44 / 69
第二章
女王蟻
しおりを挟む
ヒューリは、ぎこちないながらも、ソルジャーアントを三匹ほど倒した。
肩で息をしだしたので、一度結界を張って休憩を入れた。
「はい、水分補給して、それと、魔力も少し分けてあげるわね」
多分レベルアップしたんだろう。ヒューリの顔色がいい。
こうして何度か休憩を挟みながら、奥へと進んで行った。
ヒューリのレベルも上がってきて、次第に、簡単にソルジャーアントを倒すようになった。
突然大広間のような場所に出た。
奥が祭壇のようになっていて、中央に女王、その左右に4匹の王がいて、下には数え切れない程のソルジャーアントがいた。
ソルジャーアントが一斉にこちらに向かってこようとした時に
キンキンキンキン
高周波かなにか、頭に響くような音がして、ソルジャーアントの動きが止まった。
ー もうそれ以上娘たちを殺さないでいただきたい ー
いきなり念話が入って来て驚いた
マリアがそれで目を覚ました。
「ヒューリ、マリアを落ち着かせて、何もさせないで!」
蟻の集団の中に居ることを自覚したマリアの目の色が変わりだす。
ヤバイ、また暴走する!
そう思った瞬間、ヒューリがマリアを抱き寄せ、口づけをした。
マリアは次第に柔らかな表情になり、落ち着きを取り戻し、そしてフェロモンを漂わせた。
「ヒューリ やりすぎよ!」
またも念話が送られて来た
ー お主らの求めん物がここに有るなら、それを差し出そう。それで引いてはくれぬか ー
私は念話で答えた
ー 私たちは、この祠の中に有ると聞いた『妖精のランプ』を求めてここに来ました。
殺戮が目的ではありません ー
ー 『妖精のランプ』ですか。残念ですが、今はこちらには、ございません。ここにあるのは『妖精のランプ』を灯す為の燃料、蟻蝋のみです。
蟻蝋でしたら、瓶に一杯差し上げます。
これで引いてはいただけませんか ー
ー これ以上あなたたちの巣を荒らすつもりはありません。
蟻蝋はありがたくいただきます。
最後にもう一つ教えて下さい。『妖精のランプ』が今どこにあるかは、ご存ないですか? ー
ー 『妖精の村』に行く事が出来ればいいのですが、妖精は汚れなき者にしか見えません。
妖精は、満月の晩に、この上の祠の近くに、現れる事が有るそうです ー
私たちは蟻の巣から外に出たが、皆憂うつな気分だった。
「そうだ! 師匠! 私たちの前にユニコーン狩りした人が、今も『妖精のランプ』持ってたりしないかしら?」
「また、ビアンカ頼りかぁー」
ー ビアンカ! ビアンカ! ー
ー ア~ン もう そこは…
ア~ン イヤ やめちゃ
もっとお~ ー
またか?盛んだなぁー
しばらく待ってから、もう一度呼びかけた。
ー ビアンカ! フウリンよ ー
ー あら フウリンちゃん。元気~ ー
ー 元気ですよ。
いきなりで悪いけど、ビアンカ『妖精のランプ』持ってませんか。前に使ったんでしょ。ジンの為にユニコーン捕まえる時に ー
ー ええ、持ってたわよ、でも使った後、妖精に返したの ー
ー えっ!ビアンカ妖精が見えるの?どうやって返したの? ー
ー 見えないわよ。祠の祭壇に置いてきただけよ ー
ー 手に入れるときはどうしたの ー
ー 祠の祭壇に祭ってあったのを拝借したのよ
どうしたの?祭壇に『妖精のランプ』無かったの? ー
ー 祠の下がダンジョンになってて、そこだと思って入っていったら、実はダンジョンでは無くて、ただのソルジャーアントの巣で、女王蟻がここに「妖精のランプは有りませんよ」って言うから、ちょっと困ってたんです。 ー
ー それじゃあ、祠の祭壇は調べて無いのね。調べてみたら ー
ー ビアンカ ありがとう、調べてみて、また連絡します ー
ー 今も有るといいわね『妖精のランプ』
それじゃあ またね。ー
何か私バカみたい。
蟻たちには、悪いことをしたなぁ
早速祭壇を調べてみると、小さなランプが出てきた。
「ビンゴね」
ランプには、燃料が残っていなかった。
ソルジャーアントの女王さん
あなたとの出合いも、無駄じゃあ無かったみたいね。
ー ビアンカ! ビンゴよ、祭壇に『妖精のランプ』合ったわ。いつもありがとう。ー
ー いいのよ、次は『氷のユリ』ね、頑張って ー
肩で息をしだしたので、一度結界を張って休憩を入れた。
「はい、水分補給して、それと、魔力も少し分けてあげるわね」
多分レベルアップしたんだろう。ヒューリの顔色がいい。
こうして何度か休憩を挟みながら、奥へと進んで行った。
ヒューリのレベルも上がってきて、次第に、簡単にソルジャーアントを倒すようになった。
突然大広間のような場所に出た。
奥が祭壇のようになっていて、中央に女王、その左右に4匹の王がいて、下には数え切れない程のソルジャーアントがいた。
ソルジャーアントが一斉にこちらに向かってこようとした時に
キンキンキンキン
高周波かなにか、頭に響くような音がして、ソルジャーアントの動きが止まった。
ー もうそれ以上娘たちを殺さないでいただきたい ー
いきなり念話が入って来て驚いた
マリアがそれで目を覚ました。
「ヒューリ、マリアを落ち着かせて、何もさせないで!」
蟻の集団の中に居ることを自覚したマリアの目の色が変わりだす。
ヤバイ、また暴走する!
そう思った瞬間、ヒューリがマリアを抱き寄せ、口づけをした。
マリアは次第に柔らかな表情になり、落ち着きを取り戻し、そしてフェロモンを漂わせた。
「ヒューリ やりすぎよ!」
またも念話が送られて来た
ー お主らの求めん物がここに有るなら、それを差し出そう。それで引いてはくれぬか ー
私は念話で答えた
ー 私たちは、この祠の中に有ると聞いた『妖精のランプ』を求めてここに来ました。
殺戮が目的ではありません ー
ー 『妖精のランプ』ですか。残念ですが、今はこちらには、ございません。ここにあるのは『妖精のランプ』を灯す為の燃料、蟻蝋のみです。
蟻蝋でしたら、瓶に一杯差し上げます。
これで引いてはいただけませんか ー
ー これ以上あなたたちの巣を荒らすつもりはありません。
蟻蝋はありがたくいただきます。
最後にもう一つ教えて下さい。『妖精のランプ』が今どこにあるかは、ご存ないですか? ー
ー 『妖精の村』に行く事が出来ればいいのですが、妖精は汚れなき者にしか見えません。
妖精は、満月の晩に、この上の祠の近くに、現れる事が有るそうです ー
私たちは蟻の巣から外に出たが、皆憂うつな気分だった。
「そうだ! 師匠! 私たちの前にユニコーン狩りした人が、今も『妖精のランプ』持ってたりしないかしら?」
「また、ビアンカ頼りかぁー」
ー ビアンカ! ビアンカ! ー
ー ア~ン もう そこは…
ア~ン イヤ やめちゃ
もっとお~ ー
またか?盛んだなぁー
しばらく待ってから、もう一度呼びかけた。
ー ビアンカ! フウリンよ ー
ー あら フウリンちゃん。元気~ ー
ー 元気ですよ。
いきなりで悪いけど、ビアンカ『妖精のランプ』持ってませんか。前に使ったんでしょ。ジンの為にユニコーン捕まえる時に ー
ー ええ、持ってたわよ、でも使った後、妖精に返したの ー
ー えっ!ビアンカ妖精が見えるの?どうやって返したの? ー
ー 見えないわよ。祠の祭壇に置いてきただけよ ー
ー 手に入れるときはどうしたの ー
ー 祠の祭壇に祭ってあったのを拝借したのよ
どうしたの?祭壇に『妖精のランプ』無かったの? ー
ー 祠の下がダンジョンになってて、そこだと思って入っていったら、実はダンジョンでは無くて、ただのソルジャーアントの巣で、女王蟻がここに「妖精のランプは有りませんよ」って言うから、ちょっと困ってたんです。 ー
ー それじゃあ、祠の祭壇は調べて無いのね。調べてみたら ー
ー ビアンカ ありがとう、調べてみて、また連絡します ー
ー 今も有るといいわね『妖精のランプ』
それじゃあ またね。ー
何か私バカみたい。
蟻たちには、悪いことをしたなぁ
早速祭壇を調べてみると、小さなランプが出てきた。
「ビンゴね」
ランプには、燃料が残っていなかった。
ソルジャーアントの女王さん
あなたとの出合いも、無駄じゃあ無かったみたいね。
ー ビアンカ! ビンゴよ、祭壇に『妖精のランプ』合ったわ。いつもありがとう。ー
ー いいのよ、次は『氷のユリ』ね、頑張って ー
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる