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さよなら、またいつか、どこかで
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そこにいたのは、間違いなく、春則だった。
本当に、来てくれた!
その事実に、俺は思わず泣きそうになった。
「春則……俺…俺っ………!!」
感情がぐちゃぐちゃになって、うまく言葉にならない。
「大丈夫だ、俺がいる。」
暗闇の中、春則が俺の手を握った。
俺はその手の温もりに、少しドキドキしながら握り返した。
「あのさあ、早く逃げようよ……。」
ひょっとして、その声は……。
「えっ、文也?まさか、文也も助けに来てくれたの⁉︎」
「ああ、いろいろあってな。でもって、会場の電気を消したのは、こいつだ。
それを聞いて、やっぱり、文也は友達だったんだと、俺は嬉しかった。
「そんな事いいから、早くに逃げようって言ってんじゃん!!」
気づけば、村人たちがこちらに集まってきているようだった。
「翔馬、行くぞ。」
「うっ……うん。」
俺は春則に連れられるまま、走り出した。
でも暗闇の中だというのに、出口が分かるのだろうか?
「おーい、こっちじゃ。はようせい!」
勢いよく扉が開け放たれると、そこには天音がいた。
「天音様、ありがとうございます!!」
さっきまでのオドオドした感じが嘘のように、文也が元気よく声を上げた。
一体俺がいない間、何があったんだろうか?
けれども今は、そんな事を考えている場合じゃない。
ひとまず結婚式場からは脱出できたが、まだ安心はできなかった。
「これから、どうするの?」
すると天音が再び結婚式場へと足を踏み入れた。
「ふふっ、わらわに感謝せい。今から時間を稼いでやる。」
まさかの言葉に、俺は耳を疑った。
思えばどうして、天音が俺の味方をしているのか、さっぱり分からなかった。
俺がそれについて尋ねようとすると、今度は文也が結婚式場へと歩み寄った。
そして、ゆっくりと俺の方に振り返って、笑った。
「翔馬、これがせめてもの罪滅ぼしだ。達者でな。」
そう言うと、2人は結婚式場へと消えていった。
「文也、なんか、キャラ違うーーー!!」
俺は理解が追いつかずパニクったが、春則は至って冷静だった。
「安心しろ。文也は、天音と生涯をともにしたいとの事だ。」
「………えええええっ!?」
もう駄目だ、本当に頭が追いつかない……。
だけど、今俺がやらなきゃいけない事は分かっていた。
「春則、ここからどうやって逃げるの?」
「任せろ、道は覚えた。」
俺は春則を信じ、再び手を握り、走り出した。
本当に、来てくれた!
その事実に、俺は思わず泣きそうになった。
「春則……俺…俺っ………!!」
感情がぐちゃぐちゃになって、うまく言葉にならない。
「大丈夫だ、俺がいる。」
暗闇の中、春則が俺の手を握った。
俺はその手の温もりに、少しドキドキしながら握り返した。
「あのさあ、早く逃げようよ……。」
ひょっとして、その声は……。
「えっ、文也?まさか、文也も助けに来てくれたの⁉︎」
「ああ、いろいろあってな。でもって、会場の電気を消したのは、こいつだ。
それを聞いて、やっぱり、文也は友達だったんだと、俺は嬉しかった。
「そんな事いいから、早くに逃げようって言ってんじゃん!!」
気づけば、村人たちがこちらに集まってきているようだった。
「翔馬、行くぞ。」
「うっ……うん。」
俺は春則に連れられるまま、走り出した。
でも暗闇の中だというのに、出口が分かるのだろうか?
「おーい、こっちじゃ。はようせい!」
勢いよく扉が開け放たれると、そこには天音がいた。
「天音様、ありがとうございます!!」
さっきまでのオドオドした感じが嘘のように、文也が元気よく声を上げた。
一体俺がいない間、何があったんだろうか?
けれども今は、そんな事を考えている場合じゃない。
ひとまず結婚式場からは脱出できたが、まだ安心はできなかった。
「これから、どうするの?」
すると天音が再び結婚式場へと足を踏み入れた。
「ふふっ、わらわに感謝せい。今から時間を稼いでやる。」
まさかの言葉に、俺は耳を疑った。
思えばどうして、天音が俺の味方をしているのか、さっぱり分からなかった。
俺がそれについて尋ねようとすると、今度は文也が結婚式場へと歩み寄った。
そして、ゆっくりと俺の方に振り返って、笑った。
「翔馬、これがせめてもの罪滅ぼしだ。達者でな。」
そう言うと、2人は結婚式場へと消えていった。
「文也、なんか、キャラ違うーーー!!」
俺は理解が追いつかずパニクったが、春則は至って冷静だった。
「安心しろ。文也は、天音と生涯をともにしたいとの事だ。」
「………えええええっ!?」
もう駄目だ、本当に頭が追いつかない……。
だけど、今俺がやらなきゃいけない事は分かっていた。
「春則、ここからどうやって逃げるの?」
「任せろ、道は覚えた。」
俺は春則を信じ、再び手を握り、走り出した。
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