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ここまで出そろった情報で推理できることがある。
第一の推理
この部屋はヤリ部屋だ。
浮気の現場になっている。
その相手は、少なくとも二人以上いる。
おそらく一人はゆるふわミルクティ色の髪でかわいらしい雰囲気。
ピンクの似合う姫系の女の子。
胸のサイズはGカップと全く可愛くない。
もう一人は大人っぽい女性で髪は黒髪ストレート。
胸のサイズはDカップだろう。
その二人はこの家にお泊りグッズを置いているくらい頻繁に泊まりに来ている。
しかしだからと言ってこの二人以外に相手がいないとは言い切れない。
掃除機の中に集まったごみの中に、まだ長めの髪はあった。
色が特徴的な二本だけをピックアップしたけれど、顕微鏡で見ればキューティクルの状態等から出入りしている人間が何人いるか判断できるかもしれない。
第二の推理
亮君には女装癖がある。
ゆるふわ系のかわいい女の子になったり、きれい系の女になったりして遊んでいる。
コスメやブラジャーのサイズも変えるという徹底ぶり。
こっちであってほしい。
でもブラジャーのアンダーが65と70では、ガタイの良い亮君には小さすぎる。
絶対にホックが届かない。
こっちの推理は私の希望に過ぎない。
私は第二の推理が正解であってほしくて、ウィッグがないか探すことにした。
毛髪らしきものは、亮君の女装道具のウィッグから抜けたものかもしれないという最後の可能性にかけたい気持ちからだったけれど、ウィッグは見つからなかった。
どこかに浮気説を覆す証拠はないかと、虚ろな目で部屋中見て回った。
ベッドフレームについた小さい引き出しを開けると、中には避妊具の箱が入っていた。
箱の中身は半分くらいになっている。
私はそれを写真に収めた。
今まで見つけたものの中で、一番ショックの大きな証拠を見つけてしまった。
急に鑑識モードが切れてしまった私は、素の自分に戻った。
もう第一の推理が正解と確定してしまったようなものだ。
私は、自分が来たことになるべく気づかれないように素手で触ってしまった場所の指紋をハンカチで拭きとった。
部屋が来た時と同じになっていることを確認して、証拠物件を持って部屋を後にした。
鑑識作業に夢中になっている間に時刻は午後5時を回っていたようだ。
私は電車に乗って急いで自宅に帰った。
自宅についた私は、ソファに倒れ込んで呆然としていた。
今日見た部屋の様子だと、部屋に出入りしている女性との付き合いはこの一週間だけではない。
もっと長い間出入りしている。
あの部屋は10月から借りていたけれど亮君は年末年始の冬期休暇に入るまで、毎日家に帰ってきていた。
「ちょっと勉強しないとまずいかも」
と最近帰りが遅かったのは、あの部屋で別の女性と避妊具を使うような行為をしていたからなのだろうか。
そして亮君は私ともそういう行為を毎日のように行っていた。
亮君が私を愛しそうに呼ぶ「千織ちゃん」という声が耳元で聞こえる気がした。
亮君はいつも何度も私に好きだと言ってくれて、すごく優しく抱いてくれる。
亮君が他の女の人にも私と同じように触れていると思うだけで、胸が痛い。
第一の推理
この部屋はヤリ部屋だ。
浮気の現場になっている。
その相手は、少なくとも二人以上いる。
おそらく一人はゆるふわミルクティ色の髪でかわいらしい雰囲気。
ピンクの似合う姫系の女の子。
胸のサイズはGカップと全く可愛くない。
もう一人は大人っぽい女性で髪は黒髪ストレート。
胸のサイズはDカップだろう。
その二人はこの家にお泊りグッズを置いているくらい頻繁に泊まりに来ている。
しかしだからと言ってこの二人以外に相手がいないとは言い切れない。
掃除機の中に集まったごみの中に、まだ長めの髪はあった。
色が特徴的な二本だけをピックアップしたけれど、顕微鏡で見ればキューティクルの状態等から出入りしている人間が何人いるか判断できるかもしれない。
第二の推理
亮君には女装癖がある。
ゆるふわ系のかわいい女の子になったり、きれい系の女になったりして遊んでいる。
コスメやブラジャーのサイズも変えるという徹底ぶり。
こっちであってほしい。
でもブラジャーのアンダーが65と70では、ガタイの良い亮君には小さすぎる。
絶対にホックが届かない。
こっちの推理は私の希望に過ぎない。
私は第二の推理が正解であってほしくて、ウィッグがないか探すことにした。
毛髪らしきものは、亮君の女装道具のウィッグから抜けたものかもしれないという最後の可能性にかけたい気持ちからだったけれど、ウィッグは見つからなかった。
どこかに浮気説を覆す証拠はないかと、虚ろな目で部屋中見て回った。
ベッドフレームについた小さい引き出しを開けると、中には避妊具の箱が入っていた。
箱の中身は半分くらいになっている。
私はそれを写真に収めた。
今まで見つけたものの中で、一番ショックの大きな証拠を見つけてしまった。
急に鑑識モードが切れてしまった私は、素の自分に戻った。
もう第一の推理が正解と確定してしまったようなものだ。
私は、自分が来たことになるべく気づかれないように素手で触ってしまった場所の指紋をハンカチで拭きとった。
部屋が来た時と同じになっていることを確認して、証拠物件を持って部屋を後にした。
鑑識作業に夢中になっている間に時刻は午後5時を回っていたようだ。
私は電車に乗って急いで自宅に帰った。
自宅についた私は、ソファに倒れ込んで呆然としていた。
今日見た部屋の様子だと、部屋に出入りしている女性との付き合いはこの一週間だけではない。
もっと長い間出入りしている。
あの部屋は10月から借りていたけれど亮君は年末年始の冬期休暇に入るまで、毎日家に帰ってきていた。
「ちょっと勉強しないとまずいかも」
と最近帰りが遅かったのは、あの部屋で別の女性と避妊具を使うような行為をしていたからなのだろうか。
そして亮君は私ともそういう行為を毎日のように行っていた。
亮君が私を愛しそうに呼ぶ「千織ちゃん」という声が耳元で聞こえる気がした。
亮君はいつも何度も私に好きだと言ってくれて、すごく優しく抱いてくれる。
亮君が他の女の人にも私と同じように触れていると思うだけで、胸が痛い。
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