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2. 自覚と失恋
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ちょっと暇つぶしに小説を書いただけなのに、なぜか王太子妃候補になりました。
「ってそうはならんやろ!」
私は自室でベッドの上に転がりながらツッコミをいれた。人払い済みなので誰も反応してくれない。
宮廷で衝撃の話を聞いた後、家に帰って父に詰め寄った。「今言おうと思っていた」と言われた。のんびり屋さんがすぎる。
この結婚は、国王陛下と父の間では決定事項のようだ。しかし殿下の口ぶりだと、殿下はまだアメリア嬢との結婚を諦めていない様子。
レンブラント家とうちなら、どちらも同じように王家にメリットのある結婚なのに、急にアメリア嬢ではなくて私が婚約者になったことに納得していないようだった。
それはそうだろう。
アメリア嬢はいつもにこにこしていて、現王妃を彷彿とさせる慈愛の心と気品を持った方だ。
他者への評価が鬼のように厳しい殿下をして、「彼女は王妃の役をこなせるだろうな」と言わしめる人でもある。私に代わりが務まるはずがない。
(殿下、また陛下のところに乗り込んだのかな)
殿下は父親の陛下と馬が合わなくて、よく大喧嘩している。この国では国王は絶対的な権力者で、逆らうのは大変だ。
昔はよく返り討ちにあって呪詛を吐いていた。「あとは僕に席を譲るだけの老いぼれのくせに」とか言っていた。ちなみに陛下はお若く、今も現役バリバリである。
(殿下は最後まで逆らうからすごいよなぁ)
私は長いものには巻かれておく方だ。社交界も嫌で嫌でしょうがないけど、嫌と言っても連れて行かれることがわかったので、楽しくするために小説を書いて友達を作った。それでも本当に本当にどうしても嫌な時は、体調不良などを理由に逃げ出してしまう。
殿下は同じ社交嫌いでも、社交の場そのものを削るために計画を立て、実際にいくつか自分の出席する場を減らしたこともある。公務上必要なところは、仕事として割り切っているらしい。
今回も多分、殿下は絶対に譲らないだろう。私は、もう決定事項なら時間の問題か、と思わなくもないけれど、殿下は結婚式当日まで諦めないくらいの気持ちで妨害を続けると思う。
(殿下、頑張ってください!私も父に無理だって言い続けますんで!)
他力本願な感じで過ごしつつ、父に結婚について話題にされると、私には無理ですと即答する日々が続いてしばらく。
私はまた殿下と対峙することとなった。今度は殿下がうちの領地まで押しかけてきた。
「ルリア」
「はい」
殿下はいつも通り軽く口角を上げて微笑みつつ、不機嫌さを隠しきれていない顔をしていた。
「どういうことかな」
「何がでしょう」
「君の父君から、君はこの結婚に非常に乗り気だと聞いたんだけど」
「それは虚言です」
「そうだと思ったよ。彼はよく話を盛るからな」
殿下は横を向いて、はぁ、とため息をついた。
「乗り気じゃないなら、もっと君の方からも抵抗しろ」
「私だって父に無理って言いましたよ!でも全然話を聞いてくれなくて……」
殿下は私を睨んだ。
「口で不平不満を言うだけなら幼児と同じだ。自分が妃に向いていないという証拠を集めて公爵を論破するくらいの姿勢を見せられないのか?事実を並べて説得すればいいだけだよ」
殿下は私の主張をばっさりと切り捨てた。
私の頭には、ガガーン、と何かタライのような固いものが落ちてきたかのような衝撃が走った。
(えっ、なんで私ショック受けてんの……?!)
私は自分が将来の王妃に相応しくないのはよくわかっているし、なりたいとも思っていなかったはずだ。殿下の妃はアメリア嬢が一番相応しいことも知っている。
それなのに、はっきり殿下本人の口から、彼の隣に立つ女として相応しくないと言われて傷ついている。
(嘘でしょ?!私王太子妃になりたかったのか!幼馴染への恋心に気付かないなんてこれもまたテンプレな……!)
私は不機嫌な殿下を見つめた。こんな殺意のこもった顔で自分のことを見つめてくる男を好きになるなんて本気か?
でも、今日いつまでも袖を通すドレスを選べなかったのは、殿下に少しでもよく見られたいという欲が出ていたからかもしれない。いつも殿下がキラキラして見えるのは、彼の顔の造形が良いことだけが理由じゃないかもしれない。
殿下は文句ばっかり言ってるくせに、諦めが悪く、最後まで頑張って結果を出す。よくやるなぁと思う気持ちが半分、あとの半分は、眩しいと思うし、尊敬もしている。
表向きは完璧な王太子として振る舞う彼が、私の前で愚痴をこぼしたり毒舌になったりする。それが私も満更じゃなかったということだ。大人になって、そういう時間が減ったことを少し寂しく思う気持ちがどこかにあった。
どうやら好きなのは否定できなそうだ。ここで殿下も実は私のことを好きでいてくれればいいのだが、残念ながら殿下は本気で私との婚約を解消しようとしている。そのための資料を机に広げ始めた。
「やはり攻めるなら、領地の主要産業を主として、王家とレンブラント家の結びつきがこのモーズ家よりも有用だと説得するのが良いだろうね。父は国庫の潤いが何よりの関心ごとだから」
私は机に投げ出された資料に目を向けた。この紙の束が全部、私と結婚したくないと叫んでいる彼の言葉なわけだ。
私は今更気付いた恋心に動揺しすぎて文字が頭に入ってこない。
「試算に必要な情報が足りない。いくら君がものぐさでも、人生を左右する局面だ。情報収集くらいは協力してくれ。ここを乗り越えたら、お望みの辺境の領地のおとなしい次男でも探してきてあげるよ」
結婚を嫌がられているだけではなく、他の男を斡旋しようとしてくる。
目の前がじわっと滲んで、私の目から涙が落ちそうになった。気合いで止めておいた。
(泣くほど?!そんなに殿下のこと好きなの?!)
恋というのはやっかいで、自覚した途端に感情がコントロールできないめんどくさい女になってしまった。
「ルリア?」
「なんでもないです。承知しました」
「何かな。言いたいことがあるならはっきり言ったらどうだ」
殿下は不機嫌そうに私を見ていた。いくら少し口角が上がって見える口元をしていても、ここまで不機嫌なら笑っているようには見えない。
「言いたいことなんかないです」
「嘘をつくな。僕は人事を尽くしているつもりだけど、何か不足があるようだね。ぜひ君の意見も聞かせてほしいな」
殿下は皮肉っぽく口角を上げた。普段の公務に加えて、こんな面倒が降りかかってきたから怒っているのだろう。
「……私は王太子妃になりたいわけじゃないですけど」
「知ってる。僕の前で改めて言うことか?」
「殿下と一緒ならお互い愚痴を言い合って、うまくやっていけるのかなってちょっと思ってたんです。ここまで嫌われてると思ってなかったから、正直ショックというか」
「は?」
殿下の青い目が丸くなった。
何を言ってるんだろうな、と思って私の口から自嘲の乾いた笑い声が漏れた。
辛辣なことを言うからって、イコール気のおけない信頼できる相手というわけでもない。殿下にとっての私は、叶うはずだった理想の結婚を邪魔した女だ。
「君……」
私は立ち上がって自分の両頬を叩いた。パァンッと良い音が響いた。殿下が唖然とした顔で私を見ている。
「っし。元社畜の本領発揮してやりますよ!」
「シャチク?」
「やる時は死に物狂いでやるって意味です。じゃあ私今から集中するんで、お帰りいただいていいですか?」
「断る。まだ話は終わってない」
殿下が立ち上がった。
「次に話すのは宮廷で。陛下の御前でお会いしましょう、殿下」
私は今まで鍛えた表情筋を駆使して微笑んだ。一応、社交の場では殿下に負けないくらい品行方正なお嬢様をやっているのだ。
殿下は何か言いたげに口を開いた。
口を開かせてしまうと絶対勝てない。私は殿下の背中を押して部屋から追い出して、すぐそばに控えていた執事にお見送りをお願いした。
「ってそうはならんやろ!」
私は自室でベッドの上に転がりながらツッコミをいれた。人払い済みなので誰も反応してくれない。
宮廷で衝撃の話を聞いた後、家に帰って父に詰め寄った。「今言おうと思っていた」と言われた。のんびり屋さんがすぎる。
この結婚は、国王陛下と父の間では決定事項のようだ。しかし殿下の口ぶりだと、殿下はまだアメリア嬢との結婚を諦めていない様子。
レンブラント家とうちなら、どちらも同じように王家にメリットのある結婚なのに、急にアメリア嬢ではなくて私が婚約者になったことに納得していないようだった。
それはそうだろう。
アメリア嬢はいつもにこにこしていて、現王妃を彷彿とさせる慈愛の心と気品を持った方だ。
他者への評価が鬼のように厳しい殿下をして、「彼女は王妃の役をこなせるだろうな」と言わしめる人でもある。私に代わりが務まるはずがない。
(殿下、また陛下のところに乗り込んだのかな)
殿下は父親の陛下と馬が合わなくて、よく大喧嘩している。この国では国王は絶対的な権力者で、逆らうのは大変だ。
昔はよく返り討ちにあって呪詛を吐いていた。「あとは僕に席を譲るだけの老いぼれのくせに」とか言っていた。ちなみに陛下はお若く、今も現役バリバリである。
(殿下は最後まで逆らうからすごいよなぁ)
私は長いものには巻かれておく方だ。社交界も嫌で嫌でしょうがないけど、嫌と言っても連れて行かれることがわかったので、楽しくするために小説を書いて友達を作った。それでも本当に本当にどうしても嫌な時は、体調不良などを理由に逃げ出してしまう。
殿下は同じ社交嫌いでも、社交の場そのものを削るために計画を立て、実際にいくつか自分の出席する場を減らしたこともある。公務上必要なところは、仕事として割り切っているらしい。
今回も多分、殿下は絶対に譲らないだろう。私は、もう決定事項なら時間の問題か、と思わなくもないけれど、殿下は結婚式当日まで諦めないくらいの気持ちで妨害を続けると思う。
(殿下、頑張ってください!私も父に無理だって言い続けますんで!)
他力本願な感じで過ごしつつ、父に結婚について話題にされると、私には無理ですと即答する日々が続いてしばらく。
私はまた殿下と対峙することとなった。今度は殿下がうちの領地まで押しかけてきた。
「ルリア」
「はい」
殿下はいつも通り軽く口角を上げて微笑みつつ、不機嫌さを隠しきれていない顔をしていた。
「どういうことかな」
「何がでしょう」
「君の父君から、君はこの結婚に非常に乗り気だと聞いたんだけど」
「それは虚言です」
「そうだと思ったよ。彼はよく話を盛るからな」
殿下は横を向いて、はぁ、とため息をついた。
「乗り気じゃないなら、もっと君の方からも抵抗しろ」
「私だって父に無理って言いましたよ!でも全然話を聞いてくれなくて……」
殿下は私を睨んだ。
「口で不平不満を言うだけなら幼児と同じだ。自分が妃に向いていないという証拠を集めて公爵を論破するくらいの姿勢を見せられないのか?事実を並べて説得すればいいだけだよ」
殿下は私の主張をばっさりと切り捨てた。
私の頭には、ガガーン、と何かタライのような固いものが落ちてきたかのような衝撃が走った。
(えっ、なんで私ショック受けてんの……?!)
私は自分が将来の王妃に相応しくないのはよくわかっているし、なりたいとも思っていなかったはずだ。殿下の妃はアメリア嬢が一番相応しいことも知っている。
それなのに、はっきり殿下本人の口から、彼の隣に立つ女として相応しくないと言われて傷ついている。
(嘘でしょ?!私王太子妃になりたかったのか!幼馴染への恋心に気付かないなんてこれもまたテンプレな……!)
私は不機嫌な殿下を見つめた。こんな殺意のこもった顔で自分のことを見つめてくる男を好きになるなんて本気か?
でも、今日いつまでも袖を通すドレスを選べなかったのは、殿下に少しでもよく見られたいという欲が出ていたからかもしれない。いつも殿下がキラキラして見えるのは、彼の顔の造形が良いことだけが理由じゃないかもしれない。
殿下は文句ばっかり言ってるくせに、諦めが悪く、最後まで頑張って結果を出す。よくやるなぁと思う気持ちが半分、あとの半分は、眩しいと思うし、尊敬もしている。
表向きは完璧な王太子として振る舞う彼が、私の前で愚痴をこぼしたり毒舌になったりする。それが私も満更じゃなかったということだ。大人になって、そういう時間が減ったことを少し寂しく思う気持ちがどこかにあった。
どうやら好きなのは否定できなそうだ。ここで殿下も実は私のことを好きでいてくれればいいのだが、残念ながら殿下は本気で私との婚約を解消しようとしている。そのための資料を机に広げ始めた。
「やはり攻めるなら、領地の主要産業を主として、王家とレンブラント家の結びつきがこのモーズ家よりも有用だと説得するのが良いだろうね。父は国庫の潤いが何よりの関心ごとだから」
私は机に投げ出された資料に目を向けた。この紙の束が全部、私と結婚したくないと叫んでいる彼の言葉なわけだ。
私は今更気付いた恋心に動揺しすぎて文字が頭に入ってこない。
「試算に必要な情報が足りない。いくら君がものぐさでも、人生を左右する局面だ。情報収集くらいは協力してくれ。ここを乗り越えたら、お望みの辺境の領地のおとなしい次男でも探してきてあげるよ」
結婚を嫌がられているだけではなく、他の男を斡旋しようとしてくる。
目の前がじわっと滲んで、私の目から涙が落ちそうになった。気合いで止めておいた。
(泣くほど?!そんなに殿下のこと好きなの?!)
恋というのはやっかいで、自覚した途端に感情がコントロールできないめんどくさい女になってしまった。
「ルリア?」
「なんでもないです。承知しました」
「何かな。言いたいことがあるならはっきり言ったらどうだ」
殿下は不機嫌そうに私を見ていた。いくら少し口角が上がって見える口元をしていても、ここまで不機嫌なら笑っているようには見えない。
「言いたいことなんかないです」
「嘘をつくな。僕は人事を尽くしているつもりだけど、何か不足があるようだね。ぜひ君の意見も聞かせてほしいな」
殿下は皮肉っぽく口角を上げた。普段の公務に加えて、こんな面倒が降りかかってきたから怒っているのだろう。
「……私は王太子妃になりたいわけじゃないですけど」
「知ってる。僕の前で改めて言うことか?」
「殿下と一緒ならお互い愚痴を言い合って、うまくやっていけるのかなってちょっと思ってたんです。ここまで嫌われてると思ってなかったから、正直ショックというか」
「は?」
殿下の青い目が丸くなった。
何を言ってるんだろうな、と思って私の口から自嘲の乾いた笑い声が漏れた。
辛辣なことを言うからって、イコール気のおけない信頼できる相手というわけでもない。殿下にとっての私は、叶うはずだった理想の結婚を邪魔した女だ。
「君……」
私は立ち上がって自分の両頬を叩いた。パァンッと良い音が響いた。殿下が唖然とした顔で私を見ている。
「っし。元社畜の本領発揮してやりますよ!」
「シャチク?」
「やる時は死に物狂いでやるって意味です。じゃあ私今から集中するんで、お帰りいただいていいですか?」
「断る。まだ話は終わってない」
殿下が立ち上がった。
「次に話すのは宮廷で。陛下の御前でお会いしましょう、殿下」
私は今まで鍛えた表情筋を駆使して微笑んだ。一応、社交の場では殿下に負けないくらい品行方正なお嬢様をやっているのだ。
殿下は何か言いたげに口を開いた。
口を開かせてしまうと絶対勝てない。私は殿下の背中を押して部屋から追い出して、すぐそばに控えていた執事にお見送りをお願いした。
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