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風紀委員長様は今日もお仕事(保健室編)※R18表現あり
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(あっ、あんっ! イッちゃう!)
(……いいぜ、イケよ)
(一緒に! 一緒に!)
(俺とイキたきゃ、もっと腰を振るんだな。
勝手に乗ってきたくせに、さぼってんじゃねえよ。
おらっ おらっ……もっと動け。萎えるだろうが。もう次はねえぞ)
(いっ、いやです! あぅっ!
ああん! が…んばり、ますっ……からあ!
あひぃ! イイッ! イイッ! 大きい!
奥まで、こすれてっ あああ! 壊れちゃう!)
「……委員長どうします? 踏み込みますか?」
眉をしかめながら小声で問いかけてきたのは、同じ風紀委員で一緒に校内を見回っていた二年の佐藤瑞貴だ。先程から渋々ドアに耳を当てて、室内の様子を確認している。上品な顔に似合わぬ下世話なポーズに、こちらは笑いを噛み殺すのが大変だが、やらせているのは俺なので、ぐっと堪えている。
「もうすぐイキそうか? 出たか?」
「……なぜ私が奴らの精液残量を実況中継しなくちゃいけないんですか。偉そうに窓辺に踏ん反り返っていないで、あなたがこちらに来て判断してくださいよ。気持ちよさそうにズコバコ騎乗位でやりまくっていますから」
「男の喘ぎ声なんぞ聴きたくない。つまり強姦ではなく合意なんだな?」
「その言葉そっくりお返しいたします。はい、合意のようです」
(ああん! 青葉様! イイッ!)
(てめえごときが、名前呼びするんじゃねえ)
(ごめ…ん、なさっ! ひいぃ! 如月様!
イク! イク! 会長! 如月様ぁ!)
「……如月会長のようです。お相手はたぶん親衛隊でしょう。それにようやくイッたみたいですよ」
「そうか。セックスを途中で止めさせるのは、同じ男として忍びないからな。射精を我慢するのは身体にも良くない」
「そんな美しい横顔で、なにトンチンカンな思いやりを述べてるんですか」
「それは褒めているのか? けなしているのか?」
「天然男前な風紀委員長を、配下として心配しているだけです。しかし寄りにもよって、ご執心のあなたが踏み込めば、如月会長はさぞかし大慌てでしょうね。あー楽しみです。行きましょう。行って特大級のお灸をすえてやりましょう」
「ご執心? ライバルという意味か? 良くわからんが、灸をすえることに関しては異議は無い。踏み込むぞ」
「いえ、ここはまず私が先陣を切ります。委員長はあとから静かにゆっくりいらしてください。いいですね?」
瑞貴は意地の悪い笑みを浮かべると、保健室のドアを開けて奥のベッドへと向かていった。
……あれは何か悪巧みしているときの顔だ。
意図は不明だが、瑞貴の希望どおりに、足音を立てず気配を消して部屋へと入った。俺としては踏み込みたくもない現場だ。やる気のある奴に任せる方が楽でいい。
奥へ目を向けると、すでに仕切りのカーテンは半分開けられていて、ベッド脇でそそくさと下着を履きかけた美少年と、気だるげな様子で制服姿のまま横になっている生徒会長が見えた。
すでに瑞貴が、如月を厳しく詰問しているようだ。あいつは生徒会の面々が大嫌いだからな。如月も瑞貴を目の敵にしているし、たまに間に挟まれる俺は非常に迷惑だ。
……しかし眠い。このまま保健室のベッドにダイビングしたいくらいだ。そんな衝動をギリギリ抑えて、俺はなんとか耳を傾ける。
「それで? ここで具体的になにをされていたのですか?」
「ちょっとした火遊びだ」
「コンドームが必要な?」
「ナマでやって保健室で病気うつされたら目も当てられねえよ。俺はここで気持ちよく寝ていただけだぜ? そいつが勝手に寝込みを襲ってきやがったんだ。文句ならそいつに言えよ。おまえもどうせ盗み聞きしてやがったんだろうが。分かってることをネチネチ聞いてくんじゃねえ、鬱陶しい」
「……だそうですよ、藤堂委員長。どうします?」
瑞貴がにこやかに振り返って、いきなり俺に尋ねてきた。
何故おまえはそんなにも上機嫌なんだ?
さっきまでプリプリ怒っていたはずなのに、わからん奴。
「え? はあ? 藤堂だと!」
逆に如月は、カーテンの影に隠れていた俺と目が合った途端、みるみる顔色を変えて姿勢を正した。先ほどまでの、ふて腐れた気だるい様子が嘘のようだ。
しかし超男前がベッドの上で正座というのはなかなかにマヌケだぞ。【抱かれたい男ランキング】一位の名が泣くぞ。ちなみに俺はランキング二位らしい。なぜか【抱きたい男】にもランクインしているそうだ。男子校すべて滅べばいい。
「とっ、藤堂違うんだっ! 誤解だ! コイツと俺は何でもない!」
「きゃあああっ!藤堂様! 違うのです! 僕が如月様に御情けをいただいただけで、この方は何も悪くありません! 罰するなら僕だけにしてください!」
やってた方もやられていた方も、俺が出て行った途端、何をそんなに慌てている?
俺はそこまで怖れられ煙たがられているのか? 地味にダメージを受けたぞ。
それに美少年……まずはズボンを履け。パンイチで何を訴えているんだ、変態か?
「おまえらがどこでどう乳繰り合おうが俺は一向に構わん。やっている場所を選べということだ。ここは保健室だ。生徒会室にも仮眠場所はあるだろう? たまに余所の場所で刺激的に……という気持ちも分からんでもないが、見せられる方は大いに迷惑だ。気分が悪くて保健室へ行ったら、男同士のナニを見せられるんだぞ? トドメを刺してどうする。風紀委員として厳重注意する。二度目は無い。分かったな? 以上だ。行くぞ瑞貴」
踵を返して出ていこうとした俺の腕を、
「おい、待て」
如月がむんずと掴んできた。
「なんだ? 言いたいことでもあるのか?」
「ああ、大いにあるぜ。俺がこいつを抱いていたのに、おまえは何も感じねえのか? こう……なんというか、胸にモヤモヤしたものは湧きあがらねえのか? シカトか? まさかのシカトか?」
「特になにも湧きあがらないが……そうだな、しいて言えば……」
「しいて言えば?」
「おまえが保健室でのんびり寝ていたという事実に、いささかモヤモヤしている。先週生徒会に回した報告書がまだ返ってきてないぞ。親衛隊とセックスしている暇があったら、承認印を押してすぐに持ってこい。来週の定例会に間に合わなくなる。こちらは馬鹿な転校生に振り回されて、仕事が山積みなんだ。いちいち手間をかけさせるな」
今度こそ如月の手を振り払って、保健室を後にする。
あー眠い。ここのところ寝不足なせいかイライラする。
「無敵の生徒会長様が、いいざまですね」
「……うるせえ。あいつをひとりにするんじゃねえよ。とっとと行け飼いネコ。主人を守れ」
「言われなくても」
後ろでそんな会話が繰り広げられていたことを、欠伸を噛み殺していた俺は知る由もなかった。
(……いいぜ、イケよ)
(一緒に! 一緒に!)
(俺とイキたきゃ、もっと腰を振るんだな。
勝手に乗ってきたくせに、さぼってんじゃねえよ。
おらっ おらっ……もっと動け。萎えるだろうが。もう次はねえぞ)
(いっ、いやです! あぅっ!
ああん! が…んばり、ますっ……からあ!
あひぃ! イイッ! イイッ! 大きい!
奥まで、こすれてっ あああ! 壊れちゃう!)
「……委員長どうします? 踏み込みますか?」
眉をしかめながら小声で問いかけてきたのは、同じ風紀委員で一緒に校内を見回っていた二年の佐藤瑞貴だ。先程から渋々ドアに耳を当てて、室内の様子を確認している。上品な顔に似合わぬ下世話なポーズに、こちらは笑いを噛み殺すのが大変だが、やらせているのは俺なので、ぐっと堪えている。
「もうすぐイキそうか? 出たか?」
「……なぜ私が奴らの精液残量を実況中継しなくちゃいけないんですか。偉そうに窓辺に踏ん反り返っていないで、あなたがこちらに来て判断してくださいよ。気持ちよさそうにズコバコ騎乗位でやりまくっていますから」
「男の喘ぎ声なんぞ聴きたくない。つまり強姦ではなく合意なんだな?」
「その言葉そっくりお返しいたします。はい、合意のようです」
(ああん! 青葉様! イイッ!)
(てめえごときが、名前呼びするんじゃねえ)
(ごめ…ん、なさっ! ひいぃ! 如月様!
イク! イク! 会長! 如月様ぁ!)
「……如月会長のようです。お相手はたぶん親衛隊でしょう。それにようやくイッたみたいですよ」
「そうか。セックスを途中で止めさせるのは、同じ男として忍びないからな。射精を我慢するのは身体にも良くない」
「そんな美しい横顔で、なにトンチンカンな思いやりを述べてるんですか」
「それは褒めているのか? けなしているのか?」
「天然男前な風紀委員長を、配下として心配しているだけです。しかし寄りにもよって、ご執心のあなたが踏み込めば、如月会長はさぞかし大慌てでしょうね。あー楽しみです。行きましょう。行って特大級のお灸をすえてやりましょう」
「ご執心? ライバルという意味か? 良くわからんが、灸をすえることに関しては異議は無い。踏み込むぞ」
「いえ、ここはまず私が先陣を切ります。委員長はあとから静かにゆっくりいらしてください。いいですね?」
瑞貴は意地の悪い笑みを浮かべると、保健室のドアを開けて奥のベッドへと向かていった。
……あれは何か悪巧みしているときの顔だ。
意図は不明だが、瑞貴の希望どおりに、足音を立てず気配を消して部屋へと入った。俺としては踏み込みたくもない現場だ。やる気のある奴に任せる方が楽でいい。
奥へ目を向けると、すでに仕切りのカーテンは半分開けられていて、ベッド脇でそそくさと下着を履きかけた美少年と、気だるげな様子で制服姿のまま横になっている生徒会長が見えた。
すでに瑞貴が、如月を厳しく詰問しているようだ。あいつは生徒会の面々が大嫌いだからな。如月も瑞貴を目の敵にしているし、たまに間に挟まれる俺は非常に迷惑だ。
……しかし眠い。このまま保健室のベッドにダイビングしたいくらいだ。そんな衝動をギリギリ抑えて、俺はなんとか耳を傾ける。
「それで? ここで具体的になにをされていたのですか?」
「ちょっとした火遊びだ」
「コンドームが必要な?」
「ナマでやって保健室で病気うつされたら目も当てられねえよ。俺はここで気持ちよく寝ていただけだぜ? そいつが勝手に寝込みを襲ってきやがったんだ。文句ならそいつに言えよ。おまえもどうせ盗み聞きしてやがったんだろうが。分かってることをネチネチ聞いてくんじゃねえ、鬱陶しい」
「……だそうですよ、藤堂委員長。どうします?」
瑞貴がにこやかに振り返って、いきなり俺に尋ねてきた。
何故おまえはそんなにも上機嫌なんだ?
さっきまでプリプリ怒っていたはずなのに、わからん奴。
「え? はあ? 藤堂だと!」
逆に如月は、カーテンの影に隠れていた俺と目が合った途端、みるみる顔色を変えて姿勢を正した。先ほどまでの、ふて腐れた気だるい様子が嘘のようだ。
しかし超男前がベッドの上で正座というのはなかなかにマヌケだぞ。【抱かれたい男ランキング】一位の名が泣くぞ。ちなみに俺はランキング二位らしい。なぜか【抱きたい男】にもランクインしているそうだ。男子校すべて滅べばいい。
「とっ、藤堂違うんだっ! 誤解だ! コイツと俺は何でもない!」
「きゃあああっ!藤堂様! 違うのです! 僕が如月様に御情けをいただいただけで、この方は何も悪くありません! 罰するなら僕だけにしてください!」
やってた方もやられていた方も、俺が出て行った途端、何をそんなに慌てている?
俺はそこまで怖れられ煙たがられているのか? 地味にダメージを受けたぞ。
それに美少年……まずはズボンを履け。パンイチで何を訴えているんだ、変態か?
「おまえらがどこでどう乳繰り合おうが俺は一向に構わん。やっている場所を選べということだ。ここは保健室だ。生徒会室にも仮眠場所はあるだろう? たまに余所の場所で刺激的に……という気持ちも分からんでもないが、見せられる方は大いに迷惑だ。気分が悪くて保健室へ行ったら、男同士のナニを見せられるんだぞ? トドメを刺してどうする。風紀委員として厳重注意する。二度目は無い。分かったな? 以上だ。行くぞ瑞貴」
踵を返して出ていこうとした俺の腕を、
「おい、待て」
如月がむんずと掴んできた。
「なんだ? 言いたいことでもあるのか?」
「ああ、大いにあるぜ。俺がこいつを抱いていたのに、おまえは何も感じねえのか? こう……なんというか、胸にモヤモヤしたものは湧きあがらねえのか? シカトか? まさかのシカトか?」
「特になにも湧きあがらないが……そうだな、しいて言えば……」
「しいて言えば?」
「おまえが保健室でのんびり寝ていたという事実に、いささかモヤモヤしている。先週生徒会に回した報告書がまだ返ってきてないぞ。親衛隊とセックスしている暇があったら、承認印を押してすぐに持ってこい。来週の定例会に間に合わなくなる。こちらは馬鹿な転校生に振り回されて、仕事が山積みなんだ。いちいち手間をかけさせるな」
今度こそ如月の手を振り払って、保健室を後にする。
あー眠い。ここのところ寝不足なせいかイライラする。
「無敵の生徒会長様が、いいざまですね」
「……うるせえ。あいつをひとりにするんじゃねえよ。とっとと行け飼いネコ。主人を守れ」
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