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28. 手紙

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孤児院の二人は無事にテストに合格して、地図作成の仕事に加わることができるようになった。作業が始まると、城下町に紺色の服を着た騎士団の人たちが溢れた。皆身体も大きいし、公的な制服を着た人がたくさんいるのは、前世の感覚では警察官が街に溢れかえっている時と似ていてちょっと怖い。街の人たちは毎年のことだから慣れているのか、誰も気にしていなかった。

私は隊服の紺色に紛れるように紺色の服を着て、目立たないように帽子を被り、ダメ押しでマリアに認識阻害をしてくれるという魔法をかけてもらって城下町に出ていた。マリアも自分自身に同じ魔法をかけているため、今日は一度も人に話しかけられていない。

孤児院の二人を遠くから邪魔にならないように見守ろうと思っていたのだけど、あまりにも人が多いし、連絡手段がないからどこにいるかも分からないし、結局ただ散歩するだけになってしまった。暖かく寒すぎない気持ちの良い天気で快適だ。

「この前の文房具店に行ってもいい?いつもと違う色のインクを買ってみたいの」
「ええ、もちろん。どなたかに手紙でも書くのですか?」
「ううん。二人がテオにお礼の手紙を書きたいって言ってたから、せっかくだからインクの色も選んでもらおうと思って」
「へぇ。殊勝な心がけだ。聖イリーネ孤児院の子どもたちは、素直だし人を敬う気持ちがありますよね。あの環境では珍しいと思います。殿下の影響なんですか?」
「え?ううん。最初からみんな良い子だったよ。施設長も良い人だし……あとはおじさまの影響じゃないかな?」

私はたくさんの孤児院に行ったことがあるわけではなくて比較できないけれど、ギルベルトとともに訪れた孤児院に対して、最初にテオドールやギルベルトから釘を刺された時のように環境が悪いとか歓迎されていないと感じたことがなかった。
子どもたちは素直で優しく、豊かではなさそうだけれど環境も清潔で整頓されていた。保護者であるシスターや先生たちも、暖かく見守ってくれている雰囲気がある。

「ギルベルト様は人徳者ですよね。確かに彼を見てると、憧れて行動を改めるかもしれません」
「そうだね。素敵な人だと思う」

マリアが一緒に孤児院に来てくれるようになってから、ギルベルトがいない日でも孤児院に行くようになっている。ギルベルト自身が忙しいらしくて以前ほど孤児院に顔を見せられないから、私が訪問することはありがたいと言ってくれた。

いつも穏やかだし、目が合うと微笑んでくれて安心感がある。一緒に街を歩いているといろんな人に慕われているのが分かるし、初対面の人とも昔からの友達みたいに打ち解けて話していることもある。王室の人間とは思えないほど気さくだ。

それでいて、立居振る舞いには非常に気品がある。話していて教養も感じる。城下町に住んでいるただのおじさんなんて自称するけれど、ただのおじさんじゃないことは孤児院の子どもたちでも感じているのではないかと思う。

先日と同じ道を歩いて行くと、だんだん騎士団の人たちが減ってきた。こっちの方はまだ作業する場所じゃないのかもしれない。

「殿下、前から人が」

角のところで、人にぶつかりそうになった。マリアが腕を引いて引き止めてくれたのでぶつかることはなくギリギリで避けた。紺色の隊服に、襟元の差し色は赤だ。さっきまでたくさんいた騎士団の人たちは皆第三騎士団の所属でカラーに緑色の装飾がついていたけれど、この人は第二騎士団だった。

「あ」

鉢合わせた人は、私が唯一名前と顔を知っている第二騎士団の団員だった。コーネリアスだ。流石に目がばっちり合った状態では認識阻害をしても意味がないと思い、思わずマリアの後ろに隠れる。それから、次に会ったらちゃんと挨拶をする関係だったことを思い出して、マリアの陰から出てきた。

コーネリアスは正式な挨拶をお辞儀をして頭を下げた。私も正式なお辞儀を返した。

「エリーナ殿下におかれましては、ご機嫌麗しく恐悦至極に存じます」
「ありがとう。コーネリアスも元気そうだね」

少しだけ気まずい沈黙が流れた。仲が良い訳でもない知り合いと鉢合わせた時の無言の時間というのは1番苦痛だ。
形式的な挨拶をされて警戒心も薄れたので、気になっていたことを聞いてみることにした。マリアも一緒だし、前のような恐怖心を感じない。

「……地図を直すのは今年は第三騎士団の仕事って聞いてたけど、一緒にやってるの?」

マリアがちら、と私に視線を投げ、そのまま何も言わずに会話の邪魔にならないところに身体を引いた。

「それは……グレイソン副団長に聞いたのですか?確かに今年だけ主導する騎士団が変わりました。恥ずかしながら私は過去深く関わってこなかったもので、業務理解のために勉強させていただいております」
「そうなんだ。テオは来年以降も戻せないだろうなって言ってたけど、そんなことないんだね」

一つテオドールの心配事が減ったようでよかった。コーネリアスは眉をあげた。

「そうなのですか?……聞いてないな。騎士団長はどういうつもりなんだ」

ぼそ、とコーネリアスが独り言をつぶやいた。どこの騎士団も騎士団長はあまり情報を降ろしてくれないものなのだろうか。少し笑いそうになってしまった。

「その件は上長に確認いたします。情報のご共有に感謝いたします。どうぞこの後も安全にお過ごしください。失礼いたします」

コーネリアスはもう一度お辞儀して、そのまま立ち去った。真面目で誠実な人柄がよく分かって、エリーナとして関わったことを少し申し訳なく思う。

「殿下」

マリアに呼ばれて、ぎくりとした。

「は、話すぎ……?」
「いいえ。殿下が無視できない性格なのは分かってましたし……向こうも粘着質のやばい男かと思ったら意外と良識的ですね。今一瞬こちらを見たけど、それは見逃しましょう」

マリアはコーネリアスの消えた方向に視線を向けて呟いた。

「そうだね。良い人そうだし……ちゃんと素敵な人に出会って欲しいな」

マリアは呆れた顔をして、首を横に振った。

「殿下……それは流石に……私でも同情します」
「え?」
「本気で愛してた女に、他に素敵な人を見つけて欲しいなんて言われるほど傷つくことはありませんよ。私の話を覚えてます?彼を思うなら幸せを願わないでほっといてあげてください」
「は、はい……」

そう言い換えられると、私の発言はマリアが夫に言われて部屋を爆発させるに至った発言に通じるものがあった。マリアは疑い深い顔で私を見ていた。

「本当に分かってます?旦那様にも自分より相応しい人がいるかもとか絶対言っちゃだめですよ。いませんからね?」
「い、言わない!言わないよ」

そう思ったことは何度もある。でも私は自分自身がテオドールと一緒にいたいし、自分で幸せにしたいと思ったのだ。どんなに自信がなくても、自分から他の人に席を譲るような発言をするつもりはない。

私は会話の流れを変えるために別の話をすることにした。

「あ、あの、マリアは、テオが欲しいものって知ってる?」
「……旦那様が欲しいもの?」

話を無理やり変えたことはもちろん気付かれただろうけど、マリアは新しい話題に乗ってくれるようだった。

「うん。昨日欲しいものがあるから協力して欲しいって言われたの」
「協力して欲しいのに殿下に教えてくれないんですか?」
「そうなの。準備中だからまだ言いたくないって」
「へぇ、なんでしょうね。昔からあまり自分の意思で何か欲しがってるイメージがないです」
「そうなの?」
「ええ、人から物をもらったら普通に喜ぶし、必要なものは買いますが……ふぅん、なんだろう。珍しいから私も気になります。探ってみようかな」

マリアはテオドールの過去のことも知っているようで、少し羨ましいと思った。

「マリアはいつからテオと知り合いなの?」

マリアは即答せず、過去を思い起こすようにうーん、と頭を捻った。

「ええと……十…何年前かな?父が旦那様を見習いとして連れてきた時に初めて会いました」
「そうなんだ」
「目つきが悪いチビとしか思わなかったし、その頃父は遠征でほぼ家にいなくて、私は母と王都に残ってたので他には全然印象がないです」
「目つきが悪い、チビ……」

目つきはいまもちょっと鋭い時があるけど、テオドールが小柄というのは想像できなかった。

「旦那様は目つきだけじゃなくて口も悪いし、喧嘩するとすぐ足が出るんですよ。可愛がられるような素直さもないし、古参の人間に死ぬほどいびられてたと思います」
「マリアも喧嘩したの?」

マリアは首を横に振った。

「いいえ。私は仮にも公爵家出の騎士団長の娘だし、母も結構位の高い家の娘なんですよ。態度が悪いだけの庶民の子どもなんて喧嘩の対象じゃなかったです。喧嘩は対等じゃないとできませんからね」

結構な言われようだ。今の二人が対等かは分からないけど、性格も把握してるし親しく見えた。いつ関係が変わったのだろうか。

「話す機会がなかった割には、今は仲が良さそうだけど」
「そうですね、悪くはないですよ。よく話すようになったのは父が再婚してからです。二人目の妻は家族はいつも一緒にいないといけないって人だったんで、遠征先だろうがどこだろうが連れ回されて……父としても私が勝手に騎士団に入った前科があるから見張りたかったんでしょう。その頃には旦那様もただのクソガキから魔法の才能を認められたクソガキになってました」
「クソガキなのは変わらないんだね……」
「ええ、私の身長を超すまでまあまあ時間がかかってたんで。でもちゃんと数年で自分の居場所を作ったのは素直にすごいと思いました。テオと話すようになってから私の口調が荒くなって、父はたまにぎょっとしてましたね」

マリアは懐かしそうに、はは、と笑った。

「ちなみに、もう時効だから私の両親の秘密をお伝えすると……二人は好き合ってたのに別れることになりました。母は父の気持ちが分からなくて、本当は追いかけて欲しくて離縁状を置いて出て行ったんですよ。父は、いつもは自分の考えと違うことは認めないくせに、その時だけ理解があるふりをしてそのまま受け入れました。未だに一緒に消えた使用人と駆け落ちしたと思ってるんです」
「えっ……?!そ、それは……マリアは知ってたけど言わなかったの?」
「母には言いましたよ。父にこういう駆け引きをしても意味がないから、ちゃんと思ってること言えばいいのにって。機会があったのに話し合わないことを選んだのは両親です。私がその時だけ介入しても、どうせまた同じことになるだろうなと思って止めませんでした」
「……」

マリアの発言があまりにも冷静で驚いてしまった。今淡々と話しているだけで、もしかしたら当時はすごく心を乱されていたのかもしれないけれど。

「なので、殿下」
「えっ?!」

私は突然話を振られてびくっと跳ね上がってしまった。マリアの話は聞き入っていると突然話を振られるのでびっくりしてしまう。私の質問に対してただ返事をしてくれるだけでなく、私に関係があるようにオチを持ってくるのがすごいと思う。

「私は、伝えられる時に、自分の気持ちをちゃんと伝えておくのはすごく大切だと思っているんです。旦那様が欲しいものを私が探っても良いですが、せっかくなので殿下がお話してみては?」
「……そうだね。そうしてみる」

マリアは優しく笑った。

「最悪、精神干渉魔法で口を割らせるって言う手段があるんですが、多分やったらクビになるので本当に最後の手段にしましょう」
「え?!そこまでしなくていいよ!」

精神干渉魔法がなんだかわからないけれど、言葉の響きからしてあまり気軽に使うものじゃない気がする。マリアがクビになったらすごく困る。

「あのね、マリア」
「はい」
「この前、過去や結婚した理由より、これからのことで悩む方がいいんじゃないかって言われたでしょう」
「ええ、そうでしたね」
「それで、自分がテオとどんな関係になりたいか考えてたんだけど……」

マリアはじっと聞く姿勢でいる。マリアはかなりはっきりと自分の意見を言うけれど、マリアに自分の考えを伝えるのは怖いと思わなかった。

「私は今までもらってばかりだったから、それを返せるようになりたいって思ったよ。今までずっと、テオのためにどうやって迷惑をかけずに縁を切ったらいいか悩んでたけど……そうじゃなくて、一緒にいて、私が幸せにしたいって思ったの」
「……殿下らしくて素敵な考えだと思います。ただ一つ言わせてもらうと、殿下はもらってばかりの人ではありませんよ。旦那様にも、すでに色んなものを返していらっしゃるはずです」
「……そう、かな?」
「ええ、目に見えるものだけが与えるものではないですから。旦那様が殿下と一緒にいて笑顔になるなら、それだけで何かを与えているはずです」

テオドールが笑顔になる瞬間を思い浮かべて、胸がじんわり暖かくなった。私と一緒にいる時に見せてくれる優しい顔も好きだし、また大笑いしているところも見てみたいなと思う。

「マリアはいつも嬉しいことを言ってくれるね」
「そうですか?全部本音ですよ」

その言葉にもまた嬉しくなった。

「テオにもっと喜んで欲しいんだけど、私、実は全然テオのこと知らないって気付いて……せっかく欲しいものがあるって言ってくれたのに、それも分からないんだよね……」

話を戻して相談すると、マリアは少し考え込んだ。

「セトとリーナと一緒に手紙を書いてみるのはどうですか?」

セトとリーナは今地図作成の仕事をしている孤児院の二人だ。

「手紙?」
「文章なら今更なことも聞けるし、残るから忘れなくて済みます。人の好きな食べ物とか、聞いてもしばらく思い出さないと忘れちゃうでしょ?私も父との会話は本当に腹が立ったこと以外全部忘れてますけど、手紙なら読み返せば思い出せます」
「……」

また少しアーノルドのことがかわいそうになったけれど、マリアは手紙を読み返すほど大切にしているらしいので気にしないことにした。

「確かにそうかも。書いてみようかな」
「それじゃあ、殿下の分もインクと便箋を選びましょう」
「うん」

いきなり手紙を渡したらびっくりされるかもしれないけど、多分その後喜んでくれると思う。

(マリアにも書きたいな。びっくりさせたい)

人に手紙を書いた経験なんて、小学校か中学校の国語の授業が最後じゃないだろうか。お世話になった人への感謝の手紙だった気がする。
両親に宛てるべきだと思ったけど、先生も読むなら父も宛名に入れるかお母さんだけにするか迷って、授業時間内に書けなかった。結局放課後になり、お母さんだけに宛てて書いた。下書きで正直な気持ちを書いたら非常にまとまりがなく幼い文章だと感じ、恥ずかしくなって当たり障りのない内容に変更した。結局、全然気持ちがこもってないと言われて悲しい顔をさせただけという苦い思い出がある。

テオドールとマリアは、多分手紙の内容が何であっても喜んで受け取ってくれると思う。

(ジョンとセアラにも書きたい。おじさまにも書いてみようかな。ユリウスお兄様は、多分読んでくれない。お父様には……まだちょっと書く勇気がないかも)

いつの間にか、自分の気持ちを伝えてみたいと思う人が増えていたことに驚いた。皆多分驚くけど、その後の笑顔も一緒に想像できて、嬉しい気持ちになる。

「なんだかご機嫌ですね?」
「うん、何を書こうかなって考えてたら、すごく楽しい」
「それはよかった」

先日の小道が見えてきた。色とりどりの便箋が並んでいたことを思い出してワクワクしてきた。
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