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オオザの崖のゴブリン
38.接近戦と弾幕
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38.接近戦と弾幕
ゴブリンキャプテンとメイジの群れの2連戦が終わって、夜を迎える。
ソースイが仲間に入ったし、寝ないで行動する事はしない。メリハリを付けて、休む時はしっかり休む。
睡眠が不要な体でも、寝た方が頭はスッキリするし、考えもまとまる事がある。
ソースイに限らず、精霊達も一緒!と言いたいけど、どうしてもクオンに甘えてしまう。
クオンはもともと警戒心が強く、常に探知している状態らしい。
それでも負荷を減らして、少しでも休める環境を造ることは大切。やっぱりルーク達には哨戒を頑張ってもらおう!
「今回は、正面から接近戦で戦う!」
平静を装った顔をしているが、ソースイがガッツポーズしていた。
いつも先制するのはウィプス達なので、鬱憤が溜まっていたのだろうけど・・・ルークの真骨頂は接近戦だぞ。今は黙っておこう。
ゴブリンキャプテンの群れは、森の中で奇襲をかければ、特に問題にはならない。
ただゴブリンジェネラルの場合、100体の群れになる。大きな集まりになれば、狙撃出来る距離に近づくのは難しい。
得意のパターンは必要だと思うが、今後の事を考えると様々な事を試しておく必要がある。
細かな指示を皆に伝える。
「ブロッサ、夜明け前までにゴブリンの三方をポイズンミストで囲んでくれ」
「ゲロッ」
器用に了解ポーズを決めるブロッサ。
「ソースイ、今回は正面から突っ込む!ルーク達はソースイの援護。込める魔力はなるべく押さえて、オーバーキルにならないようにな」
「了解しました!」
明滅するウィプス達と、ご機嫌なソースイ。
「クオン、ベル、ムーアは、いつも通り」
そして、ブロッサの準備が終わって、夜が空けるのを待つ。
正面から戦うといっても、ゴブリン達に完全が整うのは待つわけでわない。
あくまでも今回は接近戦をするだけ。
「突撃!」
ベルのスキルで全員同時に指示が伝わる。
先頭を走るソースイは、ヒーターシールドを持っている事を感じさせない速さで突っ込んでいく。
ルーク達のように飛んでいるわけではない。大男で盾を持ったオニが走っているわけだから、どうしても音で気付かれてしまう。
気付いたゴブリンが奇声を上げて、周囲へ危険を知らせる。
ソースイを認識したゴブリンが次々と弓を構えて矢を放つ。
俺はソースイの後ろを走りながら、ダイヤ型のマジックシールドを操作する。
「リーフ」
ダイヤ型のシールドが、4つのダイヤに分かれる。さらに4つ、さらに4つとだんだんと細かく分かれていく。
「バーレッジ」
放たれた矢に合わせて、細かくなったダイヤを飛ばす。
弾幕のように展開されたマジックシールドで、矢は軌道を変えたり、失速して落ちていく。
俺の制御出来る範囲を外れたマジックシールドは、形を維持出来ず飛散して消えていく。
その消えていくマジックシールドを抜けるようにソースイがゴブリンの中へと突っ込んで行く。
メーンとカンテは、矢をつがえるゴブリンを狙って、サンダーボルトを放つ。
消滅するゴブリンもいれば、倒れて動かなくなるゴブリンもいる。上手く込める魔力量の調整が出来ているみたいだ。
ルークは、突っ込んでいくソースイの後ろに張り付き零距離射撃。死角になるゴブリンを倒していく。
ソースイの動きに合わせて上手く移動し、死角をカバーしている。
『ソースイは、周りが見えていないわね』
ソースイがゴブリンキャプテンを視界に捉える。
ヒーターシールドでゴブリンを力任せに吹っ飛ばし、ゴブリンキャプテンに突っ込む。
『ソースイ、横』
横から、ゴブリンメイジがウィンドカッターを放つ。
ムーアの声をかけた時はもう遅く、勢いのついたソースイは振り返る事も出来ない。
バシュンッと、魔法がぶつかる音がする。
後ろにいたルークがサンダーボルトでウィンドカッターを相殺した。
初めて会った時は、ルーク・メーン・カンテの3人で1人分の威力だったのに、今は少し加減している。ムーアにより進化した事もあるが、凄い勢いで成長している。
そして勢いままソースイは、ゴブリンキャプテンを一発で仕留める。
「まだ、ゴブリンメイジがいるぞ!」
最後のゴブリンメイジは、俺がマジックソードを飛ばして倒す。
「気を抜くなよ。残りのゴブリンもしっかり倒せ!」
完勝ではあったけど、落ち込むソースイ。良くも悪くも収穫は多かった。
特にソースイには良い経験になったとはず。
ムーアに説教されるソースイ。
そして説教しているムーアの迫力は凄い。
まあ、良くも悪くもイロイロな事が見えたと思う。まだ、次のゴブリンキャプテン戦がある。
問題はソースイが立ち直れるかどうか?
まだまだムーアの説教は終わらない・・・。
ゴブリンキャプテンとメイジの群れの2連戦が終わって、夜を迎える。
ソースイが仲間に入ったし、寝ないで行動する事はしない。メリハリを付けて、休む時はしっかり休む。
睡眠が不要な体でも、寝た方が頭はスッキリするし、考えもまとまる事がある。
ソースイに限らず、精霊達も一緒!と言いたいけど、どうしてもクオンに甘えてしまう。
クオンはもともと警戒心が強く、常に探知している状態らしい。
それでも負荷を減らして、少しでも休める環境を造ることは大切。やっぱりルーク達には哨戒を頑張ってもらおう!
「今回は、正面から接近戦で戦う!」
平静を装った顔をしているが、ソースイがガッツポーズしていた。
いつも先制するのはウィプス達なので、鬱憤が溜まっていたのだろうけど・・・ルークの真骨頂は接近戦だぞ。今は黙っておこう。
ゴブリンキャプテンの群れは、森の中で奇襲をかければ、特に問題にはならない。
ただゴブリンジェネラルの場合、100体の群れになる。大きな集まりになれば、狙撃出来る距離に近づくのは難しい。
得意のパターンは必要だと思うが、今後の事を考えると様々な事を試しておく必要がある。
細かな指示を皆に伝える。
「ブロッサ、夜明け前までにゴブリンの三方をポイズンミストで囲んでくれ」
「ゲロッ」
器用に了解ポーズを決めるブロッサ。
「ソースイ、今回は正面から突っ込む!ルーク達はソースイの援護。込める魔力はなるべく押さえて、オーバーキルにならないようにな」
「了解しました!」
明滅するウィプス達と、ご機嫌なソースイ。
「クオン、ベル、ムーアは、いつも通り」
そして、ブロッサの準備が終わって、夜が空けるのを待つ。
正面から戦うといっても、ゴブリン達に完全が整うのは待つわけでわない。
あくまでも今回は接近戦をするだけ。
「突撃!」
ベルのスキルで全員同時に指示が伝わる。
先頭を走るソースイは、ヒーターシールドを持っている事を感じさせない速さで突っ込んでいく。
ルーク達のように飛んでいるわけではない。大男で盾を持ったオニが走っているわけだから、どうしても音で気付かれてしまう。
気付いたゴブリンが奇声を上げて、周囲へ危険を知らせる。
ソースイを認識したゴブリンが次々と弓を構えて矢を放つ。
俺はソースイの後ろを走りながら、ダイヤ型のマジックシールドを操作する。
「リーフ」
ダイヤ型のシールドが、4つのダイヤに分かれる。さらに4つ、さらに4つとだんだんと細かく分かれていく。
「バーレッジ」
放たれた矢に合わせて、細かくなったダイヤを飛ばす。
弾幕のように展開されたマジックシールドで、矢は軌道を変えたり、失速して落ちていく。
俺の制御出来る範囲を外れたマジックシールドは、形を維持出来ず飛散して消えていく。
その消えていくマジックシールドを抜けるようにソースイがゴブリンの中へと突っ込んで行く。
メーンとカンテは、矢をつがえるゴブリンを狙って、サンダーボルトを放つ。
消滅するゴブリンもいれば、倒れて動かなくなるゴブリンもいる。上手く込める魔力量の調整が出来ているみたいだ。
ルークは、突っ込んでいくソースイの後ろに張り付き零距離射撃。死角になるゴブリンを倒していく。
ソースイの動きに合わせて上手く移動し、死角をカバーしている。
『ソースイは、周りが見えていないわね』
ソースイがゴブリンキャプテンを視界に捉える。
ヒーターシールドでゴブリンを力任せに吹っ飛ばし、ゴブリンキャプテンに突っ込む。
『ソースイ、横』
横から、ゴブリンメイジがウィンドカッターを放つ。
ムーアの声をかけた時はもう遅く、勢いのついたソースイは振り返る事も出来ない。
バシュンッと、魔法がぶつかる音がする。
後ろにいたルークがサンダーボルトでウィンドカッターを相殺した。
初めて会った時は、ルーク・メーン・カンテの3人で1人分の威力だったのに、今は少し加減している。ムーアにより進化した事もあるが、凄い勢いで成長している。
そして勢いままソースイは、ゴブリンキャプテンを一発で仕留める。
「まだ、ゴブリンメイジがいるぞ!」
最後のゴブリンメイジは、俺がマジックソードを飛ばして倒す。
「気を抜くなよ。残りのゴブリンもしっかり倒せ!」
完勝ではあったけど、落ち込むソースイ。良くも悪くも収穫は多かった。
特にソースイには良い経験になったとはず。
ムーアに説教されるソースイ。
そして説教しているムーアの迫力は凄い。
まあ、良くも悪くもイロイロな事が見えたと思う。まだ、次のゴブリンキャプテン戦がある。
問題はソースイが立ち直れるかどうか?
まだまだムーアの説教は終わらない・・・。
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