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第十一章 領域封印(準備編)

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 あの日から数日後

 ミランダさんは相変わらずストイックに聖魔法の訓練を受けていると聞いた。なんでも、領域封印には結界を張るだけじゃなく、違う聖魔法も色々使うとかで、彼女はそれ等を修得しようと頑張っているらしい。
また、ルードリッヒさんもカールソンさんも、ミランダさんがより良い状態で聖魔法を使える様にと、それぞれの鍛錬を欠かさないそうだ。二人ともとても強い人達なのに、自ら敢えて厳しい鍛錬をしているという話を聞くと、マジで西山達 勇者パーティー不合格者アイツらの事を恨んでしまうのは仕方ない事だろう。ホント、召喚された当時(元の世界でも同じだったけど)僕の事をあれだけバカにしていたのに、自分達の方が落第くらうとか…。同じ世界から来た人間として、逆に恥ずかしいくらいだ。

 結局、辛うじてギリ残ったメンバーは、一応しっかり訓練を受けていた(らしい)相田・田代・中山の三人だけだ(とはいえ、クリスタルドラゴン討伐の時は、使えなかったけどね)。訓練をサボりまくった、または真面目に受けなかった(文句ばっかりだったとか聞いたな)中島・先生寺田は大規模討伐のあの日に大失態の為レッドカードをくらい即退場だったし、西山に至っては、大規模討伐の時にイエローカード、そしてあの直接対決の時に限りなくレッドカードに近いイエローカード2枚目でパーティーから退場となった。そして三人は今……… 召喚当初は優雅な三食昼寝付き生活を送らせて貰ってたらしいけど、そんな高待遇な生活とは雲泥の質素な生活をしていると聞く。結局あの三人の今は、驕り高ぶり、慢心し、努力を怠った結果。つまりはなんだなと僕は思った。
と、カッコつけて言ったけど、要はって一言に尽きるんだけどね。


 僕はといえば、ケイドル爺さんから貰った魔銃まガンのメンテをしたり、また新たに魔銃を作り始めてもいた。だって、コレからどんな魔獣が出てくるか分からないだろ?今までのは使えないかもしれないし…。それに準備をしっかりしておく事に越したことはないのだから。因みに今僕が作ろうと思ってるのは、僕オリジナルのライフルだ。しかも射程距離の長いヤツ
 あー。勿論、筋トレも毎日欠かさないでやっている。

 え?何故僕がこんなに頑張っているかって?それは、領域封印に僕もルードリッヒさん達と一緒に行くからだ。
 彼等に同行させて貰う以上、三人 ┄ ルードリッヒさん・カールソンさん・ミランダさん ┄ の足でまといになんて絶対なりたくないからね。

 戦いには当然、準備もそうだが、相手(この場合は領域の魔獣かな?)の事をしっかり把握しておく事は必須だ。領域封印に伴うリスクとか、出てくる(?)魔獣がどんなヤツがいるのか?とか…
兎に角僕の知らない"領域”について、分かってることを徹底的に調べたんだ。
調べるにあたり、ぼくはルードリッヒさんの威光を使わせて貰った。彼にはちょっと申し訳無い気持ちもあったけれど、(領域の事)しっかり調べとかないと、命の危険にさらされるかもだからね。
なんてたってこの異世界ここはゲームの世界じゃない!失敗=即死なんだ慎重に慎重を重ねても未だ足りないくらいかもなのだから…

 それから数日後
 僕はルードリッヒさん宅に呼ばれたんだ。

いよいよなんだな
僕は気を引き締めて、ルードリッヒさんが寄越した馬車に乗って彼の家に向かったんだ。
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