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第50.5話(レティ視点)
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※この話は、レティ視点の話です。
私の名前は、レティ・フォリシス。
誇り高きフォリシス家の次女にして、神童と呼ばれている才能溢れる美しい天才です。
私は、お兄様の元に来ています。
お姉様はプリネさんとともに、保健室に行ってもらいました。特に怪我はしていなかったと思いますが、念のためです。
「さて、お兄様、よろしいでしょうか?」
「ああ、わかっている」
私は、お兄様とある話をしなければならないため、こちらに来ています。
それは、先程の貴族達についてのことです。彼女達がしたことは、到底許されることではありません。故に、それなりの裁きを下さなければならないでしょう。
「私は記憶力が高いので、お姉様達に色々と言っていた貴族の顔も名前もきちんと憶えています。全員に、処罰を下しますよね?」
「無論だ」
私の言葉に、お兄様は短くそう答えました。
当然、お兄様もあの人達を許すつもりはありません。
プリネさんをいじめていたのもそうですが、お姉様にまで手を出したことで、彼女達はお兄様の一番の怒りを買いました。お姉様が傷つけられることを、お兄様は決して許しません。
最も、私も彼女達に同情するつもりはありません。私も、お姉様が傷つけられて、許すような考えはしないのです。
「どのような処罰にするんですか?」
「奴らの家を叩き潰す」
「叩き潰す、ですか……」
どうやら、お兄様は彼女達を徹底的に潰すつもりのようです。
最早、それは学園長としての処罰を越えているでしょう。ですが、これがお兄様です。
敵とみなした者には、一切容赦しない。それが、お兄様の流儀です。
彼女達が、お姉様に余計なことを言わなければ、ここまでにはならなかったでしょう。その時は、学園長として判断を下したはずです。
しかし、お姉様に色々と言った以上、これはフォリシス家としての問題になるのです。
身分が、私達よりも低い者達が、お姉様に失礼なことをした。その事実は、単純な生徒間の問題ではなくなったのです。
「奴らは、この学園どころか貴族社会としての膿だ。そもそも、あのような人間にしか育てられなかった家にも問題はある」
「ええ……」
そして何より、最愛のお姉様を悲しませたことで、お兄様はこのようなことになったのです。
この兄は、お姉様のことを大切に思っています。そのため、もう止まることはないでしょう。
「徹底的に潰してやる。お前もルリアも、安心しているがいい。お前達は何も気にしなくていい」
「はい。全て、お兄様にお任せします」
この話に、最早私が口を挟むことはありません。
お兄様に任せておけば、彼女達は確実に滅びるでしょう。いい気味です。
「待って下さい!」
「む?」
「えっ……?」
そう思っていた私の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきました。
学園長室の扉が、一気に開かれます。
「お兄様、その判断はまだ早計ではないでしょうか……」
「ルリア……」
「お姉様……」
そこには、お姉様がいました。
どうやら、話はまだ終わらないようです。
私の名前は、レティ・フォリシス。
誇り高きフォリシス家の次女にして、神童と呼ばれている才能溢れる美しい天才です。
私は、お兄様の元に来ています。
お姉様はプリネさんとともに、保健室に行ってもらいました。特に怪我はしていなかったと思いますが、念のためです。
「さて、お兄様、よろしいでしょうか?」
「ああ、わかっている」
私は、お兄様とある話をしなければならないため、こちらに来ています。
それは、先程の貴族達についてのことです。彼女達がしたことは、到底許されることではありません。故に、それなりの裁きを下さなければならないでしょう。
「私は記憶力が高いので、お姉様達に色々と言っていた貴族の顔も名前もきちんと憶えています。全員に、処罰を下しますよね?」
「無論だ」
私の言葉に、お兄様は短くそう答えました。
当然、お兄様もあの人達を許すつもりはありません。
プリネさんをいじめていたのもそうですが、お姉様にまで手を出したことで、彼女達はお兄様の一番の怒りを買いました。お姉様が傷つけられることを、お兄様は決して許しません。
最も、私も彼女達に同情するつもりはありません。私も、お姉様が傷つけられて、許すような考えはしないのです。
「どのような処罰にするんですか?」
「奴らの家を叩き潰す」
「叩き潰す、ですか……」
どうやら、お兄様は彼女達を徹底的に潰すつもりのようです。
最早、それは学園長としての処罰を越えているでしょう。ですが、これがお兄様です。
敵とみなした者には、一切容赦しない。それが、お兄様の流儀です。
彼女達が、お姉様に余計なことを言わなければ、ここまでにはならなかったでしょう。その時は、学園長として判断を下したはずです。
しかし、お姉様に色々と言った以上、これはフォリシス家としての問題になるのです。
身分が、私達よりも低い者達が、お姉様に失礼なことをした。その事実は、単純な生徒間の問題ではなくなったのです。
「奴らは、この学園どころか貴族社会としての膿だ。そもそも、あのような人間にしか育てられなかった家にも問題はある」
「ええ……」
そして何より、最愛のお姉様を悲しませたことで、お兄様はこのようなことになったのです。
この兄は、お姉様のことを大切に思っています。そのため、もう止まることはないでしょう。
「徹底的に潰してやる。お前もルリアも、安心しているがいい。お前達は何も気にしなくていい」
「はい。全て、お兄様にお任せします」
この話に、最早私が口を挟むことはありません。
お兄様に任せておけば、彼女達は確実に滅びるでしょう。いい気味です。
「待って下さい!」
「む?」
「えっ……?」
そう思っていた私の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきました。
学園長室の扉が、一気に開かれます。
「お兄様、その判断はまだ早計ではないでしょうか……」
「ルリア……」
「お姉様……」
そこには、お姉様がいました。
どうやら、話はまだ終わらないようです。
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