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52 参戦は、ナシよ♡
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ソフィアの頭を優しく撫でながら、首を傾げ柔らかく微笑むシルファに何故か部屋の隅にいるメイドや護衛騎士達の顔が赤くなる・・・
――出たよ。必殺王子様スマイル。これに動じないソフィアってツワモノだよな・・・
半目になったアジェスが無自覚にいちゃつく2人を他所に部屋の隅に控えるメイドにお茶のおかわりを頼むために片手をそっと上げた。
多分彼女は10年間ほぼ毎日美形を見続けたお陰で耐性が付いただけである・・・
×××
「待たせたな! 時間が意外にかかっちまった」
ワハハと豪快に笑いながら部屋のドアをノック無しでバーーーンと開けて入って来たのは勿論ガチムチイケオジ陛下。
周りの護衛騎士もメイドも慣れたもので、鮮やかに頭をスッと下げた。
「お、お待たせしました」
そして遅れて陛下の後ろに続いて入室したのは王国騎士団の団長である。
あんまりグレーン国王が立派すぎる体躯なので、並ぶと妙に痩せて見えるがちゃんと毎日欠かさず鍛えているマッチョ系のおじさんである。
「今年の闘技場での御前試合の開催要項は、この様に纏まりました」
実は学園の卒業式が終わるこの時期に合わせ年に1度の御前試合が王都で開催されるのだ。
学園卒業後に入団した騎士や魔術師も予選の参加義務があるからだ。
今回出席する王族の中にはソフィアとアジェスが含まれていで、そのための打ち合わせである。
公式行事の為だと辺境伯に言わずにソフィア達をそのまま連れてくるあたり、実の弟をおちょくっているに違いない――
ピラリと出して来たA4サイズの企画書を受け取り、しげしげと目を皿のようにして確かめるアジェスとソフィアの2人。
「へー、平民にも参加を呼びかけるんだ。じゃあギルドの連中も参加するかもな」
――アジェスはソフィアのお目付け役としての出席だ。
「個人の勝ち抜き戦なんだ。チーム戦とかは無いんだね」
ソフィアが企画書の2枚目をぺラリと捲って覗く。
――ソフィアは成人に達した為、王太子の婚約者としての初出席である。
「そういうのはないな。元々城に務める騎士や魔術師の給料査定や配属部署の見直しの一貫だったんだ。それが王都民が見物できるようになって、それに合わせて露店が立ち始めていつの間にか祭りになっちまったからな」
陛下が頭に載せる王冠の位置を微調整しながら答えてから
「王族は参戦できねえからつまらんかもしれんがな」
ん? と首を傾げる美少女。
「・・・ ソフィアは自分は参戦できるって思ってるんだろう? 駄目だよ」
いつものように片方の眉を上げて半目で婚約者の顔を眺める王太子シルファ。
「えッ? 何で? 私ちゃんと16歳になったよ?」
不満気に口を尖らすソフィアに向かってその場の全員が、
「「「「お前は(ソフィア様は)王族だ(です)ッ!」」」」
膝上のチャッピーが片目を開ける。
「あれ?」
そうだった・・・ 父親が王弟だった・・・
「ええ~せっかく16歳になる迄にって魔法の修行メッチャ頑張ってきたのにッ!!」
「「「「駄目だ(です)ッ」」」」
思わずその場の全員が、口を揃えて叫んだ――
「ええぇ~~~ッ!」
欠伸をしてから再び目を閉じたチャッピーは、ソフィアの膝上で惰眠を貪る事を続行することに決めたようだった。
――出たよ。必殺王子様スマイル。これに動じないソフィアってツワモノだよな・・・
半目になったアジェスが無自覚にいちゃつく2人を他所に部屋の隅に控えるメイドにお茶のおかわりを頼むために片手をそっと上げた。
多分彼女は10年間ほぼ毎日美形を見続けたお陰で耐性が付いただけである・・・
×××
「待たせたな! 時間が意外にかかっちまった」
ワハハと豪快に笑いながら部屋のドアをノック無しでバーーーンと開けて入って来たのは勿論ガチムチイケオジ陛下。
周りの護衛騎士もメイドも慣れたもので、鮮やかに頭をスッと下げた。
「お、お待たせしました」
そして遅れて陛下の後ろに続いて入室したのは王国騎士団の団長である。
あんまりグレーン国王が立派すぎる体躯なので、並ぶと妙に痩せて見えるがちゃんと毎日欠かさず鍛えているマッチョ系のおじさんである。
「今年の闘技場での御前試合の開催要項は、この様に纏まりました」
実は学園の卒業式が終わるこの時期に合わせ年に1度の御前試合が王都で開催されるのだ。
学園卒業後に入団した騎士や魔術師も予選の参加義務があるからだ。
今回出席する王族の中にはソフィアとアジェスが含まれていで、そのための打ち合わせである。
公式行事の為だと辺境伯に言わずにソフィア達をそのまま連れてくるあたり、実の弟をおちょくっているに違いない――
ピラリと出して来たA4サイズの企画書を受け取り、しげしげと目を皿のようにして確かめるアジェスとソフィアの2人。
「へー、平民にも参加を呼びかけるんだ。じゃあギルドの連中も参加するかもな」
――アジェスはソフィアのお目付け役としての出席だ。
「個人の勝ち抜き戦なんだ。チーム戦とかは無いんだね」
ソフィアが企画書の2枚目をぺラリと捲って覗く。
――ソフィアは成人に達した為、王太子の婚約者としての初出席である。
「そういうのはないな。元々城に務める騎士や魔術師の給料査定や配属部署の見直しの一貫だったんだ。それが王都民が見物できるようになって、それに合わせて露店が立ち始めていつの間にか祭りになっちまったからな」
陛下が頭に載せる王冠の位置を微調整しながら答えてから
「王族は参戦できねえからつまらんかもしれんがな」
ん? と首を傾げる美少女。
「・・・ ソフィアは自分は参戦できるって思ってるんだろう? 駄目だよ」
いつものように片方の眉を上げて半目で婚約者の顔を眺める王太子シルファ。
「えッ? 何で? 私ちゃんと16歳になったよ?」
不満気に口を尖らすソフィアに向かってその場の全員が、
「「「「お前は(ソフィア様は)王族だ(です)ッ!」」」」
膝上のチャッピーが片目を開ける。
「あれ?」
そうだった・・・ 父親が王弟だった・・・
「ええ~せっかく16歳になる迄にって魔法の修行メッチャ頑張ってきたのにッ!!」
「「「「駄目だ(です)ッ」」」」
思わずその場の全員が、口を揃えて叫んだ――
「ええぇ~~~ッ!」
欠伸をしてから再び目を閉じたチャッピーは、ソフィアの膝上で惰眠を貪る事を続行することに決めたようだった。
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