異世界探検物語

あつし

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豆の世界

豆って最近食べてないな

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自分たちが来たところは村。誰がどう見ても村って言うだろう。第一声をあげてみる。
「ここは?」
「村だな。」
「村っすね。」
やっぱりな。心の中で少し嬉しさを感じていると、神様63号の声が聞こえた。
「ようこそ異世界へ。とりあえずそこの家を訪ねてくれ。家の人に話をつけてるから。君たちを泊めてくれることになったぞ。」
それはありがたい。泊まる場所探しから始まると思ってたからな。
「よし。じゃんけんだ!」
負けた。悔しい。やりたくない。だが決まったことだ。勇気を出してドアをノックする。
「は~い。」
まさかの女性の声だ。自分は女性に慣れてないから緊張してきた。そして出てきたのは青髪の美人だ。鈴木の好きなタイプの人だ。
「あ、あの~。」
「あ!異世界から来た人たちね。中に入って。」
よかった。神様がちゃんと話をつけてくれたんだな。
「じゃあ、お邪魔します。」
残りの2人も挨拶して中に入った。ちょうどおなかが空いてきたから嬉しい。
「みなさんのためにご飯を用意したの。食べながらお話でもしましょう。」
「本当ですか?ありがとうございます。」
まさかご飯をたべられるなんて。ちょうどおなかが空いてきたから嬉しい。女性は食事の準備を始めた。
「いやー、こんなことがあるんだな。異世界に行って感想を書くだけでお金がもらえるなんて。しかも飯も寝る場所もある。」
鈴木の言う通りだ。こんなバイトができるなんて奇跡だもんな。
「でも僕、感想書くの苦手なんっすよね。」
自分もそうだ。読書感想文に5時間かかってしまったこともあった。それがこのバイトの唯一の嫌なことだな。期待と不安をそれぞれぶちまけていると、女性が話しかけた。
「そういえば自己紹介してなかったわよね。私はミナ。よろしくね。」
自分たちも自己紹介をした。そして、女性は食事をもってきた。
「できたわよ。さあ、食べましょう。」
「はい。いただきます!」
3人声を揃えて言った。しかし、誰も食べ始めない。そりゃそうだ。本来米がある場所に緑色の豆がある。空気の読みあいをして、ジョージが質問した。
「すいません…。なんでお米じゃなくて豆なんっすか?」
「ん?お米ってなぁに?」
ミナさんはお米を知らない?まあ異世界だから米がないのも不思議ではないだろう。
「そういえば、あなたたちは『まあまあ発展の世界』から来たのよね?」
「まあまあ発展の世界!?」
鈴木が声を荒げて言った。どうやら自分たちの世界は『まあまあ発展の世界』らしい。もっとマシな名前はないのか。
「で、私の世界は『豆の世界』っていうらしいわ。」
『豆の世界』か。この異世界は米が豆になっている。米は好きだから残念だ。それからは異世界交流が始まった。
「へ~。あなたたちの世界にはお米っていうものがあるのね。」
「小麦はあるんですか?」
「それもないわね。」
まさかの小麦も無かった。それじゃあパンも食べられないではないか。自分は米と小麦というものをできるだけ分かりやすく説明した。
「おもしろいわね。あなたたちの世界のこともっと教えて。」
食事をしながら異世界交流が続く。『豆の世界』のことがだんだん分かってきた。まず、米と小麦がない。その代わりに豆を食べているみたいだ。それ以外は変わったところはなく、食事のメニューは豆とスープとサラダ、そして唐揚げ。あと、自分たちの世界よりも発展はしていない。自分たちの世界は『まあまあ発展の世界』だからな。ということはもっと発展している世界があるってことだよな。異世界交流はまだまだ続く。
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