33 / 329
オオザの崖のゴブリン
33.ゴブリンランクとソースイの闇
しおりを挟む
オニ族の村から出て北上中。
オオザの崖へは道がある。踏み固められて出来た跡という程度ではあるが、何もない所を進むよりは断然楽な道のりになる。
これはドワーフが作った道で、ヒケンの森にはこのような道が幾つかある。
素材収集の活動拠点が幾つかあり、そこに向かう為の道だが、年に数回使う程度らしい。
そして移動中の俺は、もっか探知魔法の練習中。
クオンのアドバイスを実践中。
全ての物を把握するのではなく、一番探知したいものは何かが見えてなかった。
知りたいのは草木や小動物・昆虫なんかじゃない。近付いてくる、魔物であったり、敵意をもった生き物。
特に今の場合はゴブリンになる。
俺の魔力を小さな粒とするなら、その粒の中をゴブリンが動く事で、複雑な動きを見せる。
武器の様な硬い金属に当たれば大きく跳ね返り、柔らかな所に当たれば跳ね返り難く、複雑な動きをする。
今は変化する魔力の動きでも、複雑な動きだけを意識するようにしている。
今は先頭を行くソースイの動きを捉える。目で捉えず、魔力で探知する。
大きなヒーターシールドを持ったソースイは探知し易く、練習にはもってこい。
ぼっちじゃ出来なかったと思う。
目指すは上位魔法の魔力吸収!
今はそれの通過点にしか過ぎない。目標は大きく持つ。クオンも絶対に出来ると言ってくれたから大丈夫。クオンの絶対は無敵だ!
ちなみに、ソースイの訓練に付き合ってくれた、ブクマとパントラ、コーヒョウは、それぞれの森に帰っていった。
クオンの話では、何時でも協力してくれるみたいだ。
“協力する、絶対”
のクオンの言葉に、何回も大きく頷いていた、パントラとコーヒョウ。
気持ちは分かるけど、父親としては認めない、絶対!
釣られて頷いた、ブクマも協力する事になった。
一瞬だけ“エッ”て顔をしてたが、俺は見てない。
“見つけた”
クオンがゴブリンを見つける。
クオンが見つけたゴブリンは30体。
最初は少なくあって欲しいと思っていたせいか、思わず言葉か漏れる。
「多いな」
『もうジェネラルや100体の群れが出てるのよ。決して、多くはないわよ』
あれから、ムーアも話しかけてくれるようになった。
この世界の常識を教えてくれる。俺の副官みたいな存在になりつつある。
『30体のゴブリンが群れになってるなら、上位種が居る可能性が高いわね』
通常のゴブリンは、多くて2・3体程度で行動している。
ゴブリンがポップアップするのも1・2体。
確かに30体まとまってゴブリンが発生するなら、もう少し何か分かっていると思う。
そして、ゴブリンの脅威度は、メイジ、キャプテン 、ジェネラル、ロード、キングの順で上がる。
脅威度が上がる度に、統率出来るゴブリンが増えていく。
メイジで10体、キャプテンになると20体、ジェネラルになると100体と増えていく。
30体なら、最低でもゴブリンキャプテンとメイジくらいは居るはず。
「ムーア、ブロッサを助けた時はキャプテンは居たと思うか?」
『鳥を使役する魔法を使っていたとしたら、魔法を使えるメイジかしら?キャプテンも使えるかもしれないけど?』
「死体が消えてしまうのは厄介だな」
『次からだけど、クオンに魔石を回収してもらえば分かるんじゃない?』
“出来る”
クオンが影に潜り、袋を咥えて戻ってくる。
“ゴブリンの魔石”
袋の中から小さな魔石が出てくる。小さな粒の魔石ばかり。その中に1つだけ、一回り大きな魔石がある。
「これは、ブロッサを助けた時の魔石?」
“ブロッサの時の魔石”
小さな魔石の中に、少しだけ大きな魔石がある。
「これはメイジの魔石かな?それなら、ブロッサ救出の時は、キャプテンはいなかった事になるな」
『その可能性は高いけど、そうだったらどうなの?』
「ブロッサを助けた時は、メイジ1人で15人は統率していた事になる。15人率いるメイジは、優秀なメイジだったのかって気にならないか?」
『ゴブリンにも、優秀なゴブリンと出来の悪いゴブリンが居るなんて、考えた事もないわよ。やっぱり、あなたは変わってるわよ♪』
「優秀なキャプテンの率いる30体と、出来の悪いキャプテンの30体とじゃ違うだろ。それをさせてるジェネラルはどっちになる?」
『面白いわね、あなたと契約して正解だったわ』
「なるべく安全で楽したいだけ。一応俺は半分は人間だから、死んでしまう可能性もある。ソースイも増えたし!」
『あら、あの顔が見えないの?興奮して、今にも特攻しそうな顔よ』
ソースイの顔が少し紅潮している。早く戦いたくてウズウズしているのが伝わってくる。もしかして、あいつ戦闘狂なのか?殿にいるのも、好きでやってたの・・・かもしれない。
オオザの崖へは道がある。踏み固められて出来た跡という程度ではあるが、何もない所を進むよりは断然楽な道のりになる。
これはドワーフが作った道で、ヒケンの森にはこのような道が幾つかある。
素材収集の活動拠点が幾つかあり、そこに向かう為の道だが、年に数回使う程度らしい。
そして移動中の俺は、もっか探知魔法の練習中。
クオンのアドバイスを実践中。
全ての物を把握するのではなく、一番探知したいものは何かが見えてなかった。
知りたいのは草木や小動物・昆虫なんかじゃない。近付いてくる、魔物であったり、敵意をもった生き物。
特に今の場合はゴブリンになる。
俺の魔力を小さな粒とするなら、その粒の中をゴブリンが動く事で、複雑な動きを見せる。
武器の様な硬い金属に当たれば大きく跳ね返り、柔らかな所に当たれば跳ね返り難く、複雑な動きをする。
今は変化する魔力の動きでも、複雑な動きだけを意識するようにしている。
今は先頭を行くソースイの動きを捉える。目で捉えず、魔力で探知する。
大きなヒーターシールドを持ったソースイは探知し易く、練習にはもってこい。
ぼっちじゃ出来なかったと思う。
目指すは上位魔法の魔力吸収!
今はそれの通過点にしか過ぎない。目標は大きく持つ。クオンも絶対に出来ると言ってくれたから大丈夫。クオンの絶対は無敵だ!
ちなみに、ソースイの訓練に付き合ってくれた、ブクマとパントラ、コーヒョウは、それぞれの森に帰っていった。
クオンの話では、何時でも協力してくれるみたいだ。
“協力する、絶対”
のクオンの言葉に、何回も大きく頷いていた、パントラとコーヒョウ。
気持ちは分かるけど、父親としては認めない、絶対!
釣られて頷いた、ブクマも協力する事になった。
一瞬だけ“エッ”て顔をしてたが、俺は見てない。
“見つけた”
クオンがゴブリンを見つける。
クオンが見つけたゴブリンは30体。
最初は少なくあって欲しいと思っていたせいか、思わず言葉か漏れる。
「多いな」
『もうジェネラルや100体の群れが出てるのよ。決して、多くはないわよ』
あれから、ムーアも話しかけてくれるようになった。
この世界の常識を教えてくれる。俺の副官みたいな存在になりつつある。
『30体のゴブリンが群れになってるなら、上位種が居る可能性が高いわね』
通常のゴブリンは、多くて2・3体程度で行動している。
ゴブリンがポップアップするのも1・2体。
確かに30体まとまってゴブリンが発生するなら、もう少し何か分かっていると思う。
そして、ゴブリンの脅威度は、メイジ、キャプテン 、ジェネラル、ロード、キングの順で上がる。
脅威度が上がる度に、統率出来るゴブリンが増えていく。
メイジで10体、キャプテンになると20体、ジェネラルになると100体と増えていく。
30体なら、最低でもゴブリンキャプテンとメイジくらいは居るはず。
「ムーア、ブロッサを助けた時はキャプテンは居たと思うか?」
『鳥を使役する魔法を使っていたとしたら、魔法を使えるメイジかしら?キャプテンも使えるかもしれないけど?』
「死体が消えてしまうのは厄介だな」
『次からだけど、クオンに魔石を回収してもらえば分かるんじゃない?』
“出来る”
クオンが影に潜り、袋を咥えて戻ってくる。
“ゴブリンの魔石”
袋の中から小さな魔石が出てくる。小さな粒の魔石ばかり。その中に1つだけ、一回り大きな魔石がある。
「これは、ブロッサを助けた時の魔石?」
“ブロッサの時の魔石”
小さな魔石の中に、少しだけ大きな魔石がある。
「これはメイジの魔石かな?それなら、ブロッサ救出の時は、キャプテンはいなかった事になるな」
『その可能性は高いけど、そうだったらどうなの?』
「ブロッサを助けた時は、メイジ1人で15人は統率していた事になる。15人率いるメイジは、優秀なメイジだったのかって気にならないか?」
『ゴブリンにも、優秀なゴブリンと出来の悪いゴブリンが居るなんて、考えた事もないわよ。やっぱり、あなたは変わってるわよ♪』
「優秀なキャプテンの率いる30体と、出来の悪いキャプテンの30体とじゃ違うだろ。それをさせてるジェネラルはどっちになる?」
『面白いわね、あなたと契約して正解だったわ』
「なるべく安全で楽したいだけ。一応俺は半分は人間だから、死んでしまう可能性もある。ソースイも増えたし!」
『あら、あの顔が見えないの?興奮して、今にも特攻しそうな顔よ』
ソースイの顔が少し紅潮している。早く戦いたくてウズウズしているのが伝わってくる。もしかして、あいつ戦闘狂なのか?殿にいるのも、好きでやってたの・・・かもしれない。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる