19 / 22
ついに始まった結婚式!俺の運命は?
しおりを挟む
綺礼と出会って次の日、俺は花嫁が身支度をする部屋みたいなところに連れて行かれた。
そして、あれよあれよと言う間に、俺は村人たちの手によって、純白のウエディングドレスを着せられてしまった。
そして、そんな姿で鏡の前に座らされたものだから、恥ずかしさで顔から火が出る思いだった。
「……って言うかさあ、俺、てっきり着物だと思ってたのに、まさか、こんなヒラヒラのレースの付いたウエディングドレスを着るなんて、夢にも思いませんでした……。」
女物の着物を着ている村人たち(男)が、俺に化粧をする中、俺はボソリを呟いた。
「それは綺礼様の申し付けです。そのドレスは今は亡きお母様がご結婚の際にご着用されていたものなんです。」
………きっとその母親っていうのも、実は男なんだろうな。
そして俺も、いずれ母親になってしまうのだろうか。
そんな漠然とした想像をしながら、俺は適当に話を流した。
そうこうしているうちに、いつの間にか鏡の前にはどっからどう見ても女にしか見えない俺が出来上がっていた。
その姿を見て、自分とは思えず、呆然とするしかなかった。
「さあ、支度が出来ましたよ。それでは結婚式場へ行きましょう。」
「はっ……はあ…はい……?」
思わず返事をしてしまったが、このままでは本当にまずいと、今更ながら焦り出した。
「あ…あの……やっぱり…俺──。」
「ほら、ゴタゴタ言ってないで行くよ!」
俺の言葉はあっさりとかき消され、俺は村人たちに腕を引っ張られ、強引に結婚式場に連れて行かれてしまった。
「それでは、新婦入場です!」
司会者の合図によって、結婚式場の扉が開かれ、俺はなんと、小戸狛江にエスコートされて入場することになってしまった。
「何でこうなるわけ?これなら、1人で歩きますよ…。」
まだ、カッコいい綺礼ならまだしも、こんな爺さんと一緒、しかも腕を組んで歩くだなんて、余計気が沈むものだ。
「そーんな事を言って、ここから逃げ出す気じゃろ。そうはいかんぞ。」
こんなに多勢の村人に囲まれて、どう逃げろというのだろうか。
まあ、このまま話しても埒があかないので、黙ってエスコートされることにした。
そしてとうとう、綺礼の座っているメイン席までやってきた。
「やあ、翔馬。母上のドレス、よく似合ってるよ。」
甘い声、直球の褒め言葉に、顔から火が出るほどだった。
「それと、父上。翔馬が嫌がっているから、もう離れていただけませんか。」
対して実の父親である小戸狛江へは一転して、顔は笑顔のまま、声は尖らせた。
「……すまんのう。」
その剣幕に負けたのか、小戸狛江はすぐに俺から離れていった。
「さあ、邪魔者もいなくなったし、こっちにおいで。」
綺礼に手招きされ、俺はガチガチに固まった体をなんとか動かし、綺礼の隣に座った。
ダメだ…。
綺礼がカッコ良すぎて、直視できない。
このままでは、心を奪われてしまいそうだったので、俺はずっと前を向いておくことにした。
そうしてとうとう結婚式が始まり、まずはスピーチが始まった。
「では、わしから一言。思えば綺礼は幼い頃から綺麗で、それはそれは──。」
「はい、そこまでです、父上。では、次の方。」
綺礼に強制的に話を終了させられ、明らかに凹んでいる小戸狛江の顔に、思わず吹き出しそうになりながら、なんとか耐えた。
「ふふっ。次はわらわの番じゃな!」
次に現れたのは、あの時俺に変な術をかけた、天音だった。
「今日は本当にめでたい日じゃ!なんせ、新たなカップルが誕生するのじゃかのう。だから今日は、わらわがとっておきのサプライズを用意しておいたぞよ。ありがたく思うのじゃな!」
いや、ありがたいどころか、嫌な予感しかしないんだけど…。
そんな事を思っていると、天音の指示によって、村人がウエディングケーキを持ってきた。
そしてその村人が、俺だけを呼び出し、ナイフを渡したかと思えば、何故かその手を握ってきた。
「では、入刀!」
天音がそう叫んだ時だった。
突然照明が落ち、真っ暗で何も見えなくなった。
「翔馬、逃げるぞ。」
「そ…その声は⁉︎」
聞き慣れたその声に、俺はドキッとした。
そして、あれよあれよと言う間に、俺は村人たちの手によって、純白のウエディングドレスを着せられてしまった。
そして、そんな姿で鏡の前に座らされたものだから、恥ずかしさで顔から火が出る思いだった。
「……って言うかさあ、俺、てっきり着物だと思ってたのに、まさか、こんなヒラヒラのレースの付いたウエディングドレスを着るなんて、夢にも思いませんでした……。」
女物の着物を着ている村人たち(男)が、俺に化粧をする中、俺はボソリを呟いた。
「それは綺礼様の申し付けです。そのドレスは今は亡きお母様がご結婚の際にご着用されていたものなんです。」
………きっとその母親っていうのも、実は男なんだろうな。
そして俺も、いずれ母親になってしまうのだろうか。
そんな漠然とした想像をしながら、俺は適当に話を流した。
そうこうしているうちに、いつの間にか鏡の前にはどっからどう見ても女にしか見えない俺が出来上がっていた。
その姿を見て、自分とは思えず、呆然とするしかなかった。
「さあ、支度が出来ましたよ。それでは結婚式場へ行きましょう。」
「はっ……はあ…はい……?」
思わず返事をしてしまったが、このままでは本当にまずいと、今更ながら焦り出した。
「あ…あの……やっぱり…俺──。」
「ほら、ゴタゴタ言ってないで行くよ!」
俺の言葉はあっさりとかき消され、俺は村人たちに腕を引っ張られ、強引に結婚式場に連れて行かれてしまった。
「それでは、新婦入場です!」
司会者の合図によって、結婚式場の扉が開かれ、俺はなんと、小戸狛江にエスコートされて入場することになってしまった。
「何でこうなるわけ?これなら、1人で歩きますよ…。」
まだ、カッコいい綺礼ならまだしも、こんな爺さんと一緒、しかも腕を組んで歩くだなんて、余計気が沈むものだ。
「そーんな事を言って、ここから逃げ出す気じゃろ。そうはいかんぞ。」
こんなに多勢の村人に囲まれて、どう逃げろというのだろうか。
まあ、このまま話しても埒があかないので、黙ってエスコートされることにした。
そしてとうとう、綺礼の座っているメイン席までやってきた。
「やあ、翔馬。母上のドレス、よく似合ってるよ。」
甘い声、直球の褒め言葉に、顔から火が出るほどだった。
「それと、父上。翔馬が嫌がっているから、もう離れていただけませんか。」
対して実の父親である小戸狛江へは一転して、顔は笑顔のまま、声は尖らせた。
「……すまんのう。」
その剣幕に負けたのか、小戸狛江はすぐに俺から離れていった。
「さあ、邪魔者もいなくなったし、こっちにおいで。」
綺礼に手招きされ、俺はガチガチに固まった体をなんとか動かし、綺礼の隣に座った。
ダメだ…。
綺礼がカッコ良すぎて、直視できない。
このままでは、心を奪われてしまいそうだったので、俺はずっと前を向いておくことにした。
そうしてとうとう結婚式が始まり、まずはスピーチが始まった。
「では、わしから一言。思えば綺礼は幼い頃から綺麗で、それはそれは──。」
「はい、そこまでです、父上。では、次の方。」
綺礼に強制的に話を終了させられ、明らかに凹んでいる小戸狛江の顔に、思わず吹き出しそうになりながら、なんとか耐えた。
「ふふっ。次はわらわの番じゃな!」
次に現れたのは、あの時俺に変な術をかけた、天音だった。
「今日は本当にめでたい日じゃ!なんせ、新たなカップルが誕生するのじゃかのう。だから今日は、わらわがとっておきのサプライズを用意しておいたぞよ。ありがたく思うのじゃな!」
いや、ありがたいどころか、嫌な予感しかしないんだけど…。
そんな事を思っていると、天音の指示によって、村人がウエディングケーキを持ってきた。
そしてその村人が、俺だけを呼び出し、ナイフを渡したかと思えば、何故かその手を握ってきた。
「では、入刀!」
天音がそう叫んだ時だった。
突然照明が落ち、真っ暗で何も見えなくなった。
「翔馬、逃げるぞ。」
「そ…その声は⁉︎」
聞き慣れたその声に、俺はドキッとした。
4
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる