31 / 66
31 私の過去
しおりを挟む
ライハント王子は必死な様子で革張りのトランクをテーブルに載せ、俺の前で開いてみせる。
その輝く黄金色の山を見せつけて、得意げな顔をした。
「セレイブ、おまえはリシェラが獣と話せると知って結婚した。つまり彼女の力を利用して莫大な富を生み出そうとしているということは、俺の類まれな推理力で判明しているんだ。どうせ金稼ぎがしたいのだろう?」
ライハント王子は俺の話を聞いていなかったらしい。
だがリシェラの愛らしさすら理解できないのだから、つまりなにも理解できないのと同義だろう。
「だいたいセレイブはモテるから、リシェラではなくても他にいい女が選び放題だろう? それにリシェラと俺は親しい幼なじみだから、彼女がマリスヒル伯爵家にいたころも会っていた。互いに気心も知れている」
「……親しい幼なじみだから、マリスヒル伯爵家にいたリシェラと会っていた?」
「ああそうだ。リシェラは伯爵一家から邪険にされ使用人以下の扱いを受けていたから、やさしい俺と会えるときは喜んでいたに決まっている。どうだセレイブ、欲しい物があるのなら用意してやるから、リシェラを俺に引き渡し――」
目の前で広げられた金貨の山に、俺は拳を叩き込む。
室内に強烈な衝突音が響き渡った。
「ひっ!?」
「おまえがやさしい? ふざけるな」
殴りつけた衝撃で、用意された金貨は歪んで飛び散る。
降り注ぐ金の雨を受けたライハント王子は、悲鳴を上げながら腰を抜かした。
俺は彼を見下ろしたまま、手の感覚が麻痺するほど拳を握りしめる。
「リシェラのマリスヒル伯爵家での扱いを知って、なぜ見ないふりができた?」
俺の声は自分でも恐ろしいくらい殺気をはらんでいる。
俺と会ったとき、リシェラはボロボロの服と壊れた靴、それ以外なにも持たずに逃げていた。
「いいか害虫。金輪際リシェラに私的な理由で関わるな」
「な……なな」
青ざめたライハント王子は、ろれつが回らないほど震えている。
その下腹部が恐怖で濡れていくと、ますます冷ややかな感情がわきあがった。
リシェラがマリスヒル伯爵家で過ごした冷遇は、この程度の痛みではない。
「覚えておけ。例外として公的な用件がある場合のみ、連絡を許可する。その場合は必ず俺を通せ」
「だ、だだだれにむかって命令ひて……おれはお、王子、」
「おまえは害虫だと言っている。麗しい花のような妻に寄る害虫を駆除するのは、夫としての責務だ」
血がにじむほど握りしめていた手を開くと、ひしゃげた金貨が鈍い音を立てて床に落ちた。
ライハント王子は蒼白な顔色で戦慄していたが、構わず忠告する。
「見ればわかるが、この金貨は鉛で作られた偽物だ。そんな初歩的な詐欺に引っかかるような身分で、リシェラの幼なじみを名乗るな」
俺は散らばった偽造金貨を踏みつけ、ライハント王子が漏らしたものを避けて横切る。
応接間を出ようとすると扉が開き、現れた老執事のハロルドが意味深な笑顔を向けてきた。
「セレイブ様、リシェラ奥様に男性の幼なじみがいたことを気にしているのですね」
「いや、ぜんぜんまったくなにも気にしていないが」
ハロルドは手際よくライハント王子用の着替えを持っていた。
ただ布おむつまで用意しているのは、どう考えてもやさしさではないだろう。
◇
私が住み込みのお仕事を得てから――セレイブ様の一年契約の妻になって、ミュナの通訳係をはじめて――半月ほどが過ぎました。
来たばかりのころにあった日陰の残雪も溶けて、ロアフ辺境伯領には春が訪れています。
セレイブ様はお仕事で忙しくしていますが、今日は久々のお休みです。
お義父様から頼まれていた書類をまとめるのはすぐ終わると言っていましたが、意外とてこずっているのでしょうか。
または突然の来客があって、お相手をしているのかもしれません。
そう思っても、私は新居のそばにある白い鳥かごのような屋外休憩所の周囲を回りながら、ソワソワしていました。
お昼も残さず食べたので、お腹が空いているわけではありません。
ここは新居の裏口から近いのです。
だからようやく休日を迎えたセレイブ様が私の秘密の計画を調べに来るとすれば、きっとここを通るはずです。
それでつい、待ち伏せしてしまいました。
私はセレイブ様に秘密の計画を明かして、早くいろいろなことをお話ししたいのです。
私とミュナは使用人たちやジンジャー、それに敷地内で会った動物たちにも協力してもらいながら、予定していた作業をかなり進めていますから。
きっと驚いてくれます!
新居の裏口の扉が開いて、予想通りセレイブ様が現れました。
相変わらずの長身で、銀髪碧眼のお姿は遠目から見ても素敵です。
ただどことなく、元気がないように感じました。
「リシェラ、そこにいたのか。夕食のリクエストはしたのか?」
「今日は料理長のオススメにしました」
話すといつも通りのようですし、元気がないと感じたのは気のせいかもしれません。
セレイブ様は引き寄せられるように私のそばへ来ると、まじまじと見つめてきます。
「リシェラ、その姿は……」
「あっ、そうです。セレイブ様は私のこの姿をはじめて見たのですね!」
風通しの良い麦わら帽子に珊瑚色のつなぎを着た私は、つい嬉しくてくるりと回ってほほえみました。
「セレイブ様にお願いした、外遊びをして汚れてもいいように動きやすいお洋服を用意しました! ミュナとおそろいです!」
「そうか……君は本当に綺麗だな。なにを着てもよく似合う」
セレイブ様は麦わら帽子のつばを少し上げると、じっと私のことを見つめてきます。
「君は昔からこんなにかわいく笑うのか?」
「? はい、多分そうですけど……」
「どんなことをして、どんながことが好きだった?」
「えと、お散歩をして、野生の動物たちを見つけるのが好きでした」
「幼いころよく一緒に遊んだ者はいるのか?」
「それはもちろん、お母様の侍女だったヘレンです!」
私はお母様を亡くしたあとも、父や後妻のハリエット夫人との交流を望めませんでした。
でも良き理解者であるヘレンがいてくれたおかげで、穏やかな日々を送ることができました。
ただ……。
「本当は異母弟のフレディとも遊びたかったんです。フレディは私を見かけると、にこっと笑って追いかけてくるかわいい弟でした。でもハリエット夫人が私とフレディの接触を避けていたので、私はフレディに手を振って逃げるばかりで……」
私はハッとして口元に手を当てました。
「すみません。私のことばかりペラペラと喋ってしまって」
「いや。俺の知らないリシェラのことを知りたかったから、聞かせて欲しい。君の心は昔から変わらず、そのやさしさを宿していたようだ。なにより過去の思い出に自称幼なじみがまったく登場しないことは清々しい」
「自称幼なじみ?」
「いやこっちの話だ。そんなヤツのことは永遠に記憶から葬り去ると良い」
「は、はい」
それは誰のことかわかりませんが、セレイブ様にそう勧められたので、私の自称幼なじみを永遠に記憶から葬り去ろうと思います。
「リシェラ、俺は君のことが知りたい」
セレイブ様は片腕で私をそっと抱き寄せてきます。
「どんなことでもいい。俺には知ることのできない君の過去を教えてくれ」
「私の過去ですか? そうですね……秋には栗を取ってよく食べました」
「他には?」
「イチジクも甘くて好きでした」
「他には?」
「ひまわりの種を食べすぎて、お腹がぽっこり出たこともあります」
「他には?」
「ぶどうを干してレーズンを作るのに一時期ハマりました」
「他には?」
セレイブ様……いつもと様子が違います。
妻ですから、こんなにそばで食べ物の話をしていれば旦那様のことはわかります。
大切な旦那様に元気になって欲しいのですが、なにかいい方法は……あっ!
「そうですセレイブ様、こっちに来てください!」
もしかすると秘密の計画を明かすのは、今が最良のタイミングではないでしょうか?
その輝く黄金色の山を見せつけて、得意げな顔をした。
「セレイブ、おまえはリシェラが獣と話せると知って結婚した。つまり彼女の力を利用して莫大な富を生み出そうとしているということは、俺の類まれな推理力で判明しているんだ。どうせ金稼ぎがしたいのだろう?」
ライハント王子は俺の話を聞いていなかったらしい。
だがリシェラの愛らしさすら理解できないのだから、つまりなにも理解できないのと同義だろう。
「だいたいセレイブはモテるから、リシェラではなくても他にいい女が選び放題だろう? それにリシェラと俺は親しい幼なじみだから、彼女がマリスヒル伯爵家にいたころも会っていた。互いに気心も知れている」
「……親しい幼なじみだから、マリスヒル伯爵家にいたリシェラと会っていた?」
「ああそうだ。リシェラは伯爵一家から邪険にされ使用人以下の扱いを受けていたから、やさしい俺と会えるときは喜んでいたに決まっている。どうだセレイブ、欲しい物があるのなら用意してやるから、リシェラを俺に引き渡し――」
目の前で広げられた金貨の山に、俺は拳を叩き込む。
室内に強烈な衝突音が響き渡った。
「ひっ!?」
「おまえがやさしい? ふざけるな」
殴りつけた衝撃で、用意された金貨は歪んで飛び散る。
降り注ぐ金の雨を受けたライハント王子は、悲鳴を上げながら腰を抜かした。
俺は彼を見下ろしたまま、手の感覚が麻痺するほど拳を握りしめる。
「リシェラのマリスヒル伯爵家での扱いを知って、なぜ見ないふりができた?」
俺の声は自分でも恐ろしいくらい殺気をはらんでいる。
俺と会ったとき、リシェラはボロボロの服と壊れた靴、それ以外なにも持たずに逃げていた。
「いいか害虫。金輪際リシェラに私的な理由で関わるな」
「な……なな」
青ざめたライハント王子は、ろれつが回らないほど震えている。
その下腹部が恐怖で濡れていくと、ますます冷ややかな感情がわきあがった。
リシェラがマリスヒル伯爵家で過ごした冷遇は、この程度の痛みではない。
「覚えておけ。例外として公的な用件がある場合のみ、連絡を許可する。その場合は必ず俺を通せ」
「だ、だだだれにむかって命令ひて……おれはお、王子、」
「おまえは害虫だと言っている。麗しい花のような妻に寄る害虫を駆除するのは、夫としての責務だ」
血がにじむほど握りしめていた手を開くと、ひしゃげた金貨が鈍い音を立てて床に落ちた。
ライハント王子は蒼白な顔色で戦慄していたが、構わず忠告する。
「見ればわかるが、この金貨は鉛で作られた偽物だ。そんな初歩的な詐欺に引っかかるような身分で、リシェラの幼なじみを名乗るな」
俺は散らばった偽造金貨を踏みつけ、ライハント王子が漏らしたものを避けて横切る。
応接間を出ようとすると扉が開き、現れた老執事のハロルドが意味深な笑顔を向けてきた。
「セレイブ様、リシェラ奥様に男性の幼なじみがいたことを気にしているのですね」
「いや、ぜんぜんまったくなにも気にしていないが」
ハロルドは手際よくライハント王子用の着替えを持っていた。
ただ布おむつまで用意しているのは、どう考えてもやさしさではないだろう。
◇
私が住み込みのお仕事を得てから――セレイブ様の一年契約の妻になって、ミュナの通訳係をはじめて――半月ほどが過ぎました。
来たばかりのころにあった日陰の残雪も溶けて、ロアフ辺境伯領には春が訪れています。
セレイブ様はお仕事で忙しくしていますが、今日は久々のお休みです。
お義父様から頼まれていた書類をまとめるのはすぐ終わると言っていましたが、意外とてこずっているのでしょうか。
または突然の来客があって、お相手をしているのかもしれません。
そう思っても、私は新居のそばにある白い鳥かごのような屋外休憩所の周囲を回りながら、ソワソワしていました。
お昼も残さず食べたので、お腹が空いているわけではありません。
ここは新居の裏口から近いのです。
だからようやく休日を迎えたセレイブ様が私の秘密の計画を調べに来るとすれば、きっとここを通るはずです。
それでつい、待ち伏せしてしまいました。
私はセレイブ様に秘密の計画を明かして、早くいろいろなことをお話ししたいのです。
私とミュナは使用人たちやジンジャー、それに敷地内で会った動物たちにも協力してもらいながら、予定していた作業をかなり進めていますから。
きっと驚いてくれます!
新居の裏口の扉が開いて、予想通りセレイブ様が現れました。
相変わらずの長身で、銀髪碧眼のお姿は遠目から見ても素敵です。
ただどことなく、元気がないように感じました。
「リシェラ、そこにいたのか。夕食のリクエストはしたのか?」
「今日は料理長のオススメにしました」
話すといつも通りのようですし、元気がないと感じたのは気のせいかもしれません。
セレイブ様は引き寄せられるように私のそばへ来ると、まじまじと見つめてきます。
「リシェラ、その姿は……」
「あっ、そうです。セレイブ様は私のこの姿をはじめて見たのですね!」
風通しの良い麦わら帽子に珊瑚色のつなぎを着た私は、つい嬉しくてくるりと回ってほほえみました。
「セレイブ様にお願いした、外遊びをして汚れてもいいように動きやすいお洋服を用意しました! ミュナとおそろいです!」
「そうか……君は本当に綺麗だな。なにを着てもよく似合う」
セレイブ様は麦わら帽子のつばを少し上げると、じっと私のことを見つめてきます。
「君は昔からこんなにかわいく笑うのか?」
「? はい、多分そうですけど……」
「どんなことをして、どんながことが好きだった?」
「えと、お散歩をして、野生の動物たちを見つけるのが好きでした」
「幼いころよく一緒に遊んだ者はいるのか?」
「それはもちろん、お母様の侍女だったヘレンです!」
私はお母様を亡くしたあとも、父や後妻のハリエット夫人との交流を望めませんでした。
でも良き理解者であるヘレンがいてくれたおかげで、穏やかな日々を送ることができました。
ただ……。
「本当は異母弟のフレディとも遊びたかったんです。フレディは私を見かけると、にこっと笑って追いかけてくるかわいい弟でした。でもハリエット夫人が私とフレディの接触を避けていたので、私はフレディに手を振って逃げるばかりで……」
私はハッとして口元に手を当てました。
「すみません。私のことばかりペラペラと喋ってしまって」
「いや。俺の知らないリシェラのことを知りたかったから、聞かせて欲しい。君の心は昔から変わらず、そのやさしさを宿していたようだ。なにより過去の思い出に自称幼なじみがまったく登場しないことは清々しい」
「自称幼なじみ?」
「いやこっちの話だ。そんなヤツのことは永遠に記憶から葬り去ると良い」
「は、はい」
それは誰のことかわかりませんが、セレイブ様にそう勧められたので、私の自称幼なじみを永遠に記憶から葬り去ろうと思います。
「リシェラ、俺は君のことが知りたい」
セレイブ様は片腕で私をそっと抱き寄せてきます。
「どんなことでもいい。俺には知ることのできない君の過去を教えてくれ」
「私の過去ですか? そうですね……秋には栗を取ってよく食べました」
「他には?」
「イチジクも甘くて好きでした」
「他には?」
「ひまわりの種を食べすぎて、お腹がぽっこり出たこともあります」
「他には?」
「ぶどうを干してレーズンを作るのに一時期ハマりました」
「他には?」
セレイブ様……いつもと様子が違います。
妻ですから、こんなにそばで食べ物の話をしていれば旦那様のことはわかります。
大切な旦那様に元気になって欲しいのですが、なにかいい方法は……あっ!
「そうですセレイブ様、こっちに来てください!」
もしかすると秘密の計画を明かすのは、今が最良のタイミングではないでしょうか?
141
お気に入りに追加
3,317
あなたにおすすめの小説
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
【コミカライズ決定】契約結婚初夜に「一度しか言わないからよく聞け」と言ってきた旦那様にその後溺愛されています
氷雨そら
恋愛
義母と義妹から虐げられていたアリアーナは、平民の資産家と結婚することになる。
それは、絵に描いたような契約結婚だった。
しかし、契約書に記された内容は……。
ヒロインが成り上がりヒーローに溺愛される、契約結婚から始まる物語。
小説家になろう日間総合表紙入りの短編からの長編化作品です。
短編読了済みの方もぜひお楽しみください!
もちろんハッピーエンドはお約束です♪
小説家になろうでも投稿中です。
完結しました!! 応援ありがとうございます✨️
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください
迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。
アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。
断るに断れない状況での婚姻の申し込み。
仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。
優しい人。
貞節と名高い人。
一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。
細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。
私も愛しております。
そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。
「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」
そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。
優しかったアナタは幻ですか?
どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。
【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?
氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。
しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。
夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。
小説家なろうにも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる