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美咲ルート
ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美咲√(17)
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「むぅ……」
「……」
キャッチャーゲームへと視線を向け、真剣な表情を浮かべている彼。そんな彼の様子を横目で見える度、私は少しだけドキンと胸の奥が締め付けられるような感覚が走る。
「(まさか……こんな事でそこまで真剣になさって下さるとは)」
別に彼の事を信頼していない訳では無いのだが、それでもここまで真剣に考えてくれるとは思わなかった。単なる玩具の指輪であったとしても、これはこれで恥ずかしい物である。周囲の視線が妙に気になって……ん?
「「……あ」」
「ん?どうした?美咲」
「あぁ、いえ。なんでもありませんわ、お兄様」
何故?どうして美羽がここに?という疑問はあるのだが、目が合ったからにはやるべき事は一つだろう。
「えっと……お兄様?」
「何だ?」
「少しお花を摘みに行ってきます。それまでに是非、私の好みの色の指輪――期待していますわね♪」
「お、おう。ま、任しとけ」
私の言葉を聞いた瞬間、微かな冷や汗を流しながらもそう言った。無理強いしてるようで気が引けるが、私の為だけに頑張ってくれている彼はやはり素敵だと思う私です。そんな事を思いつつ、私は視線が重なった疑問へと近寄る。
「そそ~……」
「美・羽♪」
「ヒッ……あ~、あはは。き、奇遇だねぇ美咲ぃ。げ、元気ぃ?」
「はい、凄く元気ですよ♪」
「そ、そう。じ、じゃあ美羽……友達の所に戻るから」
「ご安心を。お友達には私から説明して差し上げますので、貴女はご自分の心配をしたらどうですか?」
「あぁ、えっと……美咲、怒ってる?」
「いいえ、怒ってませんよ♪んふふ♪」
私はニコッと笑みを浮かべる。
「……(嘘だ!!!絶対嘘だよね!?怒ってるよ、絶対怒ってるよ!!!)」
「はぁ……美羽の考えている事だから、『私とお兄様とのデートを成功させよう』とかなんとか考えたんでしょうけど」
「それ、美羽の真似?」
「――余計な心配です。その気持ちだけで十分ですよ、美羽」
「で、でも美咲には幸せになって欲しいし……だから友達にも協力してもらって」
なるほど。美羽一人でこんな事をするとは思えないし、そんな事だろうと思っていた。まぁ詮索するつもりも無いし、これ以上の説教もするつもりも無い。ただ美羽の事だから、生半可な事を言えば反省せずに尾行を続ける事は間違い無いだろう。
ならば私は、これ以上の介入をさせないように釘を刺しておくとしよう。
「ねぇ美羽?」
「な、何かな美咲」
「次、私がお兄様とのデート中に視界に入ったらどうなるか。お分かり?」
「は、はい」
「……」
キャッチャーゲームへと視線を向け、真剣な表情を浮かべている彼。そんな彼の様子を横目で見える度、私は少しだけドキンと胸の奥が締め付けられるような感覚が走る。
「(まさか……こんな事でそこまで真剣になさって下さるとは)」
別に彼の事を信頼していない訳では無いのだが、それでもここまで真剣に考えてくれるとは思わなかった。単なる玩具の指輪であったとしても、これはこれで恥ずかしい物である。周囲の視線が妙に気になって……ん?
「「……あ」」
「ん?どうした?美咲」
「あぁ、いえ。なんでもありませんわ、お兄様」
何故?どうして美羽がここに?という疑問はあるのだが、目が合ったからにはやるべき事は一つだろう。
「えっと……お兄様?」
「何だ?」
「少しお花を摘みに行ってきます。それまでに是非、私の好みの色の指輪――期待していますわね♪」
「お、おう。ま、任しとけ」
私の言葉を聞いた瞬間、微かな冷や汗を流しながらもそう言った。無理強いしてるようで気が引けるが、私の為だけに頑張ってくれている彼はやはり素敵だと思う私です。そんな事を思いつつ、私は視線が重なった疑問へと近寄る。
「そそ~……」
「美・羽♪」
「ヒッ……あ~、あはは。き、奇遇だねぇ美咲ぃ。げ、元気ぃ?」
「はい、凄く元気ですよ♪」
「そ、そう。じ、じゃあ美羽……友達の所に戻るから」
「ご安心を。お友達には私から説明して差し上げますので、貴女はご自分の心配をしたらどうですか?」
「あぁ、えっと……美咲、怒ってる?」
「いいえ、怒ってませんよ♪んふふ♪」
私はニコッと笑みを浮かべる。
「……(嘘だ!!!絶対嘘だよね!?怒ってるよ、絶対怒ってるよ!!!)」
「はぁ……美羽の考えている事だから、『私とお兄様とのデートを成功させよう』とかなんとか考えたんでしょうけど」
「それ、美羽の真似?」
「――余計な心配です。その気持ちだけで十分ですよ、美羽」
「で、でも美咲には幸せになって欲しいし……だから友達にも協力してもらって」
なるほど。美羽一人でこんな事をするとは思えないし、そんな事だろうと思っていた。まぁ詮索するつもりも無いし、これ以上の説教もするつもりも無い。ただ美羽の事だから、生半可な事を言えば反省せずに尾行を続ける事は間違い無いだろう。
ならば私は、これ以上の介入をさせないように釘を刺しておくとしよう。
「ねぇ美羽?」
「な、何かな美咲」
「次、私がお兄様とのデート中に視界に入ったらどうなるか。お分かり?」
「は、はい」
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