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1章《転生・儀式編》

宴の最中

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読者の皆さん、ここで私は重要な事をカミングアウトしようと思う。
そう、それは…
私が“腐女子”だということ。
腐女子とは、やおいやボーイズラブと呼ばれる男性同士の恋愛を扱った小説や漫画などを好む女性のことである。
そして私はその中でも特に…美少年や男の娘が大好きなのです…
あ、今ちょっと引いたろ、やめろ、引くな…
因みにこの国は聖地である。
美男美女揃い、老人ですら何処か美しさを感じる…

そして今!その美男美女達がペアとなり踊っているのだ!
眼福……
はっ、いけないいけない…、気を引き締めないとすぐ表情が緩む…
「ノア様、私と1曲どうですか?」
「やだぁ、私が先よ~」
「…ごめんなさい、僕踊れないから…」
ちょっとハーレムだけど、私はハーレム系は苦手だ。第三者として見る分には良いんだけど…
「こら、ノア様が困っていらっしゃるでしょう、他の方と踊って来なさいな」
止めてくれたのは侍女の1人だった。
今朝私を起こしてくれたのもこの人。
名前は確か……
「エリザベート、ありがとう…」
「いえ、当然の事をしたまでです。」
私が生まれる前から母に付き添っていた人だ。
白に近い黄緑の長い髪が美しい。
「エリザベート、暇だから髪をいじらせてもらえないかな?」
「あら、ノア様に髪を結って頂けるなんて光栄ですわ」
エリザベートはにっこりと微笑み、私に背を向け座った。
「エリザベートの髪は綺麗だね」
「ありがとうございます」
他愛ない話をしながら、私はエリザベートの髪を編み込んでいく。
数分後、彼女の長い髪は編み込まれ、花を飾ることでその美しさを一層際立たせていた。
「まあ、素敵ですわ」
エリザベートは手鏡を覗きながら嬉しそうに笑った。
「ノア様は器用でいらっしゃるのね、驚きました」
エリザベートはこちらを向いてニコニコしている。
私はその笑顔に微笑み返し、お礼を言った。
「ノア様に髪を結って頂いた事、皆様に自慢したいですわ」
「自慢する程でもないでしょ…」

その後も宴は続いた。
人々が笑顔だった。
その笑顔を見ながら、私は思う。
必ず、この国を立て直してみせると。
死にたくないが為に行った転生。
しかし、5年の歳月を経て、私の目的は変わっていた。
精霊王として、国民を導く。守ってみせる。
私は心の中でそう決心した。
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