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第21話 家族揃って
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私とレティは、学園に入学してから、最初の休日を迎えていた。
今日は、特別な休日だ。なぜなら、この家に、お父様とお母様が来るからである。
私とお兄様とレティは、外で待っていた。
お父様とお母様の馬車が近づいてきているからだ。
「来たか……」
「来ましたね……」
それに対して、お兄様とレティは少し表情を改める。
二人は、両親に対して、色々と複雑な感情があるのだ。
私は、優しくなったお父様とお母様しか知らないが、昔は二人とも今とはまったく違う人だったらしい。
そして、お世辞にも家族間の仲は良くなかったそうだ。それが、私の本当の両親が、お父様を助けたことによって、徐々に改善されて、今のようになったらしい。
「あっ……」
私がそんなことを考えている内に、馬車が着いていた。
その戸が開き、中からゆっくりと二人が出てくる。
「ふむ……」
お父様は、お兄様と非常によく似ていて、とてもかっこいい人だ。
強く凛々しい面もあるが、本当に優しい人である。
「あら……」
お母様は、レティとよく似ていて、とても美しい人だ。
お母様もお父様と同じくとても優しい人だ。それに、明るい人でもある。
出てきたお父様とお母様と、私達三人が向き合う。
少しだけ、重い空気が周囲に流れる。
「お久し振りですね、父上、母上」
「ふむ、久しいな、リクルド……」
「久し振りね、リクルド」
まず言葉を放ったのは、お兄様だ。
こういう時に、一番に声をあげてくれるのが、お兄様のすごい所である。長男としての役目もあるとは思うが、私ではとても話せそうにない。
お兄様の言葉に、お父様もお母様も笑顔で応えている。それにより、周囲の空気は柔らかくなっていく。
「ルリアもレティも、元気だったか?」
「はい、お父様……」
「お、お陰様で、元気に過ごせています……」
お父様は、私とレティにそう語りかけてくれた。
その笑顔は、とても優しいものだ。昔は、厳しい人だったらしいが、私にはこういう優しいイメージしかない。
それに対して、レティはまだ少し怖いと思っているようである。本当に少しだけだが、声が震えているのが、その証拠だ。
「二人とも、元気だったなら、幸いだわ」
「はい、ありがとうございます、お母様」
「あ、ありがとうございます……」
次に声をかけてくれたのは、お母様だ。
お母様は、言葉と同時に私達に近づいてくる。
「ああ、私の可愛い娘達!」
「あっ! お母様!」
「うわあっ!」
そして、そのまま私とレティを抱きしめてきた。
お母様と会う時は、これがいつも基本的な挨拶だ。
そのため、わかっていたことである。しかし、それでも少し驚いてしまうのが、この大胆な挨拶だ。
お母様は、昔は暗い雰囲気だったと聞いている。だが、今はとても明るく太陽のような人だ。こちらも、私は明るいイメージしかないので、昔のことが信じられない。
「うん、いつも通りみたいね」
「はい、いつも通り元気です」
「リクルドは、これを許してくれないから、チェックできないけど、元気かしら?」
「……ええ」
お母様は、この挨拶をお兄様にもしようとしていた。
しかし、お兄様がそれを拒否したため、実現はしていない。いくらお兄様でも、この挨拶は恥ずかしいのだろう。
「ふむ、君はいいね。そういう挨拶ができて……」
「ふふふ、母親の特権というところかしら」
ちなみに、お父様もこの挨拶をしたいと思っているらしい。
私は構わなかったが、レティが拒否したのとお兄様が止めたことによって、それは実現しなかった。
少し可哀そうだが、お父様も納得していたので、恐らく大丈夫なのだろう。
「あなたは、私で我慢してね」
「そう言われると、そうするしかないね」
そんなことを考えていると、お母様がお父様に腕を絡めた。
この二人は、とても仲のいい夫婦だ。ただ、これも昔は違ったらしい。
昔の二人は、冷めきっていたようだ。今の仲良しな様子からは、とても信じられないことである。
「父上、母上、ここで話すのもなんでしょう。話しは、中に入ってしましょう」
「うむ、それがいいだろうな」
そこで、お兄様が声をあげた。
ここでも、まとめてくれるのはお兄様だ。
確かに、いつまでも外で話すことはない。中で、お茶でも飲みながら話すのが、いいだろう。
こうして、私達は家の中に入るのだった。
今日は、特別な休日だ。なぜなら、この家に、お父様とお母様が来るからである。
私とお兄様とレティは、外で待っていた。
お父様とお母様の馬車が近づいてきているからだ。
「来たか……」
「来ましたね……」
それに対して、お兄様とレティは少し表情を改める。
二人は、両親に対して、色々と複雑な感情があるのだ。
私は、優しくなったお父様とお母様しか知らないが、昔は二人とも今とはまったく違う人だったらしい。
そして、お世辞にも家族間の仲は良くなかったそうだ。それが、私の本当の両親が、お父様を助けたことによって、徐々に改善されて、今のようになったらしい。
「あっ……」
私がそんなことを考えている内に、馬車が着いていた。
その戸が開き、中からゆっくりと二人が出てくる。
「ふむ……」
お父様は、お兄様と非常によく似ていて、とてもかっこいい人だ。
強く凛々しい面もあるが、本当に優しい人である。
「あら……」
お母様は、レティとよく似ていて、とても美しい人だ。
お母様もお父様と同じくとても優しい人だ。それに、明るい人でもある。
出てきたお父様とお母様と、私達三人が向き合う。
少しだけ、重い空気が周囲に流れる。
「お久し振りですね、父上、母上」
「ふむ、久しいな、リクルド……」
「久し振りね、リクルド」
まず言葉を放ったのは、お兄様だ。
こういう時に、一番に声をあげてくれるのが、お兄様のすごい所である。長男としての役目もあるとは思うが、私ではとても話せそうにない。
お兄様の言葉に、お父様もお母様も笑顔で応えている。それにより、周囲の空気は柔らかくなっていく。
「ルリアもレティも、元気だったか?」
「はい、お父様……」
「お、お陰様で、元気に過ごせています……」
お父様は、私とレティにそう語りかけてくれた。
その笑顔は、とても優しいものだ。昔は、厳しい人だったらしいが、私にはこういう優しいイメージしかない。
それに対して、レティはまだ少し怖いと思っているようである。本当に少しだけだが、声が震えているのが、その証拠だ。
「二人とも、元気だったなら、幸いだわ」
「はい、ありがとうございます、お母様」
「あ、ありがとうございます……」
次に声をかけてくれたのは、お母様だ。
お母様は、言葉と同時に私達に近づいてくる。
「ああ、私の可愛い娘達!」
「あっ! お母様!」
「うわあっ!」
そして、そのまま私とレティを抱きしめてきた。
お母様と会う時は、これがいつも基本的な挨拶だ。
そのため、わかっていたことである。しかし、それでも少し驚いてしまうのが、この大胆な挨拶だ。
お母様は、昔は暗い雰囲気だったと聞いている。だが、今はとても明るく太陽のような人だ。こちらも、私は明るいイメージしかないので、昔のことが信じられない。
「うん、いつも通りみたいね」
「はい、いつも通り元気です」
「リクルドは、これを許してくれないから、チェックできないけど、元気かしら?」
「……ええ」
お母様は、この挨拶をお兄様にもしようとしていた。
しかし、お兄様がそれを拒否したため、実現はしていない。いくらお兄様でも、この挨拶は恥ずかしいのだろう。
「ふむ、君はいいね。そういう挨拶ができて……」
「ふふふ、母親の特権というところかしら」
ちなみに、お父様もこの挨拶をしたいと思っているらしい。
私は構わなかったが、レティが拒否したのとお兄様が止めたことによって、それは実現しなかった。
少し可哀そうだが、お父様も納得していたので、恐らく大丈夫なのだろう。
「あなたは、私で我慢してね」
「そう言われると、そうするしかないね」
そんなことを考えていると、お母様がお父様に腕を絡めた。
この二人は、とても仲のいい夫婦だ。ただ、これも昔は違ったらしい。
昔の二人は、冷めきっていたようだ。今の仲良しな様子からは、とても信じられないことである。
「父上、母上、ここで話すのもなんでしょう。話しは、中に入ってしましょう」
「うむ、それがいいだろうな」
そこで、お兄様が声をあげた。
ここでも、まとめてくれるのはお兄様だ。
確かに、いつまでも外で話すことはない。中で、お茶でも飲みながら話すのが、いいだろう。
こうして、私達は家の中に入るのだった。
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