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15.出会ったのは

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 私は、今日も王城内を探索していた。
 ロウガスト様は、恐らく修練場にいるだろう。トリッシュ嬢から話を聞きたいとそう言っていたからだ。
 二人の会話に、私が入るべきではない。という訳で、今日は他の場所に行ってみることにする。

「後、会っていないのはオリフィア嬢とソルーナ嬢か……彼女達は、何をしているんだろう?」

 せっかくなので、私はまだ話したことがない令嬢二人を探してみることにした。
 しかし、手がかりはまったくない。一体、彼女達は何をしているのだろうか。

「あれ?」

 そんな私は、前方から見知った人物が歩いて来るのに気づいた。
 その人物とは、コーネリア嬢である。彼女は、青い顔をして歩いて来ている。私の存在には、まだ気づいていないようだ。

「……コーネリア嬢?」
「え? あっ……ノーティア嬢でしたか」

 私が話しかけると、コーネリア嬢は驚いたような表情を見せた。
 なんというか、少し怯えているようにも見える。
 昨日話しただけだが、彼女がどのような人物かはある程度わかっている。コーネリア嬢は、もっと気丈な人だったはずだ。

「何かあったのですか? コーネリア嬢?」
「……いえ、なんでもありません」

 私の言葉に、コーネリア嬢はゆっくりと首を振った。
 しかし、何もなかったとは思えない。

 だが、それを聞き出すべきなのだろうか。それは少し、怪しい所だ。
 個人的なことかもしれないし、深く聞いてはならないことかもしれない。

 ただ、だからといって、このまま放っておくのもどうなのだろうか。
 なんというか、とても落ち込んでいるようだし、少し心配である。

「……ノーティア嬢、申し訳ありません。少しこちらに来てもらえますか?」
「え?」

 私が考えている内に、コーネリア嬢はそんなことを言ってきた。
 そして、そのまま私の腕を引っ張ってくる。どうやら、どこかに来て欲しいようだ。
 よくわからないが、私はそれに従うことにする。

「あれ? ここは……」
「私の部屋です……」
「そうですよね……」
「入ってください」
「え? ええ……」

 コーネリア嬢に連れて来られたのは、彼女の部屋だった。
 彼女に引っ張られたまま、私はその部屋の中に入っていく。

「……え?」

 その部屋の中を見て、私は驚くことになった。
 なぜなら、そこが明らかに普通の状態ではなかったからだ。

「これは、一体……」
「……」

 コーネリア嬢の部屋は、荒らされていた。
 ベッドやカーテン、さらには壁まで切り込みが入っており、まるで台風でも通った後のようだ。
 一体、何が起こったのだろうか。私は困惑してしまう。
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