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魔剣士と光の魔女 二章『竜の顎で殺意は踊る~ジン・ナイト暗殺計画』

二章 おまけ その1

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 おまけ その1 ドラゴンの飛行について


 本作のドラゴンは翼の力だけでは飛べず、魔術の力を借りています。
 実際、ドラゴンは普通なら飛べない――そういった意見も見たりするのですが、そこは幻想世界、ファンタジーなわけで。

 T&TというTRPGのルールブックには、確かフェアリーの項目に「実際、フェアリーのような生命は、普通なら飛べません。あれは、魔力によって飛んでいるのです」的な記載があった気がします(ルールブックを紛失してしまい確認がとれません。もし間違っていたら、ごめんなさい)。
 ピーターパンのティンカーベル然り、五竜亭でもフェアリーの羽の魔力で粗悪なマジックアイテムを――という話があった気がします。
 フェアリーは魔力ないし、魔法的なもので飛んでいるのは、きっと周知の事実。
 なら、ドラゴンやキマイラ、マンティコアなどの魔獣、幻獣の類いも魔力や魔術で飛んでいるんじゃ――と思います。

 閑話休題(話を戻して)――。

 ジンが言っていた『重力の影響を弱くする魔術』というのは、ガーラが『ほとんど正解』と褒めていましたが――あくまでもほとんど、です。
 正確には『時空の影響を軽減する結界』という魔術になります。


 なんで時空の影響を軽減すると重力が減るのか――ということで。
 そもそも重力とはなんぞや、ということになるわけですが……本によって誤差はありますが、大まかに例えるなら、

 物質によって時空(空間)が歪み、その歪んだ時空の中で物質が互いに近づくような運動

 と言い表すことができます。

※注 実際は移動速度やら時間やら、様々な要素が絡んでいます。そこまでやるのは正直、頭が追いつかないので、ここでは時空の歪みだけで話を進めます。ご了承下さい。


 例えとしては、下の図をご覧下さい。





 ゴム板に質量mの物体を置くと、物体を中心にゴム板が窪みます。その窪みが、先述した時空の歪みを表します。
 その窪み(時空の歪み)の側に人が居た場合、ゴム板が伸びた(歪んだ)分、質量mに近づきます。もし球体なら、質量mまで転がっていくでしょう。
※注 ここも表現的にはわかりやすさ優先にしていますので、厳密には異なります。


 話を戻しますが、ドラゴンたちは『時空の影響を軽減する結界』で、上記の時空の歪みから受ける力(重力など)を軽減しながら空を飛んでいます。
 重力が軽減すれば、ドラゴンの質量でもなんとか飛ぶことはできる筈……。

 以上が、本作中でドラゴンがどうやって飛んでいか――の説明です。

 魔術を使って飛ばすにも、飛行の魔術とかだと羽ばたく必要がなくなりますし、質量を軽減させたら肉弾戦で不利になるし……土煙をあげながら羽ばいて、飛び上がるドラゴンという描写を残しつつ、なんとか飛ばそう――と考えました。
 ドラゴンの能力を魔術で補うことに問題はあるのかと言われれば、Skyrimというゲームではシャウトという竜語魔法(みたいなやつ)も出てますし。いいかな、と。

 設定的には、完全に自己満足ですね。

 余談ですが、時空の影響を軽減するということは、光や(作中の世界にあれば)電磁波も軽減します。
 レーダーが存在していれば、飛んでいるドラゴンは映りにくいかもしれませんね。
 あと光も軽減するので、本来であればジンたちの視界も薄暗くなったり、飛んでるドラゴンもやや黒みのある色になっている筈ですが、そこはあえて無視しています。
 理由は……行数の節約と、手間的な省略です(汗)

   *

 もう一つ。
 ギーンがジンに空中から体当たりをするとき、徐々に魔術を解いていますが、あれはジンが言っていたように、空気抵抗で速度が落ちるのを防ぐためです。
 重力を軽減している状況では弱い力でもかなりの影響を受けますし、低重力状態では重力加速度も減ってしまいます。
 重力加速度の減少や空気抵抗による速度低下は、運動エネルギーという破壊力が落ちてしまいます。
 ギーンは、それを嫌がったんですね。
 魔術を一気に解除しなかったのは、それをすると高い場所から落下するからです。
 
 ジンが降下してきたギーンに斬りかからなかったのは、運動エネルギーの差が大きすぎて、意味が無いと判断したからです。

 例えばギーンが身体がジンの四倍だった場合、運動エネルギーの差はざっと4の三乗――64倍になります。
 あれです。突っ込んでくる軽トラを金属バットで殴ったらどうなるか――ですね。

   *

 ついでに、炎息(ブレス)についての設定も――。

 本作におけるドラゴンのブレスは、内蔵に蓄えたガスを吐き出し、口腔にある器官で発火している――感じです。
 イメージとしては、下記のような感じです。

1・口内の前の方に電気ウナギのような発電器官があり、そこから放電すると火花が散る。

2・その火花に、内装から吐き出したガスが引火。

3・火花とガスの放出が続くあいだ、炎息が出続ける。


 よくある、スプレーとライターを使った火炎放射と同じ理屈です。
 体内のガスは、瞬間的な炎息なら数回、一気に吐き出す炎息で1回分。
 消費し尽くしたら、フル充填まで十時間くらいかかります。

 ギーンはジンと戦ったとき、一気に吐き出すタイプの炎息を吐いたので、あとの戦いは肉弾戦をするしかなかったんです。


 他の幻獣(キマイラとか)は、まったく方法で炎息を吐いている――と思ってます。
 その方法は、まだ未定……。映画のタイタンの逆襲にキマイラが出てきますが、ブレス吐かなかったんですよね……魔術ってことにしようか、悩んでます(ちなみに、出す予定は今のところないです……)。

 飛行についても、ワイバーン以外はドラゴンとは違う方法ということで……それはまた、出てきたときにでも……。


 次はゴブリンについて、を予定しています。

 また宜しくお願いします!
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