魔法使いフウリン

烏帽子 博

文字の大きさ
上 下
23 / 69
第二章

リタの成長

しおりを挟む
次の日からは、練習メニューに剣舞が加わった。
受けの型、攻めの型 基本だけで、それぞれ48パターンある
一つ一つの型は簡単そうに見えても、実際は決まりが多く複雑だ。
体幹、目線、力の配分に始まり、頭のてっぺんから、つま先まで、チェックが入る。

「はい、それじゃあ、今覚えた型で、受けて見て
基本の形から、上段からの受けの型ね」

ビアンカはそう言うと、打ち込んできた。
ー 実践で使う為に覚えさせてるんだからね、人前で踊って見せる為じゃないからね ー

ビアンカが少しギアを上げると、受けの型が崩れてしまう。
その度に念話で指摘される。

ー ビアンカ、念話で話されると型に集中出来ないから、言葉で話してくれない ー

ー 型は集中しないと出来ないようじゃあ駄目なのよ、呼吸をするように、無意識で使えるようになってこそ、実践で使えるのよ。ー

こうして、昼間は剣舞と魔力での物体コントロール、夜はビアンカの見学で半年が過ぎた。






「フウリンはさあ 毎夜アタシがシてるところ見学してるけど、ヤりたくならないの?」

「なりますよ」

「じゃあすればいいじゃん」

「いいんですか?」

「あなたが変に操を立ててるのかと思ってたから、刺激してたのよ。私は見られて燃えるタイプじゃないから、あなたがいてもいなくても大丈夫よ」

「そうだったんですか?色んな体位やプレイの勉強かと」

「それで、勉強になったの?」

「はい、イメージトレーニングは、バッチリと」

「それじゃあ、今夜から実践ね。でもいい よく聞いて、気持ちよくなるためじゃないから、精を、逃さず取り込むのが目的だからね。
後で私に増えた魔力の一部を送り込んでね
私が、やってるように、全ての感覚付で」

「わかりました。そのようにやります。」

「剣舞の方だけど…
悪いけど、あなたよりリタの方が筋がいいわね」

「やっぱり、そうですか」

「リタ フウリンと稽古しなさい」

「フウリン 身体強化はもちろん無しでね」


「それじゃあ、始め!」

リタが、ビビってるのが伝わってくる。
そりゃそうだ。私が、何人もの男たちを倒すところを、見てるんだから。

でも今は、魔力を使わないでの稽古だ。

リタからは仕掛けてこない

私は、一つフェイントをかけてから、打ち込んだ。
リタは、それを難なく受け流した。
私が少し体勢を崩すと、見透かしたようにリタの、剣が振り下ろされてきた。
私は、転がるように逃げて、距離をとった。

アブなかった。
素人だと思って舐めちゃいけないわね。

一息つく間もなく、リタは弧を描くように剣をつきだしてくる。

一つ受けると、流れるように次が来る、そしてまた続け様に剣が迫ってくる

私は、防戦一方に追い込まれた。

私もリタの剣を、はじくのではなく、受け流してみた。
リタは、一瞬 ハッとした顔をしたが、そのまま軌道を変えて、剣を繰り出してきた。

私は、剣先に勢いを逃がすのではなく、剣の根本で受けるように剣を、滑らせた。
そして、その流れのままに、膝蹴りをリタのみぞおちに決めた。

「勝負あり」

「リタ!ゴメンネ」私はリタに回復魔法をかけた。

「剣技では、リタのほうが上ね、だけど実践経験の差が勝負を決めたわね。
リタ 疲れてる所悪いけど、続けて私と勝負するのよ。
フウリンは、よく見て勉強しなさい。」

二人の勝負は、剣舞のように見えた、華麗に舞いながら、剣が繰り出される。

途中からビアンカがペースを上げた、リタはついていくのが大変そうだ
やがて、自然と勝負がついた。

「ビアンカ様、私感動しました。ありがとうございました。」

「リタ 上達したわね、この調子でがんばって。
さて、そろそろ町で、男が待ってる頃ね。フウリン、あなたそっちも解禁よ」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

どうぞお好きに

音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。 王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。 敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。 決して追放に備えていた訳では無いのよ?

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】

小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。 他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。 それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。 友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。 レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。 そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。 レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……

処理中です...