1 / 1
無機質な戦争
しおりを挟む
ブブッ。
スマートフォンが揺れた。来たのか。
机の上に置きぱなっしのヘッドセットを装着しスマホの画面をつけてアプリを起動させる。
「僕」
このアプリを使うにはフェイス認証、指紋認証そして音声認証が必要だ。
アプリを開き開始ボタンを押す。
転送された映像が表示される。
ここはどこなんだろう。山岳地のようだけど。
レーダーに反応がある。
画面が赤く点滅した。近くにいる。
スマホの画面に四角いアイコンが表示される。これが目標のドローンだ。5機。
自分以外の味方機は3機。4対5か、おもしろい。
「スピードアップ」
「撃って」
「低く、低く、高く」
「スピードダウン」
操作は全てヘッドセットから声で指示を出す。
敵機を迎撃するとスコアが上昇。迎撃タイムが早ければさらにポイントがつく。
自機の被弾やバッテリーの残量、弾数を確認しながら敵機を追う。
すでに敵機は4機が落とされた。
ピピッ。味方機撃墜の通知だ。撃墜されるとスコアが減るのに。まだ慣れてない子なのかな。
敵機の後ろをとった。
「撃て」
目の前のドローンが爆破され炎上しながら地上に落下していく。
画面に「MISSION COMPLETE」の文字が鮮やかに表示される。
戦闘が終わった。
戦闘終了後のドローンは近くのステーションまで自動操縦で送られるので僕らはここまで。
毎度のことながら味方との会話はなし。できないわけじゃないけど同じ人と繋がることなんて滅多にないし全員が戦術を理解してるから支障はない。
これはスマホを使ったゲーム、ではなく本当の戦争だ。
国を守るために敵国のドローンと戦うんだ。
そして僕は神代光(かみしろ ひかる)、10歳。日本を守るためにドローンパイロットとして戦ってるんだ。
戦争といっても外に出たり、特別な施設まで行くことはなく自分の部屋で戦っている。
因みに僕みたいな子供が選ばれるなんてアニメやマンガじゃないかって?
現代のドローン戦は通常の大人の脳ではもはや処理スピードがついていけないんだって。
運動神経が発達する5~8歳の間にトレーニングを重ねてさらに1年の訓練を終えた9歳から10歳の少年がパイロットとして選ばれるんだ。だから子供だからって誰もがなれるわけでもないんだ。
あと詳しくはわからないけど子供の純粋な好奇心だったり無意識な攻撃性が必要なんだって。
僕らの使うドローンは国とゲーム会社のSONITCH社が共同開発したリモートバトルシステムを取り入れた戦闘兵器。
パソコンやスマホにアプリを入れてログイン。そしてこの専用ヘッドセットにキーワードを話しかけるだけ。
だから僕みたいな子供でも簡単に操作ができる。
キーワード、例えば「撃つ」「低く、高く」なんかはドローンの動きと僕の声をプログラムに登録するのさ。
声が枯れたらどーするって?大声を出す必要はないし、声が枯れてもAIが読み取ってくれるんだ。
もちろん、のど飴や喉スプレーは国から支給してもらえるから問題なし!
ところで敵のドローンてどういうこと?て。
昔各国でドローンを使った戦争が頻繁に起こるようになったんだけど、それに対抗するためにある国がドローンのAIを狂わすウイルスミサイルでドローンの機能を止めようとしたんだ。でもウイルスが未完成で逆に見境なく人を襲うようになってしまった。
というわけでいろいろな国で僕みたいな子供たちが家からドローンを操作して戦ってるんだ。
たくさん墜としてスコアを貯めるとお給料がもらえるしランクが上がったりするんだ。「エースパイロット」とかね。
ランクが高ければ良い大学にも無料で行けるんだって。詳しいことは両親にまかせてるので僕は知らない。
もちろん撃墜されるとスコアはマイナス。例えばしょっちゅう撃墜されているとパイロットを辞めさせられちゃう。
僕がそうなったらお父さんとお母さんをがっかりさせちゃうからミスしないようにがんばってるんだ。
最近お父さんの会社が忙しいみたいであまり帰ってこられないからお母さんとしょっちゅう喧嘩してるんだけど、僕の成績が良い時は2人ともすごく喜んでくれるから嬉しいんだ。
あ、もう学校に行く時間だ。準備しなきゃ。
スマートフォンが揺れた。来たのか。
机の上に置きぱなっしのヘッドセットを装着しスマホの画面をつけてアプリを起動させる。
「僕」
このアプリを使うにはフェイス認証、指紋認証そして音声認証が必要だ。
アプリを開き開始ボタンを押す。
転送された映像が表示される。
ここはどこなんだろう。山岳地のようだけど。
レーダーに反応がある。
画面が赤く点滅した。近くにいる。
スマホの画面に四角いアイコンが表示される。これが目標のドローンだ。5機。
自分以外の味方機は3機。4対5か、おもしろい。
「スピードアップ」
「撃って」
「低く、低く、高く」
「スピードダウン」
操作は全てヘッドセットから声で指示を出す。
敵機を迎撃するとスコアが上昇。迎撃タイムが早ければさらにポイントがつく。
自機の被弾やバッテリーの残量、弾数を確認しながら敵機を追う。
すでに敵機は4機が落とされた。
ピピッ。味方機撃墜の通知だ。撃墜されるとスコアが減るのに。まだ慣れてない子なのかな。
敵機の後ろをとった。
「撃て」
目の前のドローンが爆破され炎上しながら地上に落下していく。
画面に「MISSION COMPLETE」の文字が鮮やかに表示される。
戦闘が終わった。
戦闘終了後のドローンは近くのステーションまで自動操縦で送られるので僕らはここまで。
毎度のことながら味方との会話はなし。できないわけじゃないけど同じ人と繋がることなんて滅多にないし全員が戦術を理解してるから支障はない。
これはスマホを使ったゲーム、ではなく本当の戦争だ。
国を守るために敵国のドローンと戦うんだ。
そして僕は神代光(かみしろ ひかる)、10歳。日本を守るためにドローンパイロットとして戦ってるんだ。
戦争といっても外に出たり、特別な施設まで行くことはなく自分の部屋で戦っている。
因みに僕みたいな子供が選ばれるなんてアニメやマンガじゃないかって?
現代のドローン戦は通常の大人の脳ではもはや処理スピードがついていけないんだって。
運動神経が発達する5~8歳の間にトレーニングを重ねてさらに1年の訓練を終えた9歳から10歳の少年がパイロットとして選ばれるんだ。だから子供だからって誰もがなれるわけでもないんだ。
あと詳しくはわからないけど子供の純粋な好奇心だったり無意識な攻撃性が必要なんだって。
僕らの使うドローンは国とゲーム会社のSONITCH社が共同開発したリモートバトルシステムを取り入れた戦闘兵器。
パソコンやスマホにアプリを入れてログイン。そしてこの専用ヘッドセットにキーワードを話しかけるだけ。
だから僕みたいな子供でも簡単に操作ができる。
キーワード、例えば「撃つ」「低く、高く」なんかはドローンの動きと僕の声をプログラムに登録するのさ。
声が枯れたらどーするって?大声を出す必要はないし、声が枯れてもAIが読み取ってくれるんだ。
もちろん、のど飴や喉スプレーは国から支給してもらえるから問題なし!
ところで敵のドローンてどういうこと?て。
昔各国でドローンを使った戦争が頻繁に起こるようになったんだけど、それに対抗するためにある国がドローンのAIを狂わすウイルスミサイルでドローンの機能を止めようとしたんだ。でもウイルスが未完成で逆に見境なく人を襲うようになってしまった。
というわけでいろいろな国で僕みたいな子供たちが家からドローンを操作して戦ってるんだ。
たくさん墜としてスコアを貯めるとお給料がもらえるしランクが上がったりするんだ。「エースパイロット」とかね。
ランクが高ければ良い大学にも無料で行けるんだって。詳しいことは両親にまかせてるので僕は知らない。
もちろん撃墜されるとスコアはマイナス。例えばしょっちゅう撃墜されているとパイロットを辞めさせられちゃう。
僕がそうなったらお父さんとお母さんをがっかりさせちゃうからミスしないようにがんばってるんだ。
最近お父さんの会社が忙しいみたいであまり帰ってこられないからお母さんとしょっちゅう喧嘩してるんだけど、僕の成績が良い時は2人ともすごく喜んでくれるから嬉しいんだ。
あ、もう学校に行く時間だ。準備しなきゃ。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
星の声を聴く少女
最高の晩餐
SF
星の声を聴く少女、星野ひかり。彼女は、高次元生命体アスターと共に、地球の未来を守るために立ち上がる。
これは、ひとりの少女が宇宙規模の戦いに巻き込まれ、自らの能力と向き合いながら成長していく物語。そして、友情と愛、そして希望の物語である。
太陽の花が咲き誇る季節に。
陽奈。
SF
日本が誇る電波塔《東京スカイツリー》
それは人々の生活に放送として深く関わっていた。
平和に見える毎日。そんなある日事件は起こる。
無差別に破壊される江都東京。
運命を惑わされた少女の戦いが始まろうとしている。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ご近所STORYⅡ エレクトリックダンス【改訂版】
主道 学
SF
2047年
C区の全面的技術提供案。スリー・C・バックアップには、裏の顔があった。
日本の将来は非人間的な政策が施されようとしていた。
その時。なんと、C区の陰謀に一人の男が立ち上がった。
ちょっぴりシリアス。たまに笑えるラブストーリー。
前作のご近所物語 ハイブラウシティ・Bをお読みでなくともお楽しみ頂けるように書きましたが、前作をお読み頂いた方がよりお楽しみ頂けるようになっています。
すいません(汗)不定期更新です(汗)時々加筆修正します(汗)
お暇つぶし程度にお読み下さいませ
赤ん坊を拾ったのは戦闘型のアンドロイドでした
ブレイブ
SF
戦争が絶えない世界。戦闘型アンドロイド、フェイリアは依頼が終わった後、廃墟で赤ん坊を見つけ、母性か何か分からないが、赤ん坊を見捨てる事ができず、その赤ん坊を育てる事を決めた
月とガーネット[下]
雨音 礼韻
SF
西暦2093年、東京──。
その70年前にオーストラリア全域を壊滅させる巨大隕石が落下、地球内部のスピネル層が化学変化を起こし、厖大な特殊鉱脈が発見された。
人類は採取した鉱石をシールド状に改良し、上空を全て覆い尽くす。
隕石衝突で乱れた気流は『ムーン・シールド』によって安定し、世界は急速に発展を遂げた。
一方何もかもが上手くいかず、クサクサとしながらふらつく繁華街で、小学生時代のクラスメイトと偶然再会したクウヤ。
「今夜は懐が温かいんだ」と誘われたナイトクラブで豪遊する中、隣の美女から贈られるブラッディ・メアリー。
飲んだ途端激しい衝撃にのたうちまわり、クウヤは彼女のウィスキーに手を出してしまう。
その透明な液体に纏われていた物とは・・・?
舞台は東京からアジア、そしてヨーロッパへ。
突如事件に巻き込まれ、不本意ながらも美女に連れ去られるクウヤと共に、ハードな空の旅をお楽しみください☆彡
◆キャラクターのイメージ画がある各話には、サブタイトルにキャラのイニシャルが入った〈 〉がございます。
◆サブタイトルに「*」のある回には、イメージ画像がございます。
ただ飽くまでも作者自身の生きる「現代」の画像を利用しておりますので、70年後である本作では多少変わっているかと思われますf^_^;<
何卒ご了承くださいませ <(_ _)>
[上巻]を未読でお越しくださいました貴重な皆様♡
大変お手数ですが完結済の『月とガーネット』[上]を是非お目通しくださいませ(^人^)
第2~4話まで多少説明の多い回が続きますが、解説文は話半分くらいのご理解で十分ですのでご安心くださいm(_ _)m
関連のある展開に入りましたら、その都度説明させていただきます(=゚ω゚)ノ
クウヤと冷血顔面w美女のドタバタな空の旅に、是非ともお付き合いを☆
(^人^)どうぞ宜しくお願い申し上げます(^人^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる