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1. 殿下の秘密 - ②
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さて、俺が抱いていた「殿下は実は女ではないか説」については、あっけなく幕が降りた。
殿下の入浴中に刺客の侵入があり、それを取り押さえた際、なんと俺の目の前に殿下の殿下がお披露目されてしまったのである。
「申し訳ございません!」
王族の素っ裸を見ると言うのは中々のことだ。俺はすぐに目を逸らして謝罪したが、殿下は朗らかに笑っただけだった。
「気にしなくていいよ。それより皆びしょ濡れになっちゃったね。着替えておいでよ」
殿下は優しい声で言った。
少しだけ顔をあげると、また殿下の殿下が視界に入ってしまった。
でかい。
多分俺のものよりご立派である。
身長は俺より頭ひとつ分くらい殿下の方が低いし、顔もめちゃくちゃ可愛いのに、殿下の殿下は全然可愛くない。
俺は更衣室でルイと並んで着替えながら、何度目か分からない「でかい」を呟いた。
「もうその話は分かったよ。ショックだったんだな。飲みに行く?」
「俺はもう一生恋人もできないし結婚もできないかもしれない。カモノハシ亭のコショウが効いてるポテト食べたいしエール飲みたい」
別に俺は王太子妃の座を狙っていた訳ではないのだが、殿下が男と確定したのは割と本気でショックだった。
あんなに可愛いのに!
「分かった分かった、付き合うから。そう悲観的になるなよ。お父上に頼んで見合いでも設定してもらえば?」
「父上に頼んだら領地に引き戻されるから嫌だ。俺は殿下のそばにいたいんだ」
顔の可愛さの話しかしていないが、俺は殿下を心から尊敬している。殿下は寛容で、ユーモアがあって、輝いていて、優秀で、見てると力が湧いてくるような方だ。死ぬまで仕えると決めている。
「それは分かるけど。もしかしたらカモノハシ亭で良い出会いがあるかもしれないね。さっさと行くか。接客が得意な女の子好きだろ」
「笑顔が可愛い子に出会いたい」
「よし、じゃあ新しい笑顔が可愛い女の子を探しに行こう。ポテトだけは奢るよ」
ルイは、慰めるには少し強すぎる力で俺の背を叩いた。
*
カモノハシ亭には、笑顔が素敵な新しいバイトの女の子がいたが、彼女は婚約者持ちであった。
「はぁ、笑顔が眩しい。幸せになってくれ」
惚れる前だけど、あの子可愛いな~と思ったら他の客と婚約者の話をはじめた。傷が浅いうちに終わってよかった。
俺は惚れっぽいとは言われるけれど、毎回ちゃんと本気で惚れている。失恋すると寝る前にちょっと涙が出るくらい悲しい。
「なんで俺は彼女ができないんだ?!」
「仕事が忙しいからじゃないか」
「仕事忙しいけど、ちゃんと合間合間で会いに行ってるのに!」
近衛騎士の仕事は不規則勤務で、緊急呼び出しも多い。殿下より優先するものなんて何もないから、いくら恋にうつつを抜かしている状態だろうと呼び出されたら気持ちを切り替えなければならない。
そこについては、近衛騎士が恋人は作らないまま家の事情で結婚する奴が多い理由になっている。騎士に憧れる子はいても恋人や婚約者として仕事を理解してもらうのは難しい。
「同じ近衛騎士なのにルイはモテるじゃん」
「私は顔がとってもいいからね」
「……」
「っていうのは冗談で、私が彼女たちに気持ちがないのがバレてるから、疑似恋愛を楽しんでるだけじゃないかな。本気で迫られたことはない」
「ふーん、お前は好きな人いないの?」
「殿下」
「えっ」
まさかのライバル発言に驚いて目を見開くと、ルイは俺を揶揄うように笑った。
「よりも大切な人を作りたくない。仕事中にふと頭をよぎって判断を鈍らせるような存在はいらない」
ルイはキッパリと言い切った。
普段は物腰が柔らかなのに、こういう時のルイは近寄りがたく、刃物みたいな印象を受ける。
「自分の幸せはいらないってこと?」
「殿下を守るのが幸せってことだよ。『今ここで死んだら、彼女の顔はもう見れないのか』なんて思ってたら盾にはなれないだろ」
ルイは軽く口角を上げた。そしてエールを飲み干してから追加を注文した。
俺よりよっぽど貴族っぽい成りと振る舞いをしているが、元々ルイは平民である。
徴兵されて死にかけていたところ、殿下に魔法の才能を見出されて救われたと聞いている。今は辺境の伯爵家の養子に入り貴族の一員となっている。
自分の居場所を作ってくれて、さらに平民の生活も含めて国を豊かにするために尽力している殿下を俺以上に崇拝している。
俺も殿下のことは大好きだし、命だろうがなんだろうがいざと言うときは投げ出す覚悟をしている。けれど、それと自分の幸せは別の話だ。
他に守りたい人ができて、殿下と妻どちらを助けるのかと言われたら……どっちを助ければいいんだ。
「何を悩んでるんだ?」
「殿下と俺の奥さんが一緒に危険にさらされていたらどっちを助けるか」
考えるより先に身体が勝手に殿下を助けてる気がしなくもない。こんなんだから恋人ができないのだろうか。
「私が殿下を助けるから、お前はまず奥方を助ければいいんじゃないか。同僚なんだから協力しよう。後で合流してくれればいいよ」
「……!本当か?ありがとう。結婚式には絶対呼ぶから!」
俺は真剣に悩んでいて、真剣にお礼を言ったのに、ルイは吹き出して笑った。
*
殿下が好きで好きでしょうがないルイだが、ある日衝撃的なことを言ってきた。
「……は、引退?!」
近衛騎士を引退するというのである。
「うん。父の事業の後継者が失踪したらしくて、私に白羽の矢が立ったんだ。だから本当に残念だけれど、今日で引退だ」
「今日?!どういうこと?!」
引退も急だし、それが今日というのも急過ぎる。
「だから、今日で引退するんだって」
「本当にそれでいいのか?!殿下は?」
「もちろん殿下にも話してあるよ」
「いやいやいや、おかしいって。そんなんで急に引退とか、最低でも半年くらいは引き継ぎ期間取るだろ!」
ルイは呆れた顔をした。
「……チャールズ、殿下は代わりのない存在だけど、殿下の近衛騎士は何人もいるし、後ろも控えてる。一人入れ替えるのに半年も準備期間取るわけないだろ」
ルイの冷静な言葉が胸に突き刺さった。
それはつまり俺にも代わりがいるということなのだが、ルイがそんな、わざわざ人を傷つけるようなことを言うのも衝撃だった。
ルイは冷静に見えるけれど、多分内心心がぐちゃぐちゃになっていて、人を気遣えない状態になっているのだろう。
(本当はルイもここを去りたくないんだ)
恩のある伯爵を困らせたくなくて、迷う時間が出来ないような決断をしただけだ。
そう思ったら居ても立っても居られなくなった。
「殿下と話してくる」
「は?……ちょっと待った!」
俺は走って殿下の執務室に駆け込んだ。
殿下は軽く目を見開き、俺と、追いかけてきたルイを交互に見比べた。
人払いすると俺に結界を張るように命じた。
俺が言われた通りに防音の結界を張ると、殿下は俺たちに向き合った。
「そんなに慌ててどうしたの、チャーリー」
殿下はいつも通り穏やかな様子だった。
「その、……ルイが……引退すると聞きまして」
ルイが俺の腕を掴んで話を止めようとするので、俺はその手を振り払った。
「うん、それで?僕に話があるんだよね。聞くよ」
それで、と聞かれて、どうすればいいのか分からない。言葉が出てこず、殿下を黙って見つめてしまう。
「えっと、その……」
「大丈夫だよ。ゆっくり話してくれて構わない」
「ありがとうございます」
殿下の寛容さに感謝しつつ、ゆっくり息を吐いた。
「ルイは殿下のことを非常に慕っておりまして」
ルイが「おい」と小さく囁いた。
「うん」
「殿下から……えっと、ルイが伯爵家の養子に入っているのは殿下の図らいなんですよね?殿下から、伯爵を説得していただけませんか?ルイがここに残れるように」
「それは無理だよ」
殿下は即答した。
「!」
「僕もルイのこと説得しようとしたけど、出ていくって聞かないからね。自害を止めるので精一杯だったよ。伯爵から圧力をかけても無駄じゃないかな。ねぇ、ルイ」
「……」
俺は驚いてルイの顔を凝視してしまった。
「え?伯爵に言われたから引退するんじゃなくて、お前の意思で出てくのか?!なんでだよ」
「だから、事業を継ぐためだって言ってるだろ」
「嘘だ」
「いいから、もう。こんな話で殿下のお時間をいただくわけにはいかない。行くよ。殿下、大変申し訳ございませんでした。どうかご容赦ください」
ルイが礼をして、立ち去ろうとした。
追いかけて手を掴もうとするとすっと避けられる。
「エリーゼ」
殿下が後ろから知らない名前を呼んだ。
ルイの足が止まる。
「それが本名らしいよ。僕は性別なんてどちらでもいいから、残ればいいのにって言ってるのに、本当に頑ななんだよね。チャーリー、ルイのこと説得してくれない?お願い」
殿下は困ったように首をかしげた。
その仕草も表情も可憐な女の子にしか見えなくて、俺は先日見た殿下の殿下を思い出して混乱した。
それから目の前にいるルイに視線を戻した。
ルイは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「は……?」
殿下の入浴中に刺客の侵入があり、それを取り押さえた際、なんと俺の目の前に殿下の殿下がお披露目されてしまったのである。
「申し訳ございません!」
王族の素っ裸を見ると言うのは中々のことだ。俺はすぐに目を逸らして謝罪したが、殿下は朗らかに笑っただけだった。
「気にしなくていいよ。それより皆びしょ濡れになっちゃったね。着替えておいでよ」
殿下は優しい声で言った。
少しだけ顔をあげると、また殿下の殿下が視界に入ってしまった。
でかい。
多分俺のものよりご立派である。
身長は俺より頭ひとつ分くらい殿下の方が低いし、顔もめちゃくちゃ可愛いのに、殿下の殿下は全然可愛くない。
俺は更衣室でルイと並んで着替えながら、何度目か分からない「でかい」を呟いた。
「もうその話は分かったよ。ショックだったんだな。飲みに行く?」
「俺はもう一生恋人もできないし結婚もできないかもしれない。カモノハシ亭のコショウが効いてるポテト食べたいしエール飲みたい」
別に俺は王太子妃の座を狙っていた訳ではないのだが、殿下が男と確定したのは割と本気でショックだった。
あんなに可愛いのに!
「分かった分かった、付き合うから。そう悲観的になるなよ。お父上に頼んで見合いでも設定してもらえば?」
「父上に頼んだら領地に引き戻されるから嫌だ。俺は殿下のそばにいたいんだ」
顔の可愛さの話しかしていないが、俺は殿下を心から尊敬している。殿下は寛容で、ユーモアがあって、輝いていて、優秀で、見てると力が湧いてくるような方だ。死ぬまで仕えると決めている。
「それは分かるけど。もしかしたらカモノハシ亭で良い出会いがあるかもしれないね。さっさと行くか。接客が得意な女の子好きだろ」
「笑顔が可愛い子に出会いたい」
「よし、じゃあ新しい笑顔が可愛い女の子を探しに行こう。ポテトだけは奢るよ」
ルイは、慰めるには少し強すぎる力で俺の背を叩いた。
*
カモノハシ亭には、笑顔が素敵な新しいバイトの女の子がいたが、彼女は婚約者持ちであった。
「はぁ、笑顔が眩しい。幸せになってくれ」
惚れる前だけど、あの子可愛いな~と思ったら他の客と婚約者の話をはじめた。傷が浅いうちに終わってよかった。
俺は惚れっぽいとは言われるけれど、毎回ちゃんと本気で惚れている。失恋すると寝る前にちょっと涙が出るくらい悲しい。
「なんで俺は彼女ができないんだ?!」
「仕事が忙しいからじゃないか」
「仕事忙しいけど、ちゃんと合間合間で会いに行ってるのに!」
近衛騎士の仕事は不規則勤務で、緊急呼び出しも多い。殿下より優先するものなんて何もないから、いくら恋にうつつを抜かしている状態だろうと呼び出されたら気持ちを切り替えなければならない。
そこについては、近衛騎士が恋人は作らないまま家の事情で結婚する奴が多い理由になっている。騎士に憧れる子はいても恋人や婚約者として仕事を理解してもらうのは難しい。
「同じ近衛騎士なのにルイはモテるじゃん」
「私は顔がとってもいいからね」
「……」
「っていうのは冗談で、私が彼女たちに気持ちがないのがバレてるから、疑似恋愛を楽しんでるだけじゃないかな。本気で迫られたことはない」
「ふーん、お前は好きな人いないの?」
「殿下」
「えっ」
まさかのライバル発言に驚いて目を見開くと、ルイは俺を揶揄うように笑った。
「よりも大切な人を作りたくない。仕事中にふと頭をよぎって判断を鈍らせるような存在はいらない」
ルイはキッパリと言い切った。
普段は物腰が柔らかなのに、こういう時のルイは近寄りがたく、刃物みたいな印象を受ける。
「自分の幸せはいらないってこと?」
「殿下を守るのが幸せってことだよ。『今ここで死んだら、彼女の顔はもう見れないのか』なんて思ってたら盾にはなれないだろ」
ルイは軽く口角を上げた。そしてエールを飲み干してから追加を注文した。
俺よりよっぽど貴族っぽい成りと振る舞いをしているが、元々ルイは平民である。
徴兵されて死にかけていたところ、殿下に魔法の才能を見出されて救われたと聞いている。今は辺境の伯爵家の養子に入り貴族の一員となっている。
自分の居場所を作ってくれて、さらに平民の生活も含めて国を豊かにするために尽力している殿下を俺以上に崇拝している。
俺も殿下のことは大好きだし、命だろうがなんだろうがいざと言うときは投げ出す覚悟をしている。けれど、それと自分の幸せは別の話だ。
他に守りたい人ができて、殿下と妻どちらを助けるのかと言われたら……どっちを助ければいいんだ。
「何を悩んでるんだ?」
「殿下と俺の奥さんが一緒に危険にさらされていたらどっちを助けるか」
考えるより先に身体が勝手に殿下を助けてる気がしなくもない。こんなんだから恋人ができないのだろうか。
「私が殿下を助けるから、お前はまず奥方を助ければいいんじゃないか。同僚なんだから協力しよう。後で合流してくれればいいよ」
「……!本当か?ありがとう。結婚式には絶対呼ぶから!」
俺は真剣に悩んでいて、真剣にお礼を言ったのに、ルイは吹き出して笑った。
*
殿下が好きで好きでしょうがないルイだが、ある日衝撃的なことを言ってきた。
「……は、引退?!」
近衛騎士を引退するというのである。
「うん。父の事業の後継者が失踪したらしくて、私に白羽の矢が立ったんだ。だから本当に残念だけれど、今日で引退だ」
「今日?!どういうこと?!」
引退も急だし、それが今日というのも急過ぎる。
「だから、今日で引退するんだって」
「本当にそれでいいのか?!殿下は?」
「もちろん殿下にも話してあるよ」
「いやいやいや、おかしいって。そんなんで急に引退とか、最低でも半年くらいは引き継ぎ期間取るだろ!」
ルイは呆れた顔をした。
「……チャールズ、殿下は代わりのない存在だけど、殿下の近衛騎士は何人もいるし、後ろも控えてる。一人入れ替えるのに半年も準備期間取るわけないだろ」
ルイの冷静な言葉が胸に突き刺さった。
それはつまり俺にも代わりがいるということなのだが、ルイがそんな、わざわざ人を傷つけるようなことを言うのも衝撃だった。
ルイは冷静に見えるけれど、多分内心心がぐちゃぐちゃになっていて、人を気遣えない状態になっているのだろう。
(本当はルイもここを去りたくないんだ)
恩のある伯爵を困らせたくなくて、迷う時間が出来ないような決断をしただけだ。
そう思ったら居ても立っても居られなくなった。
「殿下と話してくる」
「は?……ちょっと待った!」
俺は走って殿下の執務室に駆け込んだ。
殿下は軽く目を見開き、俺と、追いかけてきたルイを交互に見比べた。
人払いすると俺に結界を張るように命じた。
俺が言われた通りに防音の結界を張ると、殿下は俺たちに向き合った。
「そんなに慌ててどうしたの、チャーリー」
殿下はいつも通り穏やかな様子だった。
「その、……ルイが……引退すると聞きまして」
ルイが俺の腕を掴んで話を止めようとするので、俺はその手を振り払った。
「うん、それで?僕に話があるんだよね。聞くよ」
それで、と聞かれて、どうすればいいのか分からない。言葉が出てこず、殿下を黙って見つめてしまう。
「えっと、その……」
「大丈夫だよ。ゆっくり話してくれて構わない」
「ありがとうございます」
殿下の寛容さに感謝しつつ、ゆっくり息を吐いた。
「ルイは殿下のことを非常に慕っておりまして」
ルイが「おい」と小さく囁いた。
「うん」
「殿下から……えっと、ルイが伯爵家の養子に入っているのは殿下の図らいなんですよね?殿下から、伯爵を説得していただけませんか?ルイがここに残れるように」
「それは無理だよ」
殿下は即答した。
「!」
「僕もルイのこと説得しようとしたけど、出ていくって聞かないからね。自害を止めるので精一杯だったよ。伯爵から圧力をかけても無駄じゃないかな。ねぇ、ルイ」
「……」
俺は驚いてルイの顔を凝視してしまった。
「え?伯爵に言われたから引退するんじゃなくて、お前の意思で出てくのか?!なんでだよ」
「だから、事業を継ぐためだって言ってるだろ」
「嘘だ」
「いいから、もう。こんな話で殿下のお時間をいただくわけにはいかない。行くよ。殿下、大変申し訳ございませんでした。どうかご容赦ください」
ルイが礼をして、立ち去ろうとした。
追いかけて手を掴もうとするとすっと避けられる。
「エリーゼ」
殿下が後ろから知らない名前を呼んだ。
ルイの足が止まる。
「それが本名らしいよ。僕は性別なんてどちらでもいいから、残ればいいのにって言ってるのに、本当に頑ななんだよね。チャーリー、ルイのこと説得してくれない?お願い」
殿下は困ったように首をかしげた。
その仕草も表情も可憐な女の子にしか見えなくて、俺は先日見た殿下の殿下を思い出して混乱した。
それから目の前にいるルイに視線を戻した。
ルイは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「は……?」
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