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予想よりもお兄様が甘いです!
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「おにいさま…」
「ん?どうしたのシャル?」
私はプルプルしながら兄を呼ぶ。
「…おろしてくださいまし」
やっとの思いでそう告げたが当の兄は必殺王子様スマイルを浮かべ
「ダメだよシャル。さぁ次は何食べたい?」
バッサリと切り捨てた。
はい。私は現在お兄様の膝に座らせられています。
あぁぁ…!きつい…中身は恋愛経験0のいい大人な私にはきつい…!
急に抱っこされたと思ったらあれよあれよと腕の中。
目の前にはたくさんのお菓子。それはいいのだが私は何故か抱っこされたままあーんをされている。
「ほらシャル?あーん」
私は恥ずかしさでプルプルするが美味しそうなお菓子と兄の無言の圧を放つ笑顔に押され差し出されたお菓子をパクッと食べる。
「美味しい?シャル」
キラキラスマイルで問いかけられ誰がまずいと言えるのか。
いやまあおかしは美味しいのでもぐもぐしながら素直に頷くとまたすぐに別の菓子を差し出してくる。
…本当にどうなってるのかしら…過去編のストーリーによればこの時には既にシャーロットのことを憎んでいたはずのカイル。
それなのに私の目の前にいるカイルは憎しみなんて微塵もない甘い笑顔を浮かべている。
…ここは乙女ゲーの世界ではなかったの?でも設定は同じだし…
次から次へと差し出される菓子を大人しく食べながら考える。
「シャル~?お兄ちゃんの方を向いてくれないの?」
ギュッと抱きしめられ反射的に振り返ると目にハートを浮かべてそうなほど甘いお兄様の笑顔。
周りに控える召使い達は微笑ましそうにこちらを見ている。
…逆らうと面倒臭いのでされるがままにしてあげましたわ。…離れたくなかったとかじゃあないですわよ?
私はそこに居ない誰かに言い訳めいたことを言いながらお兄様の腕の中で大人しくじっとしていた。
「ん?どうしたのシャル?」
私はプルプルしながら兄を呼ぶ。
「…おろしてくださいまし」
やっとの思いでそう告げたが当の兄は必殺王子様スマイルを浮かべ
「ダメだよシャル。さぁ次は何食べたい?」
バッサリと切り捨てた。
はい。私は現在お兄様の膝に座らせられています。
あぁぁ…!きつい…中身は恋愛経験0のいい大人な私にはきつい…!
急に抱っこされたと思ったらあれよあれよと腕の中。
目の前にはたくさんのお菓子。それはいいのだが私は何故か抱っこされたままあーんをされている。
「ほらシャル?あーん」
私は恥ずかしさでプルプルするが美味しそうなお菓子と兄の無言の圧を放つ笑顔に押され差し出されたお菓子をパクッと食べる。
「美味しい?シャル」
キラキラスマイルで問いかけられ誰がまずいと言えるのか。
いやまあおかしは美味しいのでもぐもぐしながら素直に頷くとまたすぐに別の菓子を差し出してくる。
…本当にどうなってるのかしら…過去編のストーリーによればこの時には既にシャーロットのことを憎んでいたはずのカイル。
それなのに私の目の前にいるカイルは憎しみなんて微塵もない甘い笑顔を浮かべている。
…ここは乙女ゲーの世界ではなかったの?でも設定は同じだし…
次から次へと差し出される菓子を大人しく食べながら考える。
「シャル~?お兄ちゃんの方を向いてくれないの?」
ギュッと抱きしめられ反射的に振り返ると目にハートを浮かべてそうなほど甘いお兄様の笑顔。
周りに控える召使い達は微笑ましそうにこちらを見ている。
…逆らうと面倒臭いのでされるがままにしてあげましたわ。…離れたくなかったとかじゃあないですわよ?
私はそこに居ない誰かに言い訳めいたことを言いながらお兄様の腕の中で大人しくじっとしていた。
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