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16.笑顔を浮かべて
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「……まさか、私が知らない間にそんなことになっているなんて思ってもいなかったけれど」
「まあ、そうですよね」
ことの顛末を聞いたお母様は、目を丸めて驚いていた。
それはそうだろう。知らぬ間に、私の婚約が決まって破談になって、お父様が失脚したと聞けば誰だって驚くはずだ。
ましてや、私の隣にはルライド様までいる。お母様の理解は、少し追いついていないかもしれない。
「でも、アナティアもイルティアもいい顔をしているし、これできっとよかったのね」
「ええ、色々とありましたが、私はこれが最良の結果だと思っています」
「私もお姉様と意見は同じです。今はとても、いい気分ですから」
お父様を排除できたことは、私達にとっては幸いなことである。彼がいなくなったことで、私達はやっと家族として普通に過ごすことができるだろう。
それに私は、良き婚約者も得られた。ルライド様がいてくれるなら、エンバラス伯爵家もきっと安泰である。
「ふふ、二人を見ていると、なんだか私まで元気になったような気がするわね」
「実際に元気になっているのではありませんか? 顔色もいいですし……」
「そうかしら? それなら、良いのだけれど……」
お父様がいなくなったことによって、お母様の体調もきっと回復に向かっていくだろう。お父様からのひどい扱いが体調を崩したそもそもの原因であるし、きっとそのはずだ。
「……ルライドさん、どうかこれからよろしくお願いしますね。アナティアはいい子なんて言ってしまうと、親バカになるかもしれないけれど」
「いいえ、そんなことはありませんよ。アナティア嬢は間違いなくいい子です。だから、任せてください。僕が必ず、アナティア嬢を幸せにしますから」
「ふふ、本当にアナティアはいい相手と巡り会えたようね……とても安心できたわ」
お母様からの言葉に、ルライド様はとても心強い言葉を返してくれた。
お母様の言う通り、彼と巡り会えたことは幸福であるとしか言いようがない。何から何まで、本当に頼りになる人だ。
「考えてみれば、舞踏会で出会った男性と結ばれるなんて、中々ロマンチックね……」
「確かにそうですね。私も少し憧れます」
「次はイルティアの番ね。あなたにもいい人が見つかればいいけれど……」
お母様とイルティアは、そのように笑顔で言葉を交わしていた。
それを見ながら、私も笑顔になる。二人がこのように笑い合えるようになって、本当によかったと思ったのだ。
そんな私は、ふと視線に気付いた。ルライド様が、私の方を向いているのだ。
「アナティア嬢、改めて言っておきます。必ずあなたを幸せにします」
「ルライド様……ありがとうございます」
ルライド様の真っ直ぐな言葉に、私は再び笑顔を浮かべるのだった。
「まあ、そうですよね」
ことの顛末を聞いたお母様は、目を丸めて驚いていた。
それはそうだろう。知らぬ間に、私の婚約が決まって破談になって、お父様が失脚したと聞けば誰だって驚くはずだ。
ましてや、私の隣にはルライド様までいる。お母様の理解は、少し追いついていないかもしれない。
「でも、アナティアもイルティアもいい顔をしているし、これできっとよかったのね」
「ええ、色々とありましたが、私はこれが最良の結果だと思っています」
「私もお姉様と意見は同じです。今はとても、いい気分ですから」
お父様を排除できたことは、私達にとっては幸いなことである。彼がいなくなったことで、私達はやっと家族として普通に過ごすことができるだろう。
それに私は、良き婚約者も得られた。ルライド様がいてくれるなら、エンバラス伯爵家もきっと安泰である。
「ふふ、二人を見ていると、なんだか私まで元気になったような気がするわね」
「実際に元気になっているのではありませんか? 顔色もいいですし……」
「そうかしら? それなら、良いのだけれど……」
お父様がいなくなったことによって、お母様の体調もきっと回復に向かっていくだろう。お父様からのひどい扱いが体調を崩したそもそもの原因であるし、きっとそのはずだ。
「……ルライドさん、どうかこれからよろしくお願いしますね。アナティアはいい子なんて言ってしまうと、親バカになるかもしれないけれど」
「いいえ、そんなことはありませんよ。アナティア嬢は間違いなくいい子です。だから、任せてください。僕が必ず、アナティア嬢を幸せにしますから」
「ふふ、本当にアナティアはいい相手と巡り会えたようね……とても安心できたわ」
お母様からの言葉に、ルライド様はとても心強い言葉を返してくれた。
お母様の言う通り、彼と巡り会えたことは幸福であるとしか言いようがない。何から何まで、本当に頼りになる人だ。
「考えてみれば、舞踏会で出会った男性と結ばれるなんて、中々ロマンチックね……」
「確かにそうですね。私も少し憧れます」
「次はイルティアの番ね。あなたにもいい人が見つかればいいけれど……」
お母様とイルティアは、そのように笑顔で言葉を交わしていた。
それを見ながら、私も笑顔になる。二人がこのように笑い合えるようになって、本当によかったと思ったのだ。
そんな私は、ふと視線に気付いた。ルライド様が、私の方を向いているのだ。
「アナティア嬢、改めて言っておきます。必ずあなたを幸せにします」
「ルライド様……ありがとうございます」
ルライド様の真っ直ぐな言葉に、私は再び笑顔を浮かべるのだった。
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クソ親父には別荘なんてもったいないよ!
お二人は嫌がるかも知れないけど、祖父母の家で監視される生活がお似合いかと(笑)
素敵なお話ありがとうございました。
これからもご活躍楽しみにお待ちしています
感想ありがとうございます。
確かに祖父母の家の方が良かったかもしれないですね。
この作品で楽しんでいただけたなら幸いです。