61 / 194
魔剣士と光の魔女 二章『竜の顎で殺意は踊る~ジン・ナイト暗殺計画』
二章 おまけ その1
しおりを挟むおまけ その1 ドラゴンの飛行について
本作のドラゴンは翼の力だけでは飛べず、魔術の力を借りています。
実際、ドラゴンは普通なら飛べない――そういった意見も見たりするのですが、そこは幻想世界、ファンタジーなわけで。
T&TというTRPGのルールブックには、確かフェアリーの項目に「実際、フェアリーのような生命は、普通なら飛べません。あれは、魔力によって飛んでいるのです」的な記載があった気がします(ルールブックを紛失してしまい確認がとれません。もし間違っていたら、ごめんなさい)。
ピーターパンのティンカーベル然り、五竜亭でもフェアリーの羽の魔力で粗悪なマジックアイテムを――という話があった気がします。
フェアリーは魔力ないし、魔法的なもので飛んでいるのは、きっと周知の事実。
なら、ドラゴンやキマイラ、マンティコアなどの魔獣、幻獣の類いも魔力や魔術で飛んでいるんじゃ――と思います。
閑話休題(話を戻して)――。
ジンが言っていた『重力の影響を弱くする魔術』というのは、ガーラが『ほとんど正解』と褒めていましたが――あくまでもほとんど、です。
正確には『時空の影響を軽減する結界』という魔術になります。
なんで時空の影響を軽減すると重力が減るのか――ということで。
そもそも重力とはなんぞや、ということになるわけですが……本によって誤差はありますが、大まかに例えるなら、
物質によって時空(空間)が歪み、その歪んだ時空の中で物質が互いに近づくような運動
と言い表すことができます。
※注 実際は移動速度やら時間やら、様々な要素が絡んでいます。そこまでやるのは正直、頭が追いつかないので、ここでは時空の歪みだけで話を進めます。ご了承下さい。
例えとしては、下の図をご覧下さい。
ゴム板に質量mの物体を置くと、物体を中心にゴム板が窪みます。その窪みが、先述した時空の歪みを表します。
その窪み(時空の歪み)の側に人が居た場合、ゴム板が伸びた(歪んだ)分、質量mに近づきます。もし球体なら、質量mまで転がっていくでしょう。
※注 ここも表現的にはわかりやすさ優先にしていますので、厳密には異なります。
話を戻しますが、ドラゴンたちは『時空の影響を軽減する結界』で、上記の時空の歪みから受ける力(重力など)を軽減しながら空を飛んでいます。
重力が軽減すれば、ドラゴンの質量でもなんとか飛ぶことはできる筈……。
以上が、本作中でドラゴンがどうやって飛んでいか――の説明です。
魔術を使って飛ばすにも、飛行の魔術とかだと羽ばたく必要がなくなりますし、質量を軽減させたら肉弾戦で不利になるし……土煙をあげながら羽ばいて、飛び上がるドラゴンという描写を残しつつ、なんとか飛ばそう――と考えました。
ドラゴンの能力を魔術で補うことに問題はあるのかと言われれば、Skyrimというゲームではシャウトという竜語魔法(みたいなやつ)も出てますし。いいかな、と。
設定的には、完全に自己満足ですね。
余談ですが、時空の影響を軽減するということは、光や(作中の世界にあれば)電磁波も軽減します。
レーダーが存在していれば、飛んでいるドラゴンは映りにくいかもしれませんね。
あと光も軽減するので、本来であればジンたちの視界も薄暗くなったり、飛んでるドラゴンもやや黒みのある色になっている筈ですが、そこはあえて無視しています。
理由は……行数の節約と、手間的な省略です(汗)
*
もう一つ。
ギーンがジンに空中から体当たりをするとき、徐々に魔術を解いていますが、あれはジンが言っていたように、空気抵抗で速度が落ちるのを防ぐためです。
重力を軽減している状況では弱い力でもかなりの影響を受けますし、低重力状態では重力加速度も減ってしまいます。
重力加速度の減少や空気抵抗による速度低下は、運動エネルギーという破壊力が落ちてしまいます。
ギーンは、それを嫌がったんですね。
魔術を一気に解除しなかったのは、それをすると高い場所から落下するからです。
ジンが降下してきたギーンに斬りかからなかったのは、運動エネルギーの差が大きすぎて、意味が無いと判断したからです。
例えばギーンが身体がジンの四倍だった場合、運動エネルギーの差はざっと4の三乗――64倍になります。
あれです。突っ込んでくる軽トラを金属バットで殴ったらどうなるか――ですね。
*
ついでに、炎息(ブレス)についての設定も――。
本作におけるドラゴンのブレスは、内蔵に蓄えたガスを吐き出し、口腔にある器官で発火している――感じです。
イメージとしては、下記のような感じです。
1・口内の前の方に電気ウナギのような発電器官があり、そこから放電すると火花が散る。
2・その火花に、内装から吐き出したガスが引火。
3・火花とガスの放出が続くあいだ、炎息が出続ける。
よくある、スプレーとライターを使った火炎放射と同じ理屈です。
体内のガスは、瞬間的な炎息なら数回、一気に吐き出す炎息で1回分。
消費し尽くしたら、フル充填まで十時間くらいかかります。
ギーンはジンと戦ったとき、一気に吐き出すタイプの炎息を吐いたので、あとの戦いは肉弾戦をするしかなかったんです。
他の幻獣(キマイラとか)は、まったく方法で炎息を吐いている――と思ってます。
その方法は、まだ未定……。映画のタイタンの逆襲にキマイラが出てきますが、ブレス吐かなかったんですよね……魔術ってことにしようか、悩んでます(ちなみに、出す予定は今のところないです……)。
飛行についても、ワイバーン以外はドラゴンとは違う方法ということで……それはまた、出てきたときにでも……。
次はゴブリンについて、を予定しています。
また宜しくお願いします!
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる