこじれてるのよね。」
みんなウンウンと頭を振る
「ジンが、何でこんな感じなのかを私なりに説明するね。
ジンはね、……
えっと双子の私もだけど、元々は、魔人なの。
母親のビアンカが、魔人でその血を受け継いで、魔人として産まれてきたって訳
それで、どんな魔人かと言うとサキュバスとか淫魔とか言われる魔人なの。
サキュバスは狙った相手を魅了して関係を持つことで自分の魔力を増やせるのよ。
だからいつも不特定多数の相手を求めてしまうの
ジンも私も浄化によって人間になった今は、魅了とかのスキルも無くなったし、異性と関係して魔力を増やすのも出来なくなったのよ。
だけどね、誰か一人を愛し続けたいとはならなかったの。
サキュバスのなごりなのか、出会う人出会う人を次々と好きになって、逆に困るのよ。
それに加えて、ジンは極度のマザコンだから、ママの匂いのする人には、特にひかれるのよ。
私やマオマオが持ってる魔力とかセーラの光属性とかね。」
「それじゃあ、どうしたらいいんですか?」
やっと落ち着いたポコが聞いた。
「友だちの一人とか、近所のあんちゃんとか、親戚のお兄さんレベル以上を求めないのが一つの方法よ」
「それは無理です。もう好きになっちゃってるから」
「別の方法は、独占をあきらめるしかないわ。
ジンはこの先も出会う女性を次々と好きになっていくはずよ。
それは、誰も止められないわ。
ジンのオンリーワンじゃなくてもいいって納得したうえじゃないと、これからも泣き続けないとならないわ。」
すると、何かを決意するかのようにセーラが言った
「フウリン 私はあなたの元で、もっと修行したい。今は、ジンに恋してるけど、それより私は光の剣聖を目指したいです」
「セーラの気持ちは、わかった。協力するわ。一緒に旅をしましょう。
ポコはどうする?」
「私は、今だけでもいいから、ジンに愛されたいです。
先のことはまた考えます」
「それもアリかな。
ジン!今夜はポコのベッドに行くのよ。絶対にね!
しばらくは、二人でここで暮らしなさいよね。
マオマオとタマも私が連れてくから」
「わかった。ポコとここで暮らせばいいんだね。」
「そうよ、他の女性と出会わなければ、何もおきないからね。ポコお幸せに。ふふふ
それじゃあ、レディース、
いきましようか。」
「えっ もう行っちゃうの?」
フウリンはジンの声には応えずに
「みんな輪になって手を繋いで」
ヒューリとマリアの家のリビングが見えてきた。
マリアが異変にビックリしてこっちを見ている。
「行くわよ。みんな。
それじゃあね。ジン・ポコ」
私たちは結界の中に足を踏み入れ、一瞬でマリアの前に立った。
「あっ マオお帰り。皆さんいらっしゃい。」
「マリア、ただいま~」
マオマオは、マリアに飛びついた。
「あらあら、マオマオは赤ちゃんみたいね。
タマちゃんもお帰り。
二人共ちょっとおねえさんになったわね。」
「マリア、マオマオから聞いてはいると思うけど、彼女がセーラよ」
セーラはマリアに膝をついて会釈した。
「セーラです。光属性の魔法が得意です。よろしくおねがいします。」
「セーラさん、そんなかしこまらないで。マリアよ、こちらこそ宜しくね」
「この方が、皆さんを浄化したマリアさんなんですか?」
「そうよ、マリアと旦那さんのヒューリの二人も私が戦い方を教えたのよ。
さてと タマもお母さんに早く会いたいだろう。
ここからは近い?」
マリアに甘えるマオマオを見てて少し寂しそうだったタマが、パッと明るい笑顔になった。
「はい そんなに遠くないわ」
「それじゃ、飛んでいきましようか。
マオマオとはここでお別れよ。時々念話してね。」
フウリン セーラ タマの三人は外に出るとすぐ空へと舞い上がって行ってしまった。
セーラは、光の粒を撒きながら飛んでとても綺麗だった。
少しだけ三人で編隊飛行のパフォーマンスをしてから、飛びさっていった。
その時ヒューリが、走って帰ってきた。
「マオマオ お帰り~」
ヒューリは、おいでとばかりに手を広げたが、私はなんだか恥ずかしくて会釈した。
ヒューリは、構わず抱きしめてきた。
「ヒューリ、マオマオに嫌われないようにね。
そろそろお年頃よ」
ヒューリは、すぐに私を開放してくれた。
「マオマオは、俺のこと嫌ったりしないさ。
なぁ マオマオ」
「う うん でも、抱きしめたりはちょっと嫌かなぁ」
「えっ………そうか わかった
でも、久しぶりに会えたんだし。」
「さぁ 二人共家に入りましょ。お茶にするわよ。」
お茶を飲みながらの会話は、殆どがすでに念話で話してある内容なのに、二人共「それで、それで?」と根掘り葉掘り聞いてきた。
マリア曰く
「だって、頭に声が響くだけじゃ、寂しいって言うか、物足りないのよね。
手をのばせば触れることができるところにあなたがいるのが、嬉しくて。」
だそうだ。
今頃タマもこんな思いをしてるのかな~
すると、タマから念話が、入った。
ー マオマオ!私は普通の獣人じゃないって両親が言うの。なんか自分の家に帰ってきたのに、居づらいのよ。
パパもママもどこかよそよそしくて。
ねぇマオマオ、二人で旅に出ない?ー
ー もちろんいいわよ。フウリンとセーラは?ー
ー 両親と軽く挨拶して、すぐに飛んで行っちゃたわ ー
ー 明日、お昼過ぎにいつもの丘の上で会って相談しようよ ー
ー いいわよ。じゃ 明日ね~バイバイ ー
さて、これからだけど、みんなこれからどうしたいかな。
僕に、手伝えることがあるかな?」
「私は、魔法が使えるようになりたくて、ジン先生についてきたけど、魔法が使えるようになった今は特になにかしたいとかは無いわ。タマはどう?」
「私はいつも遊んでたマオマオと離れたくなくて、そして同じ様に魔法が使いたくて、ここまできたけど、家に一度戻りたいわ」
「そうだね、二人は一度家に戻ってみて考えてみるのがいいと僕も思うよ。
セーラはどうしたい?」
「私は、冒険者として生きて行きたいです。できればその中で『光の剣聖』の名を継げるようになって、人助けがしたいです。」
「そうか、それじゃあ、これからもぼくとパーティ組んで、活動してゆこうか。」
「ジン、頼ってばかりでわるいけど、もうしばらくここに居させて欲しい。
でもこの先、私は、ソロで誰にも頼らずやっていきたいわ」
「そうか わかった。セーラの好きにしていいよ。
ぼくは、マオマオとタマを送って来るから、家で待っててくれ」
「はい。わかりました。」
「もしも~し!
ジン! ジン! ジンさ~ん!
誰かお忘れじゃないですか?
」
「ん? ポコ どうした?」
「どうしたじゃありませんよ
私にも、これからどうしたいとか聞かないんですか?」
「だって、分かってるし。」
「分かってる?何が?」
「あれ、違ってたかな?まさか出会った時のタヌキの里に戻る気?」
「いいえ!私はジンから離れません」
「やっぱり 聞くだけ無駄じゃん」
「それじゃ、私はジンの女!妻で!」
「それは無いな!」
「ジン 私のこの うれた果実を召し上がれ!」
「もう やめよう。 ポコはうちに居ていいから。」
「分かってる。ジンはセーラが好きなんでしょ。
セーラと話をするときには、いつも ニヘラ~って顔してるもん。私は二番目でもいいから、安心してよ。」
「ちょっとまってよ。ポコ
私のことジンが好きだなんて、無い無い。
なに言ってるのよ。」
「それにセーラもジンのことが好きなんでしょ。
言葉にしてないだけで、周りから見たら、相思相愛よ。マオマオもタマも きっとそう思ってるわよ。
私なんか ふぇ~ん」
「そうなの? マオマオ タマ」
「だって、セーラはジンと話しする時、いつも顔紅くなるもん。」
「そうね あと、何か恥ずかしそうにふにゃふにゃする。
ジンは、みんなで話するときにはセーラばっかり見てて、二人とも目が合うと、恥ずかしそうにする」
「はい はい みんなで僕を出汁にして、イジるのは終わり。
ポコはこのまま、うちに居てよし。
これでいいよね。
この話はオシマイ!」
そのときセーラが、ジンをじっとみながら口を開いた。
セーラは、大きく深呼吸して
「私はジンが好きよ。みんなの言うとおり。
でも、ポコに幸せになってもらいたい。
私はジンに義手を作ってもらって、その上魔法とか色々教わって、もうそれだけで充分なの。
ジン お願い ポコに優しくしてあげて。」
「エッ セーラ 本当に?」
ジンは凄く嬉しそう。そのニタァーっとした顔を見て
「ジンのバカぁ~」ポコが走っていった。
タマはしれ~っとした目でジンを見てる。
たぶん私も……
セーラがアゴをクイックイッとやってジンの行動を促してる。
ジンはボケーっとしてたけど、セーラの仕草で我に返って、ポコを追いかけた。
ジンがポコのそばに行くと、ポコは少し逃げる。
またジンがそばに行くと、ポコが少し逃げる。
そのくり返しを何度か見せられてる。
そのとき
「焦れったいんじゃ。コラァ!さっさとポコを抱きしめんかぁ!」
セーラの怒鳴り声で、全員が一瞬固まった。
全員の視線がセーラに集まると
「なによ! みんなが期待してること 私が言っただけでしょ」
ジンはポコを抱きしめたりはしなかった。その代わり、お姫様抱っこをして、ポコを運びセーラの隣に下ろした。
「二人のうち、どちらか一人なんて、僕には選べないよ。
僕は、みんな好きです。」
あれれ~ みんなってなに?私やタマも?
そうだ!彼女なら!
ー フウリン マオよ ちょっと今すぐ来てくれない ー
ー なに?さっき別れたばかりじゃない。どうしたの?ー
ー ポコとセーラがジンのこと好きなんだけど、お互いに譲り合ってて、ジンはみんな好きとかいうから どうしたらいい?ー
ー わかった。すぐ行く ー
私の周りに結界が出来て、その中にフウリンが現れた。
「全く、あんたたち。私が居なくなった途端にこれ!」
「フウリ~ン」ポコがフウリンに駆け寄り抱き着いて
「わぁ~~ん」
声をあげて泣き出す。
フウリンは、ポコの頭を撫でながら、ジンを一度睨んでから、大きくため息をついた。
「マオマオから、だいたいのことは聞いたわ。恋愛問題でこじれてるのよね。」
みんなウンウンと頭を振る
「ジンが、何でこんな感じなのかを私なりに説明するね。
ジンはね、……
えっと双子の私もだけど、元々は、魔人なの。
母親のビアンカが、魔人でその血を受け継いで、魔人として産まれてきたって訳
それで、どんな魔人かと言うとサキュバスとか淫魔とか言われる魔人なの。
サキュバスは狙った相手を魅了して関係を持つことで自分の魔力を増やせるのよ。
だからいつも不特定多数の相手を求めてしまうの
ジンも私も浄化によって人間になった今は、魅了とかのスキルも無くなったし、異性と関係して魔力を増やすのも出来なくなったのよ。
だけどね、誰か一人を愛し続けたいとはならなかったの。
サキュバスのなごりなのか、出会う人出会う人を次々と好きになって、逆に困るのよ。
それに加えて、ジンは極度のマザコンだから、ママの匂いのする人には、特にひかれるのよ。
私やマオマオが持ってる魔力とかセーラの光属性とかね。」
「それじゃあ、どうしたらいいんですか?」
やっと落ち着いたポコが聞いた。
「友だちの一人とか、近所のあんちゃんとか、親戚のお兄さんレベル以上を求めないのが一つの方法よ」
「それは無理です。もう好きになっちゃってるから」
「別の方法は、独占をあきらめるしかないわ。
ジンはこの先も出会う女性を次々と好きになっていくはずよ。
それは、誰も止められないわ。
ジンのオンリーワンじゃなくてもいいって納得したうえじゃないと、これからも泣き続けないとならないわ。」
すると、何かを決意するかのようにセーラが言った
「フウリン 私はあなたの元で、もっと修行したい。今は、ジンに恋してるけど、それより私は光の剣聖を目指したいです」
「セーラの気持ちは、わかった。協力するわ。一緒に旅をしましょう。
ポコはどうする?」
「私は、今だけでもいいから、ジンに愛されたいです。
先のことはまた考えます」
「それもアリかな。
ジン!今夜はポコのベッドに行くのよ。絶対にね!
しばらくは、二人でここで暮らしなさいよね。
マオマオとタマも私が連れてくから」
「わかった。ポコとここで暮らせばいいんだね。」
「そうよ、他の女性と出会わなければ、何もおきないからね。ポコお幸せに。ふふふ
それじゃあ、レディース、
いきましようか。」
「えっ もう行っちゃうの?」
フウリンはジンの声には応えずに
「みんな輪になって手を繋いで」
ヒューリとマリアの家のリビングが見えてきた。
マリアが異変にビックリしてこっちを見ている。
「行くわよ。みんな。
それじゃあね。ジン・ポコ」
私たちは結界の中に足を踏み入れ、一瞬でマリアの前に立った。
「あっ マオお帰り。皆さんいらっしゃい。」
「マリア、ただいま~」
マオマオは、マリアに飛びついた。
「あらあら、マオマオは赤ちゃんみたいね。
タマちゃんもお帰り。
二人共ちょっとおねえさんになったわね。」
「マリア、マオマオから聞いてはいると思うけど、彼女がセーラよ」
セーラはマリアに膝をついて会釈した。
「セーラです。光属性の魔法が得意です。よろしくおねがいします。」
「セーラさん、そんなかしこまらないで。マリアよ、こちらこそ宜しくね」
「この方が、皆さんを浄化したマリアさんなんですか?」
「そうよ、マリアと旦那さんのヒューリの二人も私が戦い方を教えたのよ。
さてと タマもお母さんに早く会いたいだろう。
ここからは近い?」
マリアに甘えるマオマオを見てて少し寂しそうだったタマが、パッと明るい笑顔になった。
「はい そんなに遠くないわ」
「それじゃ、飛んでいきましようか。
マオマオとはここでお別れよ。時々念話してね。」
フウリン セーラ タマの三人は外に出るとすぐ空へと舞い上がって行ってしまった。
セーラは、光の粒を撒きながら飛んでとても綺麗だった。
少しだけ三人で編隊飛行のパフォーマンスをしてから、飛びさっていった。
その時ヒューリが、走って帰ってきた。
「マオマオ お帰り~」
ヒューリは、おいでとばかりに手を広げたが、私はなんだか恥ずかしくて会釈した。
ヒューリは、構わず抱きしめてきた。
「ヒューリ、マオマオに嫌われないようにね。
そろそろお年頃よ」
ヒューリは、すぐに私を開放してくれた。
「マオマオは、俺のこと嫌ったりしないさ。
なぁ マオマオ」
「う うん でも、抱きしめたりはちょっと嫌かなぁ」
「えっ………そうか わかった
でも、久しぶりに会えたんだし。」
「さぁ 二人共家に入りましょ。お茶にするわよ。」
お茶を飲みながらの会話は、殆どがすでに念話で話してある内容なのに、二人共「それで、それで?」と根掘り葉掘り聞いてきた。
マリア曰く
「だって、頭に声が響くだけじゃ、寂しいって言うか、物足りないのよね。
手をのばせば触れることができるところにあなたがいるのが、嬉しくて。」
だそうだ。
今頃タマもこんな思いをしてるのかな~
すると、タマから念話が、入った。
ー マオマオ!私は普通の獣人じゃないって両親が言うの。なんか自分の家に帰ってきたのに、居づらいのよ。
パパもママもどこかよそよそしくて。
ねぇマオマオ、二人で旅に出ない?ー
ー もちろんいいわよ。フウリンとセーラは?ー
ー 両親と軽く挨拶して、すぐに飛んで行っちゃたわ ー
ー 明日、お昼過ぎにいつもの丘の上で会って相談しようよ ー
ー いいわよ。じゃ 明日ね~バイバイ ー
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