上 下
29 / 66

29 王子の焦燥

しおりを挟む
――リシェラ嬢、あなたは本当にセレイブの伴侶になるつもりなのですか?

 ロアフ辺境伯邸の踊り場ですれ違ったとき、ネスト公爵はそう私に確認したのです。

――ひとつ忠告しておきます。セレイブの妻になるということは、ロアフ一族の伴侶となる覚悟が必要ですよ。

 それがどういう意味なのか、あのときの私にはわかりませんでした。
 でも私はセレイブ様と一緒なら、たとえ契約結婚だとしても妻として隣に立つ覚悟があります。

――はい。セレイブ様はとても素敵な住み込……素敵な人ですから。どのようなことでも乗り越えてみせます。

 すると私の親ほど年の離れたネスト公爵は、いたずらっ子の少年のような笑みを浮かべたのです。

――では覚えておいてください。彼らの愛情は伴侶と決めた者へ一途に注がれます。あなたはこれから、幸せになる覚悟が必要です。







 ◆◆◆

 ソディエの王宮にある俺の私室の窓からみえる景色は、不吉なほど真っ暗だった。

「ライハント王子、あの件に関しての便りが届きました」

「遅い、もう夜更けだぞ!」

 リシェラの調書がいつになったら届くのかといらだっていた俺は、従者から手紙を奪い取った。
 報告書を持つ手が震える。
 そこには信じたくなかったことが書かれていた。

「リシェラが行方をくらました後、あのセレイブ・ロアフの妻になったという話は事実だったのか……?」

 だがマリスヒル伯爵家で冷遇されていたリシェラは社交に参加できず、縁談相手を探すための誕生パーティーも開かれず、縁談どころか後妻すら見つからないようなありさまだった。
 しかも隠しているが、獣と話せる不気味な力まである。
 そんなことを知られれば、リシェラと関わるだけで白い目で見られるというのに。

 なぜなら獣は邪悪で凶暴で利己的だから関わろうとする者は愚かだと、俺だけではなくソディエ国民はきちんと教育を受けているからだ。

 俺の場合はさらに、次期国王として獣を打ち倒す心を持てと指南もされている。
 そのため王族としての強さを象徴するための剣術も、一流の指導者に学んだ。
 だがみな教え方が下手クソだったため、上達はしなかったが。

 そのせいで俺をかわいがるソディエ国王夫妻以外、臣下や国民は俺の姉のマイア王女か王弟のネスト公爵が王位に就くべきだと思っている。
 ソディエ王国では基本的に現国王の直系、次に年齢順で王位継承権が与えられるが、俺が一番次期国王としてふさわしいのはわかりきっているのに。

 だから獣と話せるリシェラと婚約したいなんて、言い出すわけにいかなかった。

 俺はリシェラが養女になる前、ティラジア王国のブリザーイェット侯爵令嬢だったころからの知り合いでもある。
 だからはじめのころは理由をつけて、マリスヒル伯爵の養女となったリシェラに会いに行っていた。

 そのうち養父母がリシェラと義妹のエレナに差をつけて育てるばかりか、食事を抜いたり使用人の仕事をさせたり嫌がらせのようなことをしているのに気づいた。
 だがリシェラは俺に泣き言をいう気配すらない。
 自分が養女だというみじめな立場を納得していたのだろうが、彼女の笑顔を見るたびに、相談されても困るので助かったという安堵感があった。

 もちろん養家から冷遇されているリシェラに縁談など来るはずもない。
 王子である俺が望めば婚約なんて簡単に叶うだろう。

 でも彼女は王族と並べなくはないが少々爵位の低い出自、しかも養家に虐げられているリシェラとの婚約を自分から言うなんて、みっともないことはしたくない。
 そこで国王夫妻である両親に、リシェラを気に入ってもらうにはどうすればいいのかと考えていた。

 それなのに最後に会った日、リシェラは邪悪な獣と話せると言い出した。
 これでは国王夫妻に気に入られるどころか、下手をすれば処刑の対象になるはずだ。
 そんなリシェラとの婚約を望んでいると知られれば周囲からも嘲笑され、次期国王としての評価に傷がつく。

 俺はマリスヒル伯爵邸への訪問を止め、リシェラに関わるのを避けた。
 もちろんリシェラのあの不気味な力については、誰にも言っていない……はずだ。

 しかしあれは新月の夜だったか。
 心がほぐれるような甘い香りがしてから、俺は誰かに自分の本音を語った気がする。
 そしてなにか良いことを教えてもらったような気もするが、記憶がぼんやりとしていて思い出せない。

 目覚めるといつも通り寝室にいたし、夢だったのだろうか。

 でもそれからの俺は冴えていた。
 リシェラを手元に置いておきたいのなら、誰にも知られず監禁すればいいだけだと気づいたのだから。
 俺はリシェラに婚約したいこと、そして獣のイメージを良くするために協力してほしいと嘘を付き、彼女を人目につかない塔に監禁することを計画した。

 しかし次期国王としては、邪悪な獣と話せるリシェラをそばに置いていると知られるわけにはいかない。
 そこで口止め料として、マリスヒル伯爵からリシェラを買うという形で前金を渡した。
 さらにエレナと婚約する話を持ちかけると、ヤツの目の色は変わった。

 エレナはわがままで下品なため俺は嫌いだが、父も母も美人だと気に入っていた。
 それに両親が勧めるのはみな似たような見た目の高慢な女ばかりだから、どれを選んでも同じようなものだ。
 ただエレナなら、結婚しても恥ずかしくない相手だったのだろう。

 なにより俺はリシェラを手に入れるためなら、多少のことは我慢するつもりだった。
 
 リシェラを引き取るためにマリスヒル伯爵に金を渡す……そのような人身売買が国際的にも重罪なことくらい知っている。
 しかしマリスヒル伯爵は、自分の保身ばかり考える愚かなやつだ。
 強欲なあいつが前金を没収されるたり罪に問われるような危険を犯して、俺にリシェラを売ったと自白するはずがない。

 計画は完璧なはずだった。

 だがリシェラは俺を拒絶するように姿をくらませると、あのロアフ辺境伯令息、セレイブの妻になっていた。
 さらにセレイブは聖騎士団に大がかりな調査を依頼している。
 そのためマリスヒル伯爵家は元養女であるリシェラへの虐待をはじめ、数々の違法行為が明らかになりはじめていた。

 しかも同じ時期に、マリスヒル伯爵家がリシェラの教育費として受け取っていた巨額の教育費を不正に使い込んだことがバレて、契約主であるハリエット夫人が激怒している。

 ブリザーイェット前侯爵の後妻である彼女は夫の浮気の心労からか、跡取り息子を産んだあと体調を崩していた。
 だが最近になって急に回復したらしい。
 突然元気になったハリエット夫人は自ら聖騎士団に調査を依頼して、マリスヒル伯爵家が不正使用した十数年分の支援金の全額返還と契約違反金まで請求している。

 しかしあいつらにそんな金は残されていない。
 マリスヒル伯爵はリシェラを捕まえようとした直後、鳥の襲撃に遭って薄毛のほとんどを失っていた。
 わずかな毛を取り戻そうと考えたあいつは、俺が渡した前金をすべて使い果たし、違法な増毛薬を手に入れたらしい。
 しかし感情のままに大量散布した副作用で、毛根は永久死滅したという。

 そんなマリスヒル伯爵家の資金は、聖騎士によってすでに差し押さえがはじまっている。
 すると次はマリスヒル伯爵夫人と娘のエレナに変化が起きはじめた。

 細身だったマリスヒル伯爵夫人は今、歩くことすらままならないほどの肥満体型だ。
 娘のエレナは顔の造形が崩れて老婆のようになり、顔立ちも父親とそっくりの残念なものになっている。

 彼らは不正に使っていたリシェラの支援金で違法な禁薬を使用し、偽りの姿を作っていたのだろう。
 しかし違法薬を購入する資金を失い、薬が切れた反動の報いを受けている。

 悲惨な状況のあいつらだが今後、爵位剥奪と財産の差し押さえ、労役と、さらに厳しい罰が待っている。
 マリスヒル伯爵はもちろん、夫人とエレナもあの姿で借金返済の過酷な労役を受けるか、罪人の一族が入る厳格な修道院へ行くしかないだろう。

 まったく……あそこまで落ちぶれた一族の娘との婚約を両親に相談するところだったなんて、俺もかなり危険な目に遭った。
 間違えてエレナと婚約した後であれば、愚かな伯爵令嬢を婚約者にした見る目の無い男と嘲笑されていただろう。

 しかしまさかセレイブもハリエット夫人も、マリスヒル伯爵家の悪事を明らかにするために、聖騎士団を利用するほど本気だとは思わなかった。

 聖騎士団の調査は時間がかかるが、国際水準で信頼性が高い。
 主に国家レベル規模の機関が利用するのだが、それは調査にかかる費用が巨額のためでもある。

 ハリエット夫人の依頼した支援金不正使用の調査だけでも、莫大な金額のはずだ。
 セレイブの依頼はさらに、マリスヒル伯爵が逃れる隙のないほど念の入ったものだった。

 ヤツにはそれだけ注ぎ込める潤沢な財力があるということだ。
 気に食わないが、しかしいったいなぜ、金に糸目をつけずそこまでのことをしたのか……。

 俺はマリスヒル伯爵の財産が差し押さえられたことで、リシェラを買うために渡した前金を国庫から持ち出したことまで調べられるかもしれないというのに!
 ここまで上手くいかないと、リシェラは俺が捕まえようとしていることを知って拒んでいるような気がしてくる。
 ……いや、リシェラは未来を知っているわけでもないのだから、そんなことはありえない。

 しかし今ごろの俺はリシェラを騙して、貴重な魔石を手に入れているはずだった。
 そしてヴァイス商会に裏取引で売り飛ばして得た金を国庫に戻すつもりが、このままでは国庫の不正出金に誰かが気づくかも知れない。

 早くリシェラを捕まえて金を戻さなくては、次は俺が調査の対象になるかもしれないというのに!
 リシェラのヤツ、獣と話せる不気味な力を持っているくせに、どうして勝手に誰かの妻になっているんだ!
 俺はそばにいる従者を怒鳴りつけた。

「いいか! 明日は早朝から出立してロアフ辺境伯領へ向かう!」

 リシェラはあの力を持っていることを隠して、セレイブと結婚したはずだ。
 そうでなければ妻にしようと思うわけがない。

 もともとセレイブはどんな女の縁談も受けない、冷淡な男で有名だった。
 俺がリシェラの正体をバラせば、すぐ離縁するだろう。
 セレイブと会う前の俺は、このときはそう信じて疑いもしなかったが……。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

家出した伯爵令嬢【完結済】

弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。 番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています 6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております

【完結】皆様、答え合わせをいたしましょう

楽歩
恋愛
白磁のような肌にきらめく金髪、宝石のようなディープグリーンの瞳のシルヴィ・ウィレムス公爵令嬢。 きらびやかに彩られた学院の大広間で、別の女性をエスコートして現れたセドリック王太子殿下に婚約破棄を宣言された。 傍若無人なふるまい、大聖女だというのに仕事のほとんどを他の聖女に押し付け、王太子が心惹かれる男爵令嬢には嫌がらせをする。令嬢の有責で婚約破棄、国外追放、除籍…まさにその宣告が下されようとした瞬間。 「心当たりはありますが、本当にご理解いただけているか…答え合わせいたしません?」 令嬢との答え合わせに、青ざめ愕然としていく王太子、男爵令嬢、側近達など… 周りに搾取され続け、大事にされなかった令嬢の答え合わせにより、皆の終わりが始まる。

【完結】愛とは呼ばせない

野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。 二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。 しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。 サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。 二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、 まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。 サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。 しかし、そうはならなかった。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

あなたの事は記憶に御座いません

cyaru
恋愛
この婚約に意味ってあるんだろうか。 ロペ公爵家のグラシアナはいつも考えていた。 婚約者の王太子クリスティアンは幼馴染のオルタ侯爵家の令嬢イメルダを側に侍らせどちらが婚約者なのかよく判らない状況。 そんなある日、グラシアナはイメルダのちょっとした悪戯で負傷してしまう。 グラシアナは「このチャンス!貰った!」と・・・記憶喪失を装い逃げ切りを図る事にした。 のだが…王太子クリスティアンの様子がおかしい。 目覚め、記憶がないグラシアナに「こうなったのも全て私の責任だ。君の生涯、どんな時も私が隣で君を支え、いかなる声にも盾になると誓う」なんて言い出す。 そりゃ、元をただせば貴方がちゃんとしないからですけどね?? 記憶喪失を貫き、距離を取って逃げ切りを図ろうとするのだが何故かクリスティアンが今までに見せた事のない態度で纏わりついてくるのだった・・・。 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★ニャンの日present♡ 5月18日投稿開始、完結は5月22日22時22分 ★今回久しぶりの5日間という長丁場の為、ご理解お願いします(なんの?) ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。

待つわけないでしょ。新しい婚約者と幸せになります!

風見ゆうみ
恋愛
「1番愛しているのは君だ。だから、今から何が起こっても僕を信じて、僕が迎えに行くのを待っていてくれ」彼は、辺境伯の長女である私、リアラにそうお願いしたあと、パーティー会場に戻るなり「僕、タントス・ミゲルはここにいる、リアラ・フセラブルとの婚約を破棄し、公爵令嬢であるビアンカ・エッジホールとの婚約を宣言する」と叫んだ。 婚約破棄した上に公爵令嬢と婚約? 憤慨した私が婚約破棄を受けて、新しい婚約者を探していると、婚約者を奪った公爵令嬢の元婚約者であるルーザー・クレミナルが私の元へ訪ねてくる。 アグリタ国の第5王子である彼は整った顔立ちだけれど、戦好きで女性嫌い、直属の傭兵部隊を持ち、冷酷な人間だと貴族の中では有名な人物。そんな彼が私との婚約を持ちかけてくる。話してみると、そう悪い人でもなさそうだし、白い結婚を前提に婚約する事にしたのだけど、違うところから待ったがかかり…。 ※暴力表現が多いです。喧嘩が強い令嬢です。 ※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法も存在します。 格闘シーンがお好きでない方、浮気男に過剰に反応される方は読む事をお控え下さい。感想をいただけるのは大変嬉しいのですが、感想欄での感情的な批判、暴言などはご遠慮願います。

公爵令嬢ディアセーラの旦那様

cyaru
恋愛
パッと見は冴えないブロスカキ公爵家の令嬢ディアセーラ。 そんなディアセーラの事が本当は病むほどに好きな王太子のベネディクトだが、ディアセーラの気をひきたいがために執務を丸投げし「今月の恋人」と呼ばれる令嬢を月替わりで隣に侍らせる。 色事と怠慢の度が過ぎるベネディクトとディアセーラが言い争うのは日常茶飯事だった。 出来の悪い王太子に王宮で働く者達も辟易していたある日、ベネディクトはディアセーラを突き飛ばし婚約破棄を告げてしまった。 「しかと承りました」と応えたディアセーラ。 婚約破棄を告げる場面で突き飛ばされたディアセーラを受け止める形で一緒に転がってしまったペルセス。偶然居合わせ、とばっちりで巻き込まれただけのリーフ子爵家のペルセスだが婚約破棄の上、下賜するとも取れる発言をこれ幸いとブロスカキ公爵からディアセーラとの婚姻を打診されてしまう。 中央ではなく自然豊かな地方で開拓から始めたい夢を持っていたディアセーラ。当初は困惑するがペルセスもそれまで「氷の令嬢」と呼ばれ次期王妃と言われていたディアセーラの知らなかった一面に段々と惹かれていく。 一方ベネディクトは本当に登城しなくなったディアセーラに会うため公爵家に行くが門前払いされ、手紙すら受け取って貰えなくなった。焦り始めたベネディクトはペルセスを罪人として投獄してしまうが…。 シリアスっぽく見える気がしますが、コメディに近いです。 痛い記述があるのでR指定しました。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。

公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます

柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。 社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。 ※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。 ※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意! ※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。

処理中です...