15 / 22
15.出会ったのは
しおりを挟む
私は、今日も王城内を探索していた。
ロウガスト様は、恐らく修練場にいるだろう。トリッシュ嬢から話を聞きたいとそう言っていたからだ。
二人の会話に、私が入るべきではない。という訳で、今日は他の場所に行ってみることにする。
「後、会っていないのはオリフィア嬢とソルーナ嬢か……彼女達は、何をしているんだろう?」
せっかくなので、私はまだ話したことがない令嬢二人を探してみることにした。
しかし、手がかりはまったくない。一体、彼女達は何をしているのだろうか。
「あれ?」
そんな私は、前方から見知った人物が歩いて来るのに気づいた。
その人物とは、コーネリア嬢である。彼女は、青い顔をして歩いて来ている。私の存在には、まだ気づいていないようだ。
「……コーネリア嬢?」
「え? あっ……ノーティア嬢でしたか」
私が話しかけると、コーネリア嬢は驚いたような表情を見せた。
なんというか、少し怯えているようにも見える。
昨日話しただけだが、彼女がどのような人物かはある程度わかっている。コーネリア嬢は、もっと気丈な人だったはずだ。
「何かあったのですか? コーネリア嬢?」
「……いえ、なんでもありません」
私の言葉に、コーネリア嬢はゆっくりと首を振った。
しかし、何もなかったとは思えない。
だが、それを聞き出すべきなのだろうか。それは少し、怪しい所だ。
個人的なことかもしれないし、深く聞いてはならないことかもしれない。
ただ、だからといって、このまま放っておくのもどうなのだろうか。
なんというか、とても落ち込んでいるようだし、少し心配である。
「……ノーティア嬢、申し訳ありません。少しこちらに来てもらえますか?」
「え?」
私が考えている内に、コーネリア嬢はそんなことを言ってきた。
そして、そのまま私の腕を引っ張ってくる。どうやら、どこかに来て欲しいようだ。
よくわからないが、私はそれに従うことにする。
「あれ? ここは……」
「私の部屋です……」
「そうですよね……」
「入ってください」
「え? ええ……」
コーネリア嬢に連れて来られたのは、彼女の部屋だった。
彼女に引っ張られたまま、私はその部屋の中に入っていく。
「……え?」
その部屋の中を見て、私は驚くことになった。
なぜなら、そこが明らかに普通の状態ではなかったからだ。
「これは、一体……」
「……」
コーネリア嬢の部屋は、荒らされていた。
ベッドやカーテン、さらには壁まで切り込みが入っており、まるで台風でも通った後のようだ。
一体、何が起こったのだろうか。私は困惑してしまう。
ロウガスト様は、恐らく修練場にいるだろう。トリッシュ嬢から話を聞きたいとそう言っていたからだ。
二人の会話に、私が入るべきではない。という訳で、今日は他の場所に行ってみることにする。
「後、会っていないのはオリフィア嬢とソルーナ嬢か……彼女達は、何をしているんだろう?」
せっかくなので、私はまだ話したことがない令嬢二人を探してみることにした。
しかし、手がかりはまったくない。一体、彼女達は何をしているのだろうか。
「あれ?」
そんな私は、前方から見知った人物が歩いて来るのに気づいた。
その人物とは、コーネリア嬢である。彼女は、青い顔をして歩いて来ている。私の存在には、まだ気づいていないようだ。
「……コーネリア嬢?」
「え? あっ……ノーティア嬢でしたか」
私が話しかけると、コーネリア嬢は驚いたような表情を見せた。
なんというか、少し怯えているようにも見える。
昨日話しただけだが、彼女がどのような人物かはある程度わかっている。コーネリア嬢は、もっと気丈な人だったはずだ。
「何かあったのですか? コーネリア嬢?」
「……いえ、なんでもありません」
私の言葉に、コーネリア嬢はゆっくりと首を振った。
しかし、何もなかったとは思えない。
だが、それを聞き出すべきなのだろうか。それは少し、怪しい所だ。
個人的なことかもしれないし、深く聞いてはならないことかもしれない。
ただ、だからといって、このまま放っておくのもどうなのだろうか。
なんというか、とても落ち込んでいるようだし、少し心配である。
「……ノーティア嬢、申し訳ありません。少しこちらに来てもらえますか?」
「え?」
私が考えている内に、コーネリア嬢はそんなことを言ってきた。
そして、そのまま私の腕を引っ張ってくる。どうやら、どこかに来て欲しいようだ。
よくわからないが、私はそれに従うことにする。
「あれ? ここは……」
「私の部屋です……」
「そうですよね……」
「入ってください」
「え? ええ……」
コーネリア嬢に連れて来られたのは、彼女の部屋だった。
彼女に引っ張られたまま、私はその部屋の中に入っていく。
「……え?」
その部屋の中を見て、私は驚くことになった。
なぜなら、そこが明らかに普通の状態ではなかったからだ。
「これは、一体……」
「……」
コーネリア嬢の部屋は、荒らされていた。
ベッドやカーテン、さらには壁まで切り込みが入っており、まるで台風でも通った後のようだ。
一体、何が起こったのだろうか。私は困惑してしまう。
15
お気に入りに追加
959
あなたにおすすめの小説
好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?
公爵令嬢のささやかな悩み~浮気な婚約者に別れを告げたら年下腹黒王子に秒で捕まりました~
しましまにゃんこ
恋愛
賑やかなパーティー会場から離れ、一人バルコニーに佇むエリーゼ。
公爵令嬢である彼女は、今日も浮気な婚約者に悩まされていた。
エリーゼに見せつけるように、他の令嬢と戯れるアルバート。
本来勝気なエリーゼは、自分よりも身分の低い婚約者に対して黙っているようなタイプではなかった。しかし、エリーゼは不実な態度を取り続ける婚約者に対して強気な態度をとれないでいた。
なぜなら、うっかり聞いてしまった友人たちとの本音トークに、自分自身の足りなさを知ってしまったから。
胸元にそっと手を置き嘆くエリーゼ。
「いいわね、見せつけるものがある人は……」
女の価値は胸の大きさにあると豪語する婚約者の言葉に、すっかり自信を失ったエリーゼ。
華奢な彼女は、婚約者に寄り添う胸の豊かな令嬢に対し、敗北感を募らせていた。どうやら婚約者は運命の愛を見つけたらしい。
「この婚約は破棄するしかないわね」
私もできれば愛する人と結ばれたかった。でも、自分には叶いそうにない。惨めさに思わず涙がこぼれる。
とそこに、幼いころともに遊んだ王太子殿下が現れて。
「ねえ、君を泣かせたのは、あいつ?」「僕なら泣かせないのにな」
ぐいぐい迫ってくる殿下の真意は!?エリーゼの恋の行方は!?
小さなコンプレックスに悩む可愛い公爵令嬢と、公爵令嬢の全てを奪いつくしたい見た目天使、中身腹黒な初恋拗らせ王太子殿下の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
精霊に愛されし侯爵令嬢が、王太子殿下と婚約解消に至るまで〜私の婚約者には想い人がいた〜
水都 ミナト
恋愛
精霊王を信仰する王国で、マナの扱いに長けた侯爵家の娘・ナターシャ。彼女は五歳でレイモンド王太子殿下の婚約者に抜擢された。
だが、レイモンドはアイシャ公爵令嬢と想い合っていた。アイシャはマナの扱いが苦手で王族の婚約者としては相応しくないとされており、叶わない恋であった。
とある事件をきっかけに、ナターシャは二人にある提案を持ち掛けるーーー
これはレイモンドとアイシャ、そしてナターシャがそれぞれの幸せを掴むまでのお話。
※1万字程度のお話です。
※他サイトでも投稿しております。
辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです
茜カナコ
恋愛
辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです
シェリーは新しい恋をみつけたが……
自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のレティシアは婚約者との顔合わせの日、前世の記憶を取り戻す。
乙女ゲームの王道的悪役ヒロインの立ち位置にいる事に。
このままでは多くの人が悲しむ結果になる。
ならば家を存続させ一人で罪を被って国外追放なろう!と思いきや。
貴族令嬢としては色々ぶっ飛び過ぎてポンコツ令嬢のレティシアに悪女は厳しかった。
間違った悪役令嬢を演じる末に嫌われるはずの婚約者に愛されてしまう中真のヒロインが学園に現れるのだが…
「貴女悪役令嬢の癖にどういう事よ!ちゃんと役目を果しなさいよ」
「えっと…なんかごめんなさい」
ポンコツ令嬢はうっかりヒロインに頭を下げてしまって事態は急変してしまう。
妹ばかりを贔屓し溺愛する婚約者にウンザリなので、わたしも辺境の大公様と婚約しちゃいます
新世界のウサギさん
恋愛
わたし、リエナは今日婚約者であるローウェンとデートをする予定だった。
ところが、いつになっても彼が現れる気配は無く、待ちぼうけを喰らう羽目になる。
「私はレイナが好きなんだ!」
それなりの誠実さが売りだった彼は突如としてわたしを捨て、妹のレイナにぞっこんになっていく。
こうなったら仕方ないので、わたしも前から繋がりがあった大公様と付き合うことにします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる