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20. クウキヨメ・・・

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 「で、私達は結局の所、何をすれば良いんですかね?」


 尤もな質問である。


「君達異世界人、しかも魔女と聖女と認定された者には、この世界の理から離れた魔法や祈りの力が与えられている筈だ。我々の言葉が理解でき、話す言葉も此方に通じるのもその一環だ」


 ノワール王子が、真面目な顔で説明する。


「「ふんふん?」」

「文献では、考え方も行動も我々の世界の常識を上回るとされているんだよ」


 輝くような笑顔で、フィンレー王子がその後の言葉を繋ぐ。


「「はぁ・・・」」

「なので、君達次第ってことになるんだけど、我々の世界を守ってくれないか?」


 と。そのまま締めくくられた。


「「・・・」」


 ――大雑把すぎるなこの王子様フィンレーヲイ。丸投げッ?


 2人がそう思ったのは間違い無い。



×××



 「因みにお2人は以前の災厄の時の『異世界の乙女の召喚』がいつ頃だったのかはご存知ですか?」


 望の質問に、答えたのはノワール王子だ。


「文献では150年前だな」


 ――えらく前だな~


 と眉を寄せる望。


「・・・」

「天人族の王様って長生きなんですね」


 へえーという顔で涼子が問うと・・・


「人族じゃないからな」

「「確かに!!」」


 思わず同時に『ポンッ』と手を打ち鳴らしてしまった2人である。



×××



 「そろそろ離宮だよ」


 窓の外の流れていく景色を見ていたフィンレー王子が、此方を振り返ってニコリと笑った。


「この世界に来たばかりだから、まだまだ分からないことだらけだとは思うんだけど、今日のところはゆっくりして欲しい。明日になったら国王陛下と兄上王太子にも会って欲しいからね」

「私達が会いたくないって言ったら?」


 試しに(?)言ってみる涼子。

 思わず彼女の顔を下から見上げる望。


「・・・明後日になるだけだと思うよ」

「へー。じゃあ明日でいっか。面倒くさいのは早めに終わらさなきゃね~」


 ふんふんと頷く涼子と、ちょっとだけ引き攣る望。


 ――国王陛下に会うのが面倒くさいとか王族に言っちゃうの?!


 妙な間とフィンレー王子の笑顔が怖いな、と思ったのは望だけのようだった。


 涼子、やはり大物である。

 それかただの『空気ヨメ』なのか・・・


「あ。そういや機内食すら食べて無かったんですけど、ご飯って食べさせてもらえますか?!」

「ああ、大丈夫だよ、離宮の管理人がちゃんと用意してるはずだから」

「わーい。良かった。すっごくお腹が減ってるんですよね~美味しいといいなあ~」


 胃のあたりに手を置いてニコニコするJk・・・


「「「・・・」」」






 神経が図太いだけかもしれない。


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