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41 星屑の思い出
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「リシェラ、遅い時間だが少し時間をくれないか」
このような夜更けにセレイブ様が改まって頼むなんて、大切なお話だと直感します。
私は気を引き締めて頷きました。
「もちろんです。どのようなお話ですか?」
「今から俺とデートしよう」
「はい、それは重大な……えっ、デート!?」
思わずひるんでしまうくらい、私にとって難易度の高い任務が与えられました。
デート……!
ですが妻としてはじめての、というか私にとってはじめてのデートです。
「で、では私はすぐに支度を……! でもなにを? どうすれば? デートに必要なものは、」
「君だよ」
セレイブ様は私を慣れた様子で横抱きにしました。
そして私が肩にかけていたショールを顔にかぶせます。
「俺がいいと言うまで、取ってはいけないよ」
「は、はい」
私はショールで目隠しをされているので、行き先は秘密のようです。
セレイブ様は機敏に歩きはじめましたが、視界が奪われた私を怖がらせないためか丁寧に運んでくれます。
でもいったいどこへ?
そう思うと反射的に、胸の鼓動が鳴りはじめました。
お、落ち着かなくては。
セレイブ様に突然誘われたからといって、私はなにを期待しているのでしょうか。
夜食は控えているのです。
それなのにクッキー、マフィン、シュークリーム……候補が次々と浮かんできます。
「リシェラ、おまたせ。目隠しを取ってくれ」
助かりました……!
私はおいしい妄想を断ち切るように、顔からショールを避けます。
そして目の前の光景に思わず息をのみました。
私たちは満天の星空に包まれていたのです。
「ここは……」
「俺たちの邸宅の屋上だ」
「……私、はじめて来ました」
空がとても近いです。
星の輝きに触れられる気がして、私は思わず手を伸ばします。
するとセレイブ様はその腕に私を座らせて、もっと高く抱き上げてくれました。
「今夜は星が特にきれいだから。リシェラにも見せたかった」
「ありがとうございます。本当に星に手が届きそうでした」
「届くよ」
私が下ろした手に、セレイブ様はガラスの小瓶を乗せました。
「……?」
星明かりだけでは、瓶の中身がわかりません。
私はあたりを見回すと、今いる場所から離れた位置に野良生えした夜光花の群れを見つけました。
そしてセレイブ様の腕から降りて駆け寄り、闇を照らす花に小瓶をかざします。
その中には、色とりどりの小さな石のようなものが詰められていました。
「星屑みたいな宝石がたくさん……すごくきれいです。セレイブ様、ありがとうございます。さっそく部屋に飾ります!」
「食べないのか?」
「えっ、もしかしてこれは……!」
「昔、兄からもらったことのある甘味なんだ。こんぺいとう、というらしい。シャーロット王女が好きだったのだろうな」
セレイブ様は私が持っている小瓶の蓋を開けると、その中から一粒だけ取り出しました。
その星屑は私の髪の色と同じくるみ色……これは感謝の意味を込めた贈り物の色です。
「リシェラ、今日はありがとう。君が俺の妻の立場を守ろうとしてくれた気持ちが、本当に嬉しかった」
つまりこれは、住み込みのお仕事をがんばった私への臨時ボーナスということでしょうか。
なんてすばらしいごほうび……。
「君も今日は疲れていると思う。でも眠る前に少しだけ、俺のためにリシェラの幸せな顔を見せてくれないか」
大切な旦那様にそこまで言ってもらえたのですから、断る理由はありません。
私はためらうことなく口を開いて、舌の上に星屑を迎えました。
こ、これは……!
「こんなに小さいのに、とても甘いです!」
私はセレイブ様に協力してもらいながら、一粒ひとつぶ大切にいただきます。
こんなにきれいな星屑をいただけて、しかも食べられるなんて、本当に素敵なごほうびです。
「セレイブ様の妻として、お役に立ててよかったです」
「ああ、もうマイア王女がロアフ領を訪れることは永遠にないから安心して欲しい。彼女のロアフ領立入禁止の通告許可をもらうため父に事情を話したが、温厚な彼は意外なほど怒っていた。ソディエ王国への抗議文は、すでに早馬で送ってある」
私は裏庭で野菜を育てる者として、マイア王女の薬草園は少し気になりますが、セレイブ様を困らせる方とお付き合いするつもりはありません。
もちろんマリスヒル伯爵がロアフ領へ来ても、しっかりお断りしようと思っています。
でも彼がやって来た話に関しては、動物たちからまったく聞きません。
「セレイブ様、マリスヒル伯爵がやってきて、ご迷惑をおかけしたりはしていませんか?」
「それは無理だろう。マリスヒル元伯爵は聖騎士団に調査を依頼した結果、すでに国際法で罪が裁かれて爵位や財産を失った。今は監獄のような離島鉱山で労役に服し、妻と娘は罪人ばかりの修道院へ収容されている」
すでにそのような事態になっていたとは知りませんでした。
でもセレイブ様はおそらく、彼らのことをわざわざ私に知らせる必要がないと判断してくれたのだと思います。
私とマリスヒル元伯爵一家は絶縁して、もう他人ですから。
「ただマリスヒル元伯爵はまだ余罪がありそうだ。そのため聖騎士団の調査は引き続き行っている。とはいえ彼らはもう俺たちと生きる世界が違う。リシェラとの時間を余計な者にわずらわされることがなくなったのは喜ばしいことだが……思ったように君と過ごす時間は取れないものだな」
セレイブ様はその気持ちを慰めるように、私に甘いこんぺいとうを食べさせてくれます。
もちろん歯磨きを忘れずにしてから寝ます。
「本当ならリシェラともっと一緒にいたいし、君の望むところへ連れて行きたい」
「連れて行ってもらっています。ピクニックは食べきれないかと思うほど、おいしいものがたくさんでした」
もちろん全部食べました。
「それに今夜のデートはきれいで甘くて素敵です。私、きっと忘れません」
だってこんなにおいしい記憶、どうすれば忘れられるのでしょうか。
セレイブ様はやさしい表情で目を細めて、そっと私を抱き寄せてくれました。
「君はこんなささやかなことでも、そんな笑顔を見せてくれるのか」
「だってはじめてのデートですから。特別です」
セレイブ様は私の瓶を持っていない方の手に、たがいの指を絡めました。
そして私の指にくちびるを落とします。
「本当にかわいいな、リシェ」
その響きが合図になり、こんぺいとうが私の口の中にやってきます。
でも胸の高鳴りを抑える必要はありません。
今夜は夜食解禁と決めました。
心ゆくまでこの星屑を堪能していいのです!
私は幸せな甘さに浸りながら、星空を見上げます。
セレイブ様は聖話教会で広く伝わる星座の由来について教えてくれました。
「そういえばセレイブ様、以前は聖騎士だったのですよね?」
「ああ。十年くらい前に入団して、兄が行方不明になるまで聖騎士だった。俺が魔獣のジンジャーを拾って育てていると聞きつけて、聖話教会の教会長が直々にやってきたんだ。ジンジャーを世界初の使役魔獣にしないかと聖騎士団に誘われて、ためしに行ってみた」
「ためしに……」
セレイブ様の言い方はとても気軽ですけれど、教会長が直々ということは真剣にスカウトされたのだと思います。
「その教会長が先ほど、俺に珍しく手紙を送ってきた」
それは重大な内容だという予感がします。
「俺は何枚もある手紙を取り出し、みっちりと書き込まれた細かい字を真剣に読んだ。ただの孫自慢だった。そして今後は本題の追伸だけ目を通すと心に決めた……」
セレイブ様はその気持ちを慰めるように、私にこんぺいとうを食べさせてくれます。
今度は二粒が一緒……!
独占を意味する組み合わせ、なんて贅沢なのでしょうか。
「教会長の追伸には、生きているうちにリシェラの奇跡の力を目にしたいと書かれていた」
「それは……一文で足ります」
「ああ、その通りだ」
どうやら私の動物と話せる力は、遠い地にある聖話教会にまで知られているようです。
隠していなかったので、当然といえば当然だと思います。
それに聖話教会にとって、動物と話せる聖女様は特別な存在のようです。
その孫好きのお爺様……いえ、教会長は私に興味を持たれたのかもしれません。
「彼は俺が聖騎士団に入団するころからの付き合いだ。リシェラを悪いようにする人ではないこともわかっている。だから会うのは構わないが、もちろん俺も同伴する。会わないなら断ればいい」
「でもそれですと、セレイブ様のご迷惑に……」
「ならない。むしろ教会長の方が俺を敵に回したくないだろう。俺も寄付はそこそこ弾んでるし、俺がリシェラを守っているなら安心だとも書いてあった。だから俺としてはリシェラの意思を尊重したい」
それでしたら、迷うことはありません。
私の答えはひとつです。
このような夜更けにセレイブ様が改まって頼むなんて、大切なお話だと直感します。
私は気を引き締めて頷きました。
「もちろんです。どのようなお話ですか?」
「今から俺とデートしよう」
「はい、それは重大な……えっ、デート!?」
思わずひるんでしまうくらい、私にとって難易度の高い任務が与えられました。
デート……!
ですが妻としてはじめての、というか私にとってはじめてのデートです。
「で、では私はすぐに支度を……! でもなにを? どうすれば? デートに必要なものは、」
「君だよ」
セレイブ様は私を慣れた様子で横抱きにしました。
そして私が肩にかけていたショールを顔にかぶせます。
「俺がいいと言うまで、取ってはいけないよ」
「は、はい」
私はショールで目隠しをされているので、行き先は秘密のようです。
セレイブ様は機敏に歩きはじめましたが、視界が奪われた私を怖がらせないためか丁寧に運んでくれます。
でもいったいどこへ?
そう思うと反射的に、胸の鼓動が鳴りはじめました。
お、落ち着かなくては。
セレイブ様に突然誘われたからといって、私はなにを期待しているのでしょうか。
夜食は控えているのです。
それなのにクッキー、マフィン、シュークリーム……候補が次々と浮かんできます。
「リシェラ、おまたせ。目隠しを取ってくれ」
助かりました……!
私はおいしい妄想を断ち切るように、顔からショールを避けます。
そして目の前の光景に思わず息をのみました。
私たちは満天の星空に包まれていたのです。
「ここは……」
「俺たちの邸宅の屋上だ」
「……私、はじめて来ました」
空がとても近いです。
星の輝きに触れられる気がして、私は思わず手を伸ばします。
するとセレイブ様はその腕に私を座らせて、もっと高く抱き上げてくれました。
「今夜は星が特にきれいだから。リシェラにも見せたかった」
「ありがとうございます。本当に星に手が届きそうでした」
「届くよ」
私が下ろした手に、セレイブ様はガラスの小瓶を乗せました。
「……?」
星明かりだけでは、瓶の中身がわかりません。
私はあたりを見回すと、今いる場所から離れた位置に野良生えした夜光花の群れを見つけました。
そしてセレイブ様の腕から降りて駆け寄り、闇を照らす花に小瓶をかざします。
その中には、色とりどりの小さな石のようなものが詰められていました。
「星屑みたいな宝石がたくさん……すごくきれいです。セレイブ様、ありがとうございます。さっそく部屋に飾ります!」
「食べないのか?」
「えっ、もしかしてこれは……!」
「昔、兄からもらったことのある甘味なんだ。こんぺいとう、というらしい。シャーロット王女が好きだったのだろうな」
セレイブ様は私が持っている小瓶の蓋を開けると、その中から一粒だけ取り出しました。
その星屑は私の髪の色と同じくるみ色……これは感謝の意味を込めた贈り物の色です。
「リシェラ、今日はありがとう。君が俺の妻の立場を守ろうとしてくれた気持ちが、本当に嬉しかった」
つまりこれは、住み込みのお仕事をがんばった私への臨時ボーナスということでしょうか。
なんてすばらしいごほうび……。
「君も今日は疲れていると思う。でも眠る前に少しだけ、俺のためにリシェラの幸せな顔を見せてくれないか」
大切な旦那様にそこまで言ってもらえたのですから、断る理由はありません。
私はためらうことなく口を開いて、舌の上に星屑を迎えました。
こ、これは……!
「こんなに小さいのに、とても甘いです!」
私はセレイブ様に協力してもらいながら、一粒ひとつぶ大切にいただきます。
こんなにきれいな星屑をいただけて、しかも食べられるなんて、本当に素敵なごほうびです。
「セレイブ様の妻として、お役に立ててよかったです」
「ああ、もうマイア王女がロアフ領を訪れることは永遠にないから安心して欲しい。彼女のロアフ領立入禁止の通告許可をもらうため父に事情を話したが、温厚な彼は意外なほど怒っていた。ソディエ王国への抗議文は、すでに早馬で送ってある」
私は裏庭で野菜を育てる者として、マイア王女の薬草園は少し気になりますが、セレイブ様を困らせる方とお付き合いするつもりはありません。
もちろんマリスヒル伯爵がロアフ領へ来ても、しっかりお断りしようと思っています。
でも彼がやって来た話に関しては、動物たちからまったく聞きません。
「セレイブ様、マリスヒル伯爵がやってきて、ご迷惑をおかけしたりはしていませんか?」
「それは無理だろう。マリスヒル元伯爵は聖騎士団に調査を依頼した結果、すでに国際法で罪が裁かれて爵位や財産を失った。今は監獄のような離島鉱山で労役に服し、妻と娘は罪人ばかりの修道院へ収容されている」
すでにそのような事態になっていたとは知りませんでした。
でもセレイブ様はおそらく、彼らのことをわざわざ私に知らせる必要がないと判断してくれたのだと思います。
私とマリスヒル元伯爵一家は絶縁して、もう他人ですから。
「ただマリスヒル元伯爵はまだ余罪がありそうだ。そのため聖騎士団の調査は引き続き行っている。とはいえ彼らはもう俺たちと生きる世界が違う。リシェラとの時間を余計な者にわずらわされることがなくなったのは喜ばしいことだが……思ったように君と過ごす時間は取れないものだな」
セレイブ様はその気持ちを慰めるように、私に甘いこんぺいとうを食べさせてくれます。
もちろん歯磨きを忘れずにしてから寝ます。
「本当ならリシェラともっと一緒にいたいし、君の望むところへ連れて行きたい」
「連れて行ってもらっています。ピクニックは食べきれないかと思うほど、おいしいものがたくさんでした」
もちろん全部食べました。
「それに今夜のデートはきれいで甘くて素敵です。私、きっと忘れません」
だってこんなにおいしい記憶、どうすれば忘れられるのでしょうか。
セレイブ様はやさしい表情で目を細めて、そっと私を抱き寄せてくれました。
「君はこんなささやかなことでも、そんな笑顔を見せてくれるのか」
「だってはじめてのデートですから。特別です」
セレイブ様は私の瓶を持っていない方の手に、たがいの指を絡めました。
そして私の指にくちびるを落とします。
「本当にかわいいな、リシェ」
その響きが合図になり、こんぺいとうが私の口の中にやってきます。
でも胸の高鳴りを抑える必要はありません。
今夜は夜食解禁と決めました。
心ゆくまでこの星屑を堪能していいのです!
私は幸せな甘さに浸りながら、星空を見上げます。
セレイブ様は聖話教会で広く伝わる星座の由来について教えてくれました。
「そういえばセレイブ様、以前は聖騎士だったのですよね?」
「ああ。十年くらい前に入団して、兄が行方不明になるまで聖騎士だった。俺が魔獣のジンジャーを拾って育てていると聞きつけて、聖話教会の教会長が直々にやってきたんだ。ジンジャーを世界初の使役魔獣にしないかと聖騎士団に誘われて、ためしに行ってみた」
「ためしに……」
セレイブ様の言い方はとても気軽ですけれど、教会長が直々ということは真剣にスカウトされたのだと思います。
「その教会長が先ほど、俺に珍しく手紙を送ってきた」
それは重大な内容だという予感がします。
「俺は何枚もある手紙を取り出し、みっちりと書き込まれた細かい字を真剣に読んだ。ただの孫自慢だった。そして今後は本題の追伸だけ目を通すと心に決めた……」
セレイブ様はその気持ちを慰めるように、私にこんぺいとうを食べさせてくれます。
今度は二粒が一緒……!
独占を意味する組み合わせ、なんて贅沢なのでしょうか。
「教会長の追伸には、生きているうちにリシェラの奇跡の力を目にしたいと書かれていた」
「それは……一文で足ります」
「ああ、その通りだ」
どうやら私の動物と話せる力は、遠い地にある聖話教会にまで知られているようです。
隠していなかったので、当然といえば当然だと思います。
それに聖話教会にとって、動物と話せる聖女様は特別な存在のようです。
その孫好きのお爺様……いえ、教会長は私に興味を持たれたのかもしれません。
「彼は俺が聖騎士団に入団するころからの付き合いだ。リシェラを悪いようにする人ではないこともわかっている。だから会うのは構わないが、もちろん俺も同伴する。会わないなら断ればいい」
「でもそれですと、セレイブ様のご迷惑に……」
「ならない。むしろ教会長の方が俺を敵に回したくないだろう。俺も寄付はそこそこ弾んでるし、俺がリシェラを守っているなら安心だとも書いてあった。だから俺としてはリシェラの意思を尊重したい」
それでしたら、迷うことはありません。
私の答えはひとつです。
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