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婚約者との初対面1

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この世界に転生してはや3年。私、シャーロット・シンフォニアは8歳になりました!

この3年間はとても充実してましたわ。アラン先生の授業は毎回面白いですし、マナーだって完璧にできるようになりました。


さて、そんなある日、私は朝からエマ達によって着せ替え人形にされています…

「皇女殿下!もう少し力を抜いてください」

「髪飾りはこのティアラにしましょう」

「なんて可愛らしい!ご婚約者様もきっと見とれてしまいますわ」

何を隠そう今日は私が婚約者に初めて出会う日…要は顔合わせの日なのです。

私の婚約者はルーベル公爵家という帝国で最も力を持つ家の嫡男カイロス・ルーベルさまです。

ルーベル公爵家は、代々王女や第2王子などを迎えてきた由緒正しき王家の腹心。

帝国唯一の皇女である私が嫁ぐのに恐らく1番ふさわしい家と言えるでしょう。

いえ、別に私が驕り高ぶってる訳ではなくそのくらい「皇女」という立場は高い、ということです。

さて、このルーベル公爵家の嫡男(要は後継者ですわ)であり私シャーロット・シンフォニアの婚約者であるカイロスは、皆様の想像の通り攻略対象の1人です。

王家の血を引いている者しか所有しない赤目を持ち、髪色は綺麗な金髪。

私よりも2つ年上で、性格は穏やかながら筆頭公爵家の跡取りとしての冷酷さも持つというお方です。

ゲームでのカイロスはわがまま皇女の婚約者として登場します。

皇女の婚約者として数年生きてきて、メンタルがボロボロだったところを素朴で純粋なヒロインに救われる…という典型的な攻略対象ですわ。

カイロスルートに入った時のシャーロットの末路は処刑。

ヒロインを階段から突き落とし、それ以外でも嫌がらせや権力を使った犯罪行為などを大広間でバラされ、公開処刑されるのです。

処刑は絶対に回避せねばなりません!

幸い、今のところ強制力というのが働くことはなく、アランもお兄様もしっかりと私のことを可愛がってくれている。

ということは、私の行動しだいでカイロスも甘くなってくれる可能性があるということだ。

「まず、第一印象ですわ!」

未来のためにふんすっとやる気を出す私を、「まあ、そんなに楽しみなのですね」「カイロス公爵子息様は幸せ者です」などとメイドたちから生暖かい目で見られていることに気づかなかった。

「さあ、客間に向かいますわよ!いざ、ご対面ですわ!」

頭を下げる侍女たちの中から、いつも通り専属のエマを連れ、私は部屋の扉を開け放った!

「殿下!淑女がドアを開け放つなんてはしたないですわ!おやめ下さい!」

…叱られてしまいましたわ。



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