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美咲ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美咲√(13)

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 ――神楽坂美咲とは、義理の妹の一人である。今更何故このような紹介をし始めたかというと、事実上の確認を自分自身でしたかったというのが主な理由だ。何故なら、彼女は義理は義理でも妹は妹であるという事だ。決して言い訳をしたいとは思っていないのだが、それでも現状確認をしていなければ真っ当では居られない。

 「~~♪」
 「……」

 片手に繋がれた美咲の手を伝って、鼻歌混じりにウキウキな様子で歩く彼女。そんな彼女の様子を眺めていると、やはり妹ではないのかもしれないと錯覚してしまう。戸籍上は妹としてなっているのだが、それでも血の繋がりが無いというのもまた事実。
 しかし、それでも擦れ違う人たちの視線を気にしてしまうのは、致し方ない事なのだと思う。

 「お兄様?キョロキョロしてどうしたのですか?」
 「あぁ、いや……ちょっと気になってな。お前は楽しそうだな、美咲」
 「ええ、せっかくお兄様とのデートですもの。楽しく無いはずが無いです♪」

 美咲は、ニコッと笑みを浮かべてそんな事を言った。俺の考えている事が小さく、そしてどうでも良いという事を自覚させられてしまう。そんな笑顔だったが、俺は少し申し訳ない気持ちになってしまった。

 「(せっかく俺とのデート、か。くだらない事を考える前に、俺も楽しまないとな)」
 「???」
 「いや、なんでもない。そうだな。せっかくのデートだもんな」
 「は、はい///」

 デートという部分をわざと強調してしまったが、美咲は嬉しそうに微笑んだ。正直に言えば、俺も少々浮かれているのかもしれない。勉強漬けの毎日だったし、たまにはこういう気分転換も良いものだろう。俺も美咲も、成績に問題は無いから、羽を伸ばすって意味でも良い機会となる。

 「そういえばお兄様、今からどちらへ向かうのですか?」
 「あぁ、特に決めて無いんだけどな?俺は美咲の行きたい所にしようと思ったんだけど、何処かあるか?」
 「うーん、そうですねぇ……」

 少し考えている仕草の美咲は、難しい顔を浮かべて思考を働かせる。彼女の事だ。きっと俺の事も考えて場所を選ぼうとするだろう。だからここは、先に選択肢を潰させてもらおうかな。

 「――美咲、お前の行きたい場所を選んでくれな?俺の事は考えなくて良い」
 「え?でも」
 「俺はお前の行きたい場所になら、何処だって一緒に行くさ。今日ぐらいは、我儘言っても良いんじゃないか?」
 「お兄様……」

 そう呟く彼女は、やがて納得したのか。ぱぁっと輝くような表情を浮かべて、俺の手から手を離して腕へと絡み付いた。

 「ではお兄様、私の行きたい場所をお教えします。嫌だと言っても、逃がしませんからね♪」
 「あぁ、楽しみにしてるよ」
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