20 / 63
天狗の転生と言われて、何故か妖怪の世界を護ることになりました
進捗状況のご報告と大袈裟予告
しおりを挟むこちらでは、お久しぶりとなります。
わたなべ ゆたか です。
まずは、現状報告から。
『天狗の転生と言われて、何故か妖怪の世界を護ることになりました』の第二章ですが、プロットは大まかな流れは決まりました。
あとは章分けです。そこまでできたら、本編に入ります。もうしばらくお待ち下さいませ。
これだけではなんですので、予告なぞを書いてみました。
ご覧頂けたら、幸いです。
ちなみに、大袈裟予告は誤記ではありません。
●大袈裟予告
ひょんなことから妖界という、妖たちの世界に来てしまった俺……烏森堅護は、なんでも天狗の転生か、血を受け継ぐものみたいだ。
そのせいで、土鬼という鬼の企みを阻止することになったんだけど……その事件というか、陰謀を阻止してから、二十日が経っていた。
幼い頃に出会い、この妖界で再会した墨染お姉ちゃん――小町桜の妖らしい――と過ごす時間も、少しずつ長くなっていた。
今日も昼食用の鍋を、二人で一緒に料理をしていた。
「堅護さん。あちきと二人で、おいしい御飯を作りましょうね」
「……う、うん」
墨染めお姉ちゃんに微笑まれると、未だに顔が真っ赤になる。
そんな穏やかで、そして少し胸がドキドキとする生活を送っていた――だけど、まだ俺は気づいていなかった。
俺たちが暮らす人里や〈穴〉に、不穏な影が忍び寄っていたんだ――。
*
とある山中――夕暮れの空の下では、生い茂る木々の枝葉によって、一足先に夜の帳が下りかけていた。
その薄暗がりの中、三つの影が集まっていた。
「藤原仲麻呂が……やられたか」
「しかし、あやつは我ら陰陽四人衆の中では、最弱の存在に過ぎぬ」
腕を組む体格の良い大男に、背筋の曲がった影が「ヒヒッ」と嗤ってみせた。
そんな二人を交互に見ていた若い男が、口元に笑みを浮かべた。
「藤原仲麻呂を斃したのは、天狗の化生だって? 確か……烏森とかいったかな。ねぇ、次はボクが行っても良いかな。少し、楽しめそうな相手だし」
「ほぉ……戦いを楽しむか。ヒヒッ――足を掬われぬようにな」
「心配ないよ。ボクを誰だと思ってるのさ……この藤原時平が、天狗程度に負けると思っているのかい? 楽しい戦いになるさ」
まだ若そうな顔に、冷たい笑みが広がった。
密かに迫る影――その実態に、まだ堅護たちは気づいていなかった。
天狗の転生と言われて、何故か妖怪の世界を護ることになりました 第二章!
『黒き山と五つの呪詛』
近日――かどうかは未定ですが、できるだけ早くアップできるように頑張ります。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
夜珠あやかし手帖 ろくろくび
井田いづ
歴史・時代
あなたのことを、首を長くしてお待ちしておりましたのに──。
+++
今も昔も世間には妖怪譚がありふれているように、この辻にもまた不思議な噂が立っていた。曰く、そこには辻斬りの妖がいるのだと──。
団子屋の娘たまはうっかり辻斬り現場を見てしまった晩から、おかしな事件に巻き込まれていく。
町娘たまと妖斬り夜四郎の妖退治譚、ここに開幕!
(二作目→ https://www.alphapolis.co.jp/novel/284186508/398634218)
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
僕のおつかい
麻竹
ファンタジー
魔女が世界を統べる世界。
東の大地ウェストブレイ。赤の魔女のお膝元であるこの森に、足早に森を抜けようとする一人の少年の姿があった。
少年の名はマクレーンといって黒い髪に黒い瞳、腰まである髪を後ろで一つに束ねた少年は、真っ赤なマントのフードを目深に被り、明るいこの森を早く抜けようと必死だった。
彼は、母親から頼まれた『おつかい』を無事にやり遂げるべく、今まさに旅に出たばかりであった。
そして、その旅の途中で森で倒れていた人を助けたのだが・・・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※一話約1000文字前後に修正しました。
他サイト様にも投稿しています。
鬼閂薙はセーラー服陰陽師!
濁酒
ホラー
怪異霊障が災害と認められた日本。政府は怪異霊障に対抗する為に怪霊災害対策課を警視庁に設立。対怪霊特殊免許を日本中の霊能者、祈祷師、そして陰陽師への公布される事となった。
私立坂巻高等学校に通う鬼閂流陰陽道の陰陽師にしてお嬢様女子高生…鬼閂薙は最年少最初の免許取得者であり、鬼閂流陰陽道の次期当主として怪異霊障災害に挑む。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ー河童奇譚ーカッパになった私は神々と…
逢汲彼方
キャラ文芸
宮村葵。今日も会社への道のりを爆走中。途中、出会った猫に導かれ、とある神社に行くと、なぜか葵は河童になってしまっていた…。
その神社で出会った不思議な神様。つい見惚れてしまうしまうほど美しいのに、性格は高慢でイジワルな、いけ好かない神様だった!
河童になった葵はいったいこれからどうなってしまうのか!この神様はいったい葵を…!?
異界門〜魔術研究者は小鬼となり和風な異世界を旅する〜
猫松 カツオ
ファンタジー
魔術研究者であるルークには夢がある。
それは簡単なようで難しい夢だ。
家族と共に笑い共に食事をしそしてそんな日常を繰り返す事。
昔…ルークには家族がいた。
と言っても血の繋がりはない。
孤児院で出会った4人だ。
しかし…今はいない。
だが約束をした、必ずまた会おうと。
ルークはそんな夢を家族と再開すると言う目的の為に異界へと旅立つ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる