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第3章 行き先はお任せ。目隠しで二人乗りデート

第8話 安心感に包まれた夜に

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 ガラガラと、音がする。とても大きな音のようで、耳だけじゃなく全身で感じられた。
 火照った身体を風が冷まし、揺れる椅子が意識を呼び戻していく。
 蝋燭の炎は、いつの間にか消えてしまっていたようだ。
「あ、あれ?私、走ってる?」
 みのりが意識を取り戻すと、その車体は止まった。後ろから、おじさんが話しかけてくる。
「お、おお。みのりちゃん。起きたかい?」
「は、はい。ここは……」
「とりあえず、造船所に撤退しているよ。もしかしたら、見られたかもしれない」
 おじさんは自転車の後ろに回り、手押しで車体を進ませていた。みのりが気絶したせいで、この自転車のペダルを漕げなくなってしまっていたのだ。
「やっぱ駅前は危ないね。急に車が来てさ。すぐに引き上げたつもりだったんだけど、もしドライブレコーダーとかに映ってたらゴメンね」
 そういうおじさんは、息を切らせていた。よほど急いで逃げてくれたのだろう。
「……ごめんなさい」
「みのりちゃん?」
「私が、目隠ししてほしいとか、縛ってほしいとか言ったから……私が、お外で恥ずかしいことされたいって、お願いしたから」

 みのり自身が解っていた。自分の性癖が、どれほど危険で無茶なものなのか。そして、どれほど周囲にも迷惑をかけるものなのか。
 解っていながら、どこかで『おじさんなら大丈夫』『一人じゃないから大丈夫』という気持ちが働いてしまい、いつもより大胆になり過ぎた。それは、みのりの大きな反省点であった。
「おじさん、乗ってください」
「え?」
「私、もう走れますから、おじさんは後部座席に座って、ハンドルだけ操作しててください」
「そ、そうかい。でも、かなり負担がかかったんじゃないの?無理はしない方が……」
 と、みのりの身体を気遣うおじさん。
 実際、みのりだって負担がかかっているのは確かだった。脚を動かすたびに股関節が痛む。気持ちよすぎて腰を抜かしてしまっている状態だ。
 それでも、動かなくはない。
「乗ってください。この自転車は、こうして車椅子みたいに使うものじゃ、ないですから」



 おじさんを乗せて、みのりはようやく造船所まで戻って来れた。その最中、誰とも遭遇しなかったのは奇跡に近いだろう。
 すでに時間は3時を過ぎていた。前回の乱交セックスほどではないが、今回も随分と長らくエッチなことに夢中だったらしい。
「……この縄。めちゃくちゃガッチリと締まっちゃってるな。もう切るしかないかもしれない」
「すみません。えっと、切れますか?」
「ああ、ナイフがあるよ。ちょっと待っててくれ」
 ザクザクと、ナイフが縄を切断する音が聞こえる。そのたびにみのりの身体に縄が食い込み、そして少しずつ緩んでいく。
 ようやく完全に切断される頃には、みのりの肩はパキパキに固まっていた。ずっと後ろに回されていたため、前に回すと痛い。指先はびりびりと痺れ、腕の筋肉はビクンと痙攣した。
 脚の縄も、切って外す。うっ血していた血管に、急激に血が戻る感覚。まるで内側に接着剤を塗った風船を一度しぼませて、接着剤が渇いたころに無理やり空気を入れて剥がすような、そんな痛み。
(にゃああああっ!?あ、今日の中で、一番痛い、かも……)
 のたうち回りたいほどの痛みを、みのりは必死でこらえた。というより、もうそれほどの元気も体力も残っていない。
「それじゃ、今日はこの辺で解散かな。おじさん、楽しかったよ。ありがとう」
「あ……」
 おじさんが帰ろうとしてしまう。その手を、みのりはぎゅっと握った。
 とっさで声は出なかったけど、それでもおじさんは歩みを止めてくれる。おじさんの手は、とっても温かい。しっかりとコートを着ていた彼と、真冬にずっと素っ裸だったみのりとの温度差は大きいようだ。
「みのりちゃん。どうしたの?」
「ま、まだ……」
「まだ?」
 みのりは、大きく唾をのみ込んだ。そうして言葉を紡ぎ出すまで、おじさんはちゃんと待っていてくれた。
 そっと、おじさんの手を自分の胸に寄せる。触ってほしい。揉んでほしい。それがだめでも、せめて胸の高鳴りだけ、知ってほしい。
 おじさんの手を、心臓に押し当てる。この鼓動が、伝わればいいのに――
「今日はまだ、おじさんが気持ちよくなってないです。私だけ、こんなに気持ちよくしてもらって、おじさんはまだ――」

 おじさんだって、ずっと我慢していた。
 みのりが裸になったときも、その落書きだらけの卑猥な身体を縄で縛ったときも、ディルドで突き上げた時も、おじさんの股間は爆発しそうなほど熱くなっていた。
 そこそこ背が高いとはいえ、自分よりずっと小さな女の子。その細い身体に触ったときも、胸を好きなだけ揉んだ時も、喘ぎ声を聞いたときも、ズボンの中はずっと窮屈に感じていた。
 いくつものディルドを使って、何度も何度も突き上げたおまんこ。その中に、自分も触れてみたいと、ずっと思っていた。
 だから、みのりから誘ってくれたことを、おじさんは嬉しく思った。
「いいのかい?」
 もし『やっぱりダメ』などと言われても、おじさんはもう我慢できる自信が無い。ただ、みのりもそんな酷い事を言ったりしない。ここまで気持ちよくしてもらって、自分だけが性欲を満たせたから終わりだなんて、そんなことはしない。
「いいですよ。どうせなら、ここでしましょう」
「ここで?」
「はい。ここなら、造船所の建物の陰ですから。駅前と違って、あんまり見つからないんですよ」
 絶対とは言い切れない、中途半端な安全。しかしみのりは、自信満々に脚を上げて見せる。Y字バランスのような姿勢で、両手の指をおまんこに入れて、くぱぁと開く。
「私が夢中になっちゃった野外露出の魅力を、おじさんにも知ってほしいんです」



(――マジか?)
 おじさんは、みのりから少し離れたところで服を脱いでいた。いろいろと着込んできてしまっていたので、脱ぐのも少し面倒だ。
 脱いだ服を、適当に自分の車に放り込む。この造船所には長らく務めているが、こうして裸になったのは言うまでもなく初めてだ。
(すげぇな……)
 こんな寒い冬の夜に、全裸で外を歩く。そんな経験はしたことが無かった。思ったより風は冷たくて、急激に体温が奪われていく。先ほどまでの火照りはどこかへ吹き飛ばされてしまった。
「みのりちゃん、お待たせー」
 ものすごく小声になったおじさんは、そろりと物陰から出ていく。そこは街灯に照らされて、少し明るくなっているところだった。
 そこで、みのりが待っていた。
 彼女は振り返ると、にこっと屈託なく笑った。16歳の彼女が、学校などで普段見せる笑顔だ。
「おじさん、もっとこっちに来て、よく見せてください」
「お、俺の裸を?」
「はい。もちろん、私の裸も見てくれていいですから……あ、いま脱ぎますね」
 既に全裸の彼女は、スニーカーを脱いだ。これでつま先まで、正真正銘すっぽんぽん。
「どうですか?」

 全身に卑猥な落書きがほどこされた、細身の身体。モデルのような体型に白い肌。そこにヘナタトゥで茶色の文字が書かれている。『精液便所』『レイプしてね』『中出し無料』などの文字が躍るその姿は、痴女そのものだった。
 そして、明かりに照らされて初めて分かる、縄の跡。
 しっかりと縛られていた首元やお腹、腰や太ももなどが、内出血で青黒く筋を浮かばせている。透明感のある肌に、そこだけ冷たい印象の青あざ。温かみのある色合いの文字とは違う、明らかなダメージ。
 胸元や手足など、動いたり暴れたりしたときに擦れたのだろう。その辺は擦り傷になっていた。肌の表面はそこだけザラザラと荒れて、細かく剥けているのが解る。
「痛くなかったの?」
 おじさんが腕をさすった。潮風の当たった擦り傷に、おじさんの手の体温も加わって、ひりひりする。
「い、痛かったです。でも、嬉しいんですよ。おかげで私の身体、もっとエッチになりましたから」
 まだ痛む傷跡を、おじさんの指になぞらせる。彼の手首をつかんで、そっと擦りつけるように。
「にゃははー。おじさんのおちんちんも、とってもエッチでカッコいいですね」
 痛そうなくらい勃起した、大きな男性器。その先端は皮がむけて、真っ赤にてらてらと輝いている。根元は真っ黒な毛におおわれていて、それがお腹までびっしり生えていた。
 体型的には引き締まっているものの、きちんと40代の男性の身体――つまり、みのりから見れば父親と同年代の身体は、おじさん臭さに溢れていた。同級生の男子にはない、大人の魅力だ。

「舐めていいですか?」
「あ、ああ。頼むよ」
 彼女の細い指が、硬くなった男根に絡みつく。みのりは自分には生えていない陰毛を、弄ぶように指に絡ませた。そこに顔を寄せて、小さな口でキスをする。
 ちゅっ……ちゅーっ。
「すごい。おちんぽ、温かいです。ちょっと精子の匂いがする……おじさん、出しました?」
「いや、まあ、ちょっとだけ漏れちゃったかもしれないな。ははは」
「……まだイかないでくださいね。射精するときは、私の膣内へ」
「え?それって……うっ!?」
 答えを待たず、みのりは先端に吸い付いた。じんわりと出ていた我慢汁の味が、口の中一杯に広がる。とても苦い。しばらく舌が麻痺して、何を食べても味が分からなくなるような微毒。それをみのりは、嬉しそうに吸い出していく。
「俺も、みのりちゃんの、舐めたいな」
「え?私、さっきいっぱい気持ちよくしてもらいましたよ。だから、今度はおじさんを気持ちよくしないと……」
「いやいや。だからこそだよ。みのりちゃんのためじゃなくて、俺が舐めたいから舐めるんだ」
「……分かりました」

 コンクリートにブルーシートを敷いて、そこにおじさんが仰向けに寝る。そんな彼の顔にお尻を向けたまま、みのりはそっと腰を下ろした。
「あ、あの……もし私のおまんこ、臭かったり不味かったりしたら、言ってくださいね」
「大丈夫だよ。いい匂いだし、美味しそうだ」
「ほ、本当ですか?」
「ああ。可愛いよ」
 実際、可愛かった。あれほどディルドでガンガン突き回されたのに、もう小陰唇はピッタリと閉じている。それをチラリと見せる程度に、控えめに開いて誘う大陰唇。綺麗な2重構造の白い肌に、軽く恥ずかしがるように赤みがさす。
 綺麗に剃られた毛は、剃り残しもない。きっともともと薄いのだろう。舌で舐めまわしても、引っかかるような感触は無かった。
 ほろ苦い分泌液が、ねっとりと舌先に絡みつく。
「もっと腰を落としていいよ。もう脚から力を抜いて、おじさんの顔に座るくらいでいいから」
「で、でも、それはさすがに苦しいですよ」
「いいんだよ。みのりちゃん、軽そうだから」
「……」
 いくら恥ずかしいのが好きなみのりでも、緊張する恥ずかしさと言うのはある。ドキドキと心臓が高鳴り、お尻が震える。
(私、いま濡れてないかな?)
 自分ではあまり判別できないのが、その濡れ具合だった。気づいたらトロトロになっていることもあれば、凄く気持ちよかったのに乾いていたこともある。そして感覚があまりない。
(濡れてたら、恥ずかしい)
 できれば濡れてませんように、と願いながら、おじさんの顔に座る。その時に押し出された愛液が、行き場を失って内ももを伝った。
(めっ――ちゃ濡れてる!?)
 言い訳が出来ないほど、濃くて大量の濡れ具合だった。裸を見られたり、セックスしたりするのとは違う。嫌われたらどうしようかという緊張感が、全身を硬くしていく。
 でも、

「可愛いよ」
「え?か、かわ……」
「うん。みのりちゃんの気持ちよくなったヌルヌルおまんこ。とっても可愛い」
 そう言ってもらえた時、みのりはとても嬉しくなった。他の女性が性器を褒められて喜ぶかどうかはさておき、みのりにとっては素直に喜べる言葉だ。
「あ、ありがとうございまっ――んっ」
 クリトリスに当てられた舌が、じゅるりと筋を撫でて、尿道口から膣口までを舐めていく。お尻に両手が添えられて、その指が肛門をマッサージしてくれる。
「にゃはははっ。そんなに贅沢なことされたら、私、またイっちゃいますよ?」
 なるべく腰を動かさないように注意しながら、みのりは身体を丸める。おじさんのちんぽを握って、自分の口元へと寄せる。
 ようやく、先端に届いた。皮を剥きながら、舌をカリ首に沿わせて一周させていく。
「しごきますね。んっ」
 上下に手を動かして、一生懸命に擦る。みのりの指は長いが、それでも届くかどうか分からない太さのそれを、右手でたくさん擦る。空いている左手で、玉をたぷたぷと揺らして遊ぶ。
 今夜ずっとみのりのエッチな姿を見てきたおじさんは、もう金玉の中身がパンパンだった。いつ破裂してもおかしくないくらい、大きく膨らんでいる。
「あ、出るっ」
「え?」
「精子、出そう」
 我慢が出来なかった。別に早漏ではないが、これまでの事が刺激になり過ぎていたのだ。
 そこにみのりの手と口である。我慢が効かなかったとして、それは仕方がない。
 ただ……

「待って。待って!」
 みのりは慌てて、お尻をスライドさせた。
(間に合って――)
 おまんこが、おじさんの胸やお腹を滑っていく。
(もう少し……)
 おじさんのちんぽをまっすぐ構えたみのりは、やや強引にそれを自分の膣へと導いた。すっかり濡れていた膣内は、容易にそれを受け入れる。
(よし!)
 位置を調整して、真ん中にきちんと当たるように構え直す。それと同時に、精液がぐんと込み上げてきたのが分かった。
 射精中のちんぽを入れるという、みのりにとっても珍しい形のセックスになってしまった。余計なものに阻まれないまま、出てきた精子が子宮に入ってくる。
 ぷりぷりと、まるで固形物のように硬いそれは、子宮の中で大きく跳ね回る。ずっしりと重く感じられるほどの質量を持った、とても元気な精子だ。
 ハードなディルドで傷ついた膣壁に、じんわりと焼けるような痛みが響く。じっくりと凹凸のひとつひとつに絡まって、そこから浸み込んでいくような熱さ。みのりはそれが大好きだった。

 まだ射精は完全に収まり切っていないが、勢いが弱まってきていた。そのタイミングで、みのりは体ごと振り返る。腰をぐるりと180°回転させて、身体の正面をおじさんの顔の方へ。
「な、何を――?」
 一瞬の事で、また絶頂の瞬間だったこともあって、おじさんは何が起きたのか理解するのに時間がかかった。そして、自分が何をしたのかを理解し、さらにみのりの身体を心配して……
「そ、そんなことしたら――」
 子供が出来ちゃうだろ。と言おうとしたその口は、みのりに人差し指をかざされて止まってしまった。
「大丈夫ですよ。何も気にしないで。……気持ちよかったですか?」
「え?ああ、うん。気持ちよかったよ」
「じゃあ、よかった。あ、まだ抜かないでくださいね。残った精子、おまんこで搾り取っちゃいますから」
 じゅるっ、じゅるっ、と、膣内がうごめいて精子を吸い出す。みのりはお尻に力を入れるようにして、意図的にそれをやっていた。絶頂したときの痙攣にも似た運動を、意識的にやっているのだ。

「私、中に出されるの、好きなんです。ちゃんと命が紡がれて、それが気持ちよさになるんだ……って感じがするので」
「でも、俺は妻も子供も……」
「大丈夫です。私はそこらじゅうで、いろんな男の人とエッチしてますから。――だから、誰の子供かなんて判らないし、おじさんにも迷惑はかけませんよ」
 みのりがゆっくりと、おじさんの上にうつ伏せで寝転がる。おじさんの胸に、みのりの乳房が押し付けられて潰れていく。やわらかくて、温かい。
 みのりの顔が、頬と頬が擦れるくらい近くに来る。彼女の亜麻色の髪が、おじさんの顔にかかった。
 耳元で、みのりが囁く。
「おじさんに初めて裸で会ったあの日も、知らない男性のかた4人に、いっぱい中出ししてもらったんですよ。今日だって、ここに来る前に、中学の頃の友達に中出ししてもらってますし」
 その子供のように無邪気なひそひそ声が、
 それに見合わない、過激な内容の告白が、
 おじさんのどこかに響いて、再び股間を熱くする。
「あ。また中でおっきくなってきましたね。もう一回、イケますか?」
 騎乗位のまま、彼女は体を起こして、無邪気に聞くのだ。
「そ、それじゃあ、まだアレだから、ゆっくりと」
「はい。分かりました。もし気持ち悪かったりしたら、言ってくださいね」

 その日は、星が綺麗だった。
 空をわざわざ見上げたのは、いつぶりだろう。おじさんはそんな星空をバックに、ゆっくりと腰を振るみのりを見上げる。
「ふっ――くっ――」
 甘い声で喘ぐ彼女は、健気に頑張ってセックスをしている。本当は気持ちよさで動きにくいのだろう。脚がガクガクしているのが直接伝わっていた。
 それでも震える瞼を伏せて、そこに涙をにじませながら、必死で彼女は腰を振り続けた。
「おじさん。見てください。空が青くなってきましたよ」
「あ、ああ、本当だね」
 夜明けが迫ってきていた。海のある東側から、ゆっくりと空が色づいていく。
 それまで墨を流したように黒かった海が、かすかな光を反射して輝いていく。反対側には山の稜線や、森の木々がシルエットとして浮かび上がってきた。
 町も見える。まだ寝静まっている町は、とても静かだった。遠くに新聞配達のバイクの音。犬の遠吠えも聞こえる。朝から元気なものだ。
「……今、誰かが来たらどうします?」
「え?」
 おじさんが驚くと、みのりはくすくすと笑った。
「今のおじさん、痴女に襲われたみたいになってますよ」
「みのりちゃんの方こそ、痴漢に襲われたみたいになってないかい?」
「なってないですよ。私、体中にこんな落書きして、騎乗位でおじさんの上に乗ってるんですから。どう見たって、おじさんが女子高生に逆レイプされちゃってるようにしか見えませんって」
 ――確かに、その通りである。
 おじさんが黙ると、みのりは笑った。
「冗談です。でも、変な気持ちになりませんか。お外で裸になって、見つかるかもしれないところでエッチしているの」
「……」

 確かに、変な気持ちだ。
 怖いとか、恥ずかしいとか、そんな気持ちも勿論ある。見つかったらいけないことも、よく分かっている。
 なのに、少しだけ自慢したいようなこの気持ちは何だろう?
 みのりのような美少女を、こんなに好き勝手にいじめて、中に出している。そんな様子を誰かに自慢したい。そして恥ずかしがるみのりを、誰かに放り出してしまいたい。
 ぞくぞくと、よくない感情が自分の中に渦巻く。ダメなことだと解っているのに、欲望が止まらない。
「それが、私が野外露出を好きになった理由です」
 みのりも全裸で散歩をするたびに、誰かに見つかることを期待してしまうのだ。もちろん、いけない事だと解っていながら。現実になったら困る夢を、夢で済むうちは求めてしまう。
「そっか。みのりちゃんは、いつもこんな楽しい事をしていたんだね」
「はい。私、いつもこんないけない事ばかり、していました」
 おじさんの手が、みのりの乳房に向かう。それをみのりは、目を閉じて受け入れた。
 少しずつ、みのりの腰が速くなる。我慢できないのだ。それは、おじさんも同じだった。2回目の射精が、まもなく開始される。
「んっ。お、おじさん。出したくなったら、いつでも私の中に、いっぱい出して――んっ」
「ああ、出るよ。みのりちゃん。一緒にイこう」
「――はい。イクっ。イキます!」
 2回目の射精は、重さこそなかったが、勢いの強いものだった。一瞬でみのりの膣内を駆け巡り、子宮に渦を作り出す。ザバザバと溢れるほどの精液を受け止めたみのりは、満足そうにおじさんの上に倒れ込み、
「大好きですよ。おじさん」
 唇をそっと、重ねた。



「わぁ!」
 みのりが歓喜の声を上げて、おじさんの上から立ち上がる。お互いに絶頂した後、たっぷり3分ほど休憩した後の事だった。
「どうしたの?」
「見てください。朝日ですよ。……綺麗」
 両手両足を開いて立つみのりの、その股間越しに海が見える。その方角から朝日が差し込んで、彼女のシルエットを浮かび上がらせた。
 逆光で落書きも青あざも見えない、綺麗な彼女の身体。それは汚らしい変態のそれではなく、年相応の無邪気な少女のように見えた。
 もしかしたらそっちの方が、みのりの飾らない本来の姿なのかもしれない。
 おまんこから垂れ落ちる精液が、光に透かされてキラキラと輝いた。まるで太陽と海が、新しい命の誕生を祝してくれているようだ。
「もうすぐ、人も増えてきますね。そろそろ帰らないと……」
 そう言って振り返るみのりに、おじさんは首を振った。横に、だ。
「いや、もう一回やらない?」
「え?」
「俺、年甲斐もなくまた勃っちゃってさ。頼むよ。みのりちゃんの好きな体位でいいから」
 どうやら、おじさんも外でエッチするのが好きになったようだ。
「それじゃあ、立ちバックで」
「ああ、いいよ。みのりちゃん、立ちバック好きなの?」
「はい。一番イキやすいんです。……いつもお外でオナニーばかりしているから、脚を閉じてイクほうが、リラックスできて気持ちいいんです」
 そういうと、彼女は壁に手をついて立った。
 その背中には、彼女の本名や電話番号など、セフレを募集したいとしか思えない個人情報がびっしり書かれている。

「やっぱり、みのりちゃんは変態さんだな」
「はい。もしよかったら、これからもいつでもエッチしてくださいね」
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